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第四話 美波さんを甘やかし隊 ※
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ひとしきり抱き合った後、美波さんは思い出したように言った。
「味噌汁あるの? 飲みたぁい……」
とろんとした声がわたしの耳元をくすぐり、堪らない気持ちになる。
「じゃあ、あっため直すので待っててください」
鍋に火をかけていると、美波さんはブラウスの下のブラジャーだけを抜き取り、くつろぎ始めた。生活感が感じられてニヤニヤしてしまう。
「アイス、しまっておきましたよ。実はわたしも同じの買ってたんで、二倍あります。明日も食べましょう」
味噌汁を渡して、自分の分も用意して一緒に飲み始めた。
「美味しいね、ありがとーハルナ」
美波さんは酔いが強まると、ちょっと子供っぽい喋り方になる。わたしと一緒のとき以外にこうなってほしくないな。前に見たのは、去年のクリスマスだった。わたしがプレゼントしたワイングラスで、ワインを飲んで酩酊セックスを……。いけない、思い出すとまたムラッとしてしまう。ちょっと危険なので、それ以来は飲みすぎないようにしている。わたしも酔うとすぐに寝ちゃうし。
美波さんは味噌汁を飲みながらうつらうつらとし始めた。
「そういえばあの人、バツイチならしいですね」
「ふーん? 風見さん?」
「はい。噂で聞きました」
「よく知ってるねぇ」
「……すいません、変なこと言って」
そこから拡げるつもりもなく、口をついて出た言葉だった。風見さんのネガティブ情報を美波さんに聞かせたかっただけだと思う。でも美波さんはわたしの心の翳りに気づいていなさそうだ。いけないなと思いながらも、そんなことを言ってしまった。
「ごちそうさまー」
美波さんは味噌汁を飲み干すと、座っていたソファの上に寝転がった。
だいぶ夢うつつになっている。
「美波さーん、寝る前に歯磨きしましょう。お風呂は明日でいいので」
「するー」
「……」
わたしは歯ブラシを持ってきて、ソファに横になっている美波さんの頭を持ち上げ、膝枕状態にして顔を覗き込んだ。
「はい、お口開けてくださーい」
「あー」
言われるがままに口を開ける美波さん。よく考えたら、こんなにまじまじと美波さんの口内を見るのは初めてだ。何故か倒錯的な気持ちになり、ドキドキしてきた。
改めて見てみると、人間の口の中って複雑な形をしている。口内に溜まった唾液や、テラテラとテカる粘膜はグロテスクながらも少しエロい。
下の奥歯の、裏側から。表側、前歯に向かって一本一本細かく磨いていく。次は上の歯。
他人の歯を磨いてあげるというのも、たぶん初めてだ。自分の歯を磨くより、よく見ながらできるから隅々まで磨きやすい。
そしてよく考えたら歯をゆすぐのだけはこのままじゃできない。
「グチュグチュペッだけ自分でやってくださいね」
「んー」
美波さんはふらふらと立ち上がり洗面所で歯をゆすいだ。
「先寝てていいですよ、わたしシャワーするので」
「んー」
もはや日本語を話せなくなってしまった美波さんは、またふらふらとリビングに戻っていった。
シャワーを済ませ、リビングに戻ると美波さんはソファに寝転がり眠っていた。
わたしは冷凍庫から自分の分のアイスを出しきて、ソファの上で涅槃像のように横向きに寝ている美波さんを眺めながら、アイスを食べ始めた。
「はぁ……可愛いなぁ」
美波さんは横向きになっており、ブラウスのボタンが少し開いていて胸の谷間を覗かせている。ノーブラなので重力が胸に横向きにかかり、柔らかそうに歪んでいた。こんな姿は絶対に他の人には見せられないな、と思いながら肴にしてアイスをちびちび食べる。
ウエストからヒップにかけての曲線はとても魅惑的で、すぐに撫で回したくなる。グラビアアイドルにでもなれそうなグラマー体型だ。いや、絶対になってほしくないけど。
美波さんは顔も良く、寝顔を見ていると本当にうっとりする。アイメイクは薄めだけどまつ毛がもともと長く、スラッと綺麗。
鼻筋も通っていて、顔の要素すべてが『ザ・美人』の条件を満たしている。(わたしは鼻が低いのが少しコンプレックスだけど、美波さんは可愛いって言ってくれる)
思わず見惚れていたが、眼鏡を外してあげないと寝づらいだろうし布団もかけてやらないと。
年下なのにお世話してあげている自分がおかしくて、そういえば以前、風邪を引いた自分も美波さんにだいぶ世話になったなと思い出した。
そのまま、わたしはベッドで眠りについた。ワンルームなので、ソファに眠る美波さんを見ながら寝られるのだ。
――翌日、わたしが起きると美波さんはわたしが寝る前と変わらず眠っていた。
「おはようございまーす」
返事もなくすやすやと眠る美波さんの唇に、指でツンと触れた。
昨晩さんざん好き勝手に磨いてやった口の中に、人差し指を潜り込ませた。指で歯磨きするみたいに、プルプルの唇と硬い歯の間で擦ってみた。
「美波さーん、起きてくださーい」
言いながら指で歯をこじ開け、舌を探る。温かくヌメるザラザラの舌を、コチョコチョと引っ掻いた。
「もがっ?!」
飛び起きた美波さんは、わたしの顔を見てホッとしたようだ。
「ああビックリした。寝ながら変なもの食べちゃったかと思った……」
「おはようございます」
「おはよ、ハルナ。あれ? 昨日ってお風呂入ってないね?」
自分の服装を見て思い出したようだ。それにたぶん、メイクを落とさず寝ちゃったとき特有の顔の不快感も感じてるだろう。
「歯磨きはしてあげましたよ。覚えてます?」
「……微かな記憶が。ええー、私ハルナに歯磨かせちゃったの? ゴメンね」
「全然。楽しかったですよ」
「恥ずかし……」
「ねえ、お風呂入りません?」
「そうだね、さっぱりしたい」
昨晩、浴槽は洗ってあったのでそのままお湯を張った。
「お身体洗いますよ」
「ええー、どうしたの急に」
「美波さんを甘やかしたい気分なんです」
「ちょっと恥ずかしいな」
美波さんを座らせ、シャンプーボトルを手に取る。かゆいところないですかー、なんて言いながら洗っていく。
「美容院とかもだけどさ、人に頭を洗ってもらうのって変な感じだよね。自分とはやり方が違うから」
「そう、けっこうやりにくいですね。力の加減とか大丈夫ですか?」
「もっと強くてもいいよ」
爪を立てないよう、指の腹で強く洗う。美波さんは髪質が硬めの直毛なので、少し重い。
「うん、気持ち良いね……助かる~」
「疲れたー、じゃあ流しまーす」
次はボディソープ。美波さんの家のボディソープはもともと泡で出るタイプだけど、さらに手の上で泡立たせてふわっふわにした。
それを自分の体の前面に塗りたくり、準備完了。
「いきますよー」
そう言って、後ろからそっと美波さんを抱きしめる。
「ふわっ、そういうやり方なの?」
「えへへ、やってみたくて」
美波さんは驚いたようだけど、じっと動かずにわたしに包み込まれた。
「くふふ……くすぐったいかも」
美波さんの柔肌を、わたしの体全体を使って優しく泡で包み込んでいく。にゅるにゅると体を上下させ、主に胸とお腹の滑りで撫で回した。
「はあぁ……ん……」
美波さんから、ため息のような声が漏れた。
「こっち向いてください」
「うん……」
向かい合わせになり十センチくらいの距離で顔を見合わせると、美波さんは頬を紅潮させ、目が何かを訴えかけてきた。
「ん……」
わたしは唇を美波さんの唇に重ねた。そのまま、お互いの腕を背に回して抱きしめ合った。体についた泡が肌を滑らせて、乳首と乳首が擦れた。
「っ……!」
同じ刺激を受けた二人が、同時に体を弾ませた。顔を見つめ合い、離れてしまった唇が再びお互いを求める。
「ちゅ……はむ……」
浴室にキス音が響き、反射した音と体を流れる音が合わさって脳に快感をもたらす。口と、美波さんに触れている体の表面に感覚が集中している。ぬるぬるとうごめく接触面は、刺激を与えられどんどん敏感になっていく。
強く抱きしめれば抱きしめるほど、肌が擦れ合い快感も強まる。
「はぁっ……! やばい、気持ちいい……っ!」
「美波さん……っ! 好きぃ……もっとくっつきたい……!」
足を絡ませ合い、太ももを滑らせて中央に入りこませる。茂みの中に小さな突起の感触を見つけた。繊細な動きで脚を動かしそれを太ももで擦ると、
「んっ……!」
と美波さんが痙攣して仰け反った。泡の滑りを利用して脚を上下に擦り合わせると、彼女は何度もビクビクッと体を震わせる。
わたしはキスをするのがもどかしく感じられた。キスをしていると、唇以外の顔や首あたりは接触できない。一度口を離し、頬同士をくっつけた。
「美波さん、美波さん……」
耳元で囁くと、美波さんはさらに体を震わせた。
「好き、ハルナぁ……はぁ……ん……!」
腕で互いを寄せ付け合いながら、胸を滑らせて刺激する。美波さんの胸の谷間に挟まれ、幸せを感じながらぷにゅぷにゅと泡立てていった。
「幸せすぎます、わたし、このままイッちゃうそう……っはぁ……!」
「あぁんっ……! 可愛いよ、ハルナ……ふぁっ……!」
そのまま、過去最高の密着をしながら絶頂した。
――ちゃぷん。
洗い流した後、湯船に二人で浸かった。ついついやってしまうが、お風呂場ではずっと立ちっぱなしなので、ちょっと疲れる。
「美波さん、新しいチームの仕事どうですか?」
「うん、まあ大変といえば大変かな。でも風見さんはよく面倒見てくれるし」
また風見さんが出てきた。仕事の話になったら当然か。わたしの顔が少し不機嫌になったこと、眼鏡を掛けていない美波さんには見えていないといいけど。
「田中さんは、美波さんが抜けててんやわんやみたいです。やっぱり頼られてたんですね」
あえて少し話題を逸らした。
「そっかぁ。ちょっと申し訳ないかも。ハルナはどう?」
「わたしは大丈夫です。美波さんが引き継ぎやってくれましたし」
「うん、ハルナは大丈夫だね。しっかり者だし」
本当は少し寂しいし悩みはあるけど、強がりたかった。
「よいしょ」
湯船に浸かっている美波さんに対して、正面からのしかかった。
「え、どうするの?」
ちょうど正常位の体勢みたいに、手を浴槽について美波さんの体を足でまたぐように膝を立てた。
「お湯の中だから、重くないでしょ?」
「ハルナ……おいで」
そんな姿勢のまま、キスをしたりおっぱいに顔を埋めたり、しばらくぎゅーっと抱き合っていた。
「味噌汁あるの? 飲みたぁい……」
とろんとした声がわたしの耳元をくすぐり、堪らない気持ちになる。
「じゃあ、あっため直すので待っててください」
鍋に火をかけていると、美波さんはブラウスの下のブラジャーだけを抜き取り、くつろぎ始めた。生活感が感じられてニヤニヤしてしまう。
「アイス、しまっておきましたよ。実はわたしも同じの買ってたんで、二倍あります。明日も食べましょう」
味噌汁を渡して、自分の分も用意して一緒に飲み始めた。
「美味しいね、ありがとーハルナ」
美波さんは酔いが強まると、ちょっと子供っぽい喋り方になる。わたしと一緒のとき以外にこうなってほしくないな。前に見たのは、去年のクリスマスだった。わたしがプレゼントしたワイングラスで、ワインを飲んで酩酊セックスを……。いけない、思い出すとまたムラッとしてしまう。ちょっと危険なので、それ以来は飲みすぎないようにしている。わたしも酔うとすぐに寝ちゃうし。
美波さんは味噌汁を飲みながらうつらうつらとし始めた。
「そういえばあの人、バツイチならしいですね」
「ふーん? 風見さん?」
「はい。噂で聞きました」
「よく知ってるねぇ」
「……すいません、変なこと言って」
そこから拡げるつもりもなく、口をついて出た言葉だった。風見さんのネガティブ情報を美波さんに聞かせたかっただけだと思う。でも美波さんはわたしの心の翳りに気づいていなさそうだ。いけないなと思いながらも、そんなことを言ってしまった。
「ごちそうさまー」
美波さんは味噌汁を飲み干すと、座っていたソファの上に寝転がった。
だいぶ夢うつつになっている。
「美波さーん、寝る前に歯磨きしましょう。お風呂は明日でいいので」
「するー」
「……」
わたしは歯ブラシを持ってきて、ソファに横になっている美波さんの頭を持ち上げ、膝枕状態にして顔を覗き込んだ。
「はい、お口開けてくださーい」
「あー」
言われるがままに口を開ける美波さん。よく考えたら、こんなにまじまじと美波さんの口内を見るのは初めてだ。何故か倒錯的な気持ちになり、ドキドキしてきた。
改めて見てみると、人間の口の中って複雑な形をしている。口内に溜まった唾液や、テラテラとテカる粘膜はグロテスクながらも少しエロい。
下の奥歯の、裏側から。表側、前歯に向かって一本一本細かく磨いていく。次は上の歯。
他人の歯を磨いてあげるというのも、たぶん初めてだ。自分の歯を磨くより、よく見ながらできるから隅々まで磨きやすい。
そしてよく考えたら歯をゆすぐのだけはこのままじゃできない。
「グチュグチュペッだけ自分でやってくださいね」
「んー」
美波さんはふらふらと立ち上がり洗面所で歯をゆすいだ。
「先寝てていいですよ、わたしシャワーするので」
「んー」
もはや日本語を話せなくなってしまった美波さんは、またふらふらとリビングに戻っていった。
シャワーを済ませ、リビングに戻ると美波さんはソファに寝転がり眠っていた。
わたしは冷凍庫から自分の分のアイスを出しきて、ソファの上で涅槃像のように横向きに寝ている美波さんを眺めながら、アイスを食べ始めた。
「はぁ……可愛いなぁ」
美波さんは横向きになっており、ブラウスのボタンが少し開いていて胸の谷間を覗かせている。ノーブラなので重力が胸に横向きにかかり、柔らかそうに歪んでいた。こんな姿は絶対に他の人には見せられないな、と思いながら肴にしてアイスをちびちび食べる。
ウエストからヒップにかけての曲線はとても魅惑的で、すぐに撫で回したくなる。グラビアアイドルにでもなれそうなグラマー体型だ。いや、絶対になってほしくないけど。
美波さんは顔も良く、寝顔を見ていると本当にうっとりする。アイメイクは薄めだけどまつ毛がもともと長く、スラッと綺麗。
鼻筋も通っていて、顔の要素すべてが『ザ・美人』の条件を満たしている。(わたしは鼻が低いのが少しコンプレックスだけど、美波さんは可愛いって言ってくれる)
思わず見惚れていたが、眼鏡を外してあげないと寝づらいだろうし布団もかけてやらないと。
年下なのにお世話してあげている自分がおかしくて、そういえば以前、風邪を引いた自分も美波さんにだいぶ世話になったなと思い出した。
そのまま、わたしはベッドで眠りについた。ワンルームなので、ソファに眠る美波さんを見ながら寝られるのだ。
――翌日、わたしが起きると美波さんはわたしが寝る前と変わらず眠っていた。
「おはようございまーす」
返事もなくすやすやと眠る美波さんの唇に、指でツンと触れた。
昨晩さんざん好き勝手に磨いてやった口の中に、人差し指を潜り込ませた。指で歯磨きするみたいに、プルプルの唇と硬い歯の間で擦ってみた。
「美波さーん、起きてくださーい」
言いながら指で歯をこじ開け、舌を探る。温かくヌメるザラザラの舌を、コチョコチョと引っ掻いた。
「もがっ?!」
飛び起きた美波さんは、わたしの顔を見てホッとしたようだ。
「ああビックリした。寝ながら変なもの食べちゃったかと思った……」
「おはようございます」
「おはよ、ハルナ。あれ? 昨日ってお風呂入ってないね?」
自分の服装を見て思い出したようだ。それにたぶん、メイクを落とさず寝ちゃったとき特有の顔の不快感も感じてるだろう。
「歯磨きはしてあげましたよ。覚えてます?」
「……微かな記憶が。ええー、私ハルナに歯磨かせちゃったの? ゴメンね」
「全然。楽しかったですよ」
「恥ずかし……」
「ねえ、お風呂入りません?」
「そうだね、さっぱりしたい」
昨晩、浴槽は洗ってあったのでそのままお湯を張った。
「お身体洗いますよ」
「ええー、どうしたの急に」
「美波さんを甘やかしたい気分なんです」
「ちょっと恥ずかしいな」
美波さんを座らせ、シャンプーボトルを手に取る。かゆいところないですかー、なんて言いながら洗っていく。
「美容院とかもだけどさ、人に頭を洗ってもらうのって変な感じだよね。自分とはやり方が違うから」
「そう、けっこうやりにくいですね。力の加減とか大丈夫ですか?」
「もっと強くてもいいよ」
爪を立てないよう、指の腹で強く洗う。美波さんは髪質が硬めの直毛なので、少し重い。
「うん、気持ち良いね……助かる~」
「疲れたー、じゃあ流しまーす」
次はボディソープ。美波さんの家のボディソープはもともと泡で出るタイプだけど、さらに手の上で泡立たせてふわっふわにした。
それを自分の体の前面に塗りたくり、準備完了。
「いきますよー」
そう言って、後ろからそっと美波さんを抱きしめる。
「ふわっ、そういうやり方なの?」
「えへへ、やってみたくて」
美波さんは驚いたようだけど、じっと動かずにわたしに包み込まれた。
「くふふ……くすぐったいかも」
美波さんの柔肌を、わたしの体全体を使って優しく泡で包み込んでいく。にゅるにゅると体を上下させ、主に胸とお腹の滑りで撫で回した。
「はあぁ……ん……」
美波さんから、ため息のような声が漏れた。
「こっち向いてください」
「うん……」
向かい合わせになり十センチくらいの距離で顔を見合わせると、美波さんは頬を紅潮させ、目が何かを訴えかけてきた。
「ん……」
わたしは唇を美波さんの唇に重ねた。そのまま、お互いの腕を背に回して抱きしめ合った。体についた泡が肌を滑らせて、乳首と乳首が擦れた。
「っ……!」
同じ刺激を受けた二人が、同時に体を弾ませた。顔を見つめ合い、離れてしまった唇が再びお互いを求める。
「ちゅ……はむ……」
浴室にキス音が響き、反射した音と体を流れる音が合わさって脳に快感をもたらす。口と、美波さんに触れている体の表面に感覚が集中している。ぬるぬるとうごめく接触面は、刺激を与えられどんどん敏感になっていく。
強く抱きしめれば抱きしめるほど、肌が擦れ合い快感も強まる。
「はぁっ……! やばい、気持ちいい……っ!」
「美波さん……っ! 好きぃ……もっとくっつきたい……!」
足を絡ませ合い、太ももを滑らせて中央に入りこませる。茂みの中に小さな突起の感触を見つけた。繊細な動きで脚を動かしそれを太ももで擦ると、
「んっ……!」
と美波さんが痙攣して仰け反った。泡の滑りを利用して脚を上下に擦り合わせると、彼女は何度もビクビクッと体を震わせる。
わたしはキスをするのがもどかしく感じられた。キスをしていると、唇以外の顔や首あたりは接触できない。一度口を離し、頬同士をくっつけた。
「美波さん、美波さん……」
耳元で囁くと、美波さんはさらに体を震わせた。
「好き、ハルナぁ……はぁ……ん……!」
腕で互いを寄せ付け合いながら、胸を滑らせて刺激する。美波さんの胸の谷間に挟まれ、幸せを感じながらぷにゅぷにゅと泡立てていった。
「幸せすぎます、わたし、このままイッちゃうそう……っはぁ……!」
「あぁんっ……! 可愛いよ、ハルナ……ふぁっ……!」
そのまま、過去最高の密着をしながら絶頂した。
――ちゃぷん。
洗い流した後、湯船に二人で浸かった。ついついやってしまうが、お風呂場ではずっと立ちっぱなしなので、ちょっと疲れる。
「美波さん、新しいチームの仕事どうですか?」
「うん、まあ大変といえば大変かな。でも風見さんはよく面倒見てくれるし」
また風見さんが出てきた。仕事の話になったら当然か。わたしの顔が少し不機嫌になったこと、眼鏡を掛けていない美波さんには見えていないといいけど。
「田中さんは、美波さんが抜けててんやわんやみたいです。やっぱり頼られてたんですね」
あえて少し話題を逸らした。
「そっかぁ。ちょっと申し訳ないかも。ハルナはどう?」
「わたしは大丈夫です。美波さんが引き継ぎやってくれましたし」
「うん、ハルナは大丈夫だね。しっかり者だし」
本当は少し寂しいし悩みはあるけど、強がりたかった。
「よいしょ」
湯船に浸かっている美波さんに対して、正面からのしかかった。
「え、どうするの?」
ちょうど正常位の体勢みたいに、手を浴槽について美波さんの体を足でまたぐように膝を立てた。
「お湯の中だから、重くないでしょ?」
「ハルナ……おいで」
そんな姿勢のまま、キスをしたりおっぱいに顔を埋めたり、しばらくぎゅーっと抱き合っていた。
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