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第七話(最終話) 大好きなルームメイト

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「ねえ……次は私の番だよね」

 一度絶頂したミサちゃんは、わたしに覆いかぶさってこんなことを言った。

「だ、大丈夫なの? しんどくない?」
「私もひなたさんを気持ちよくさせてあげたい。ううん、それも含めて私の欲望。私の手であなたを快楽に導きたいの」
 どエッチだ。ゾクゾクする。一体何をしてくれるつもりなんだろう。わたしはすっかり期待してしまっていた。

「脱いで」
 言いながらもミサちゃんは自分のパジャマのボタンを外し始めた。ミサちゃんがズボンも脱いで下着一枚になったので、わたしもシャツとショートパンツを脱いで同じ格好になった。人前で、自分から脱ぐという機会もなかなかないので恥ずかしい。
 ミサちゃんは両手を広げて、わたしに抱きついた。さっきまでとは違い、肌が直接触れ合うハグだった。
「ああ、気持ち良い……」
 思わずつぶやいた。素肌が密着してペタペタする。体温、滑らかさ、柔らかさが直接伝わってくる。わたしの乳首がミサちゃんの柔肌に擦れ、わたしの肌もミサちゃんの乳首を感じている。

 頬に柔らかな感触。ミサちゃんが口づけをした。ちゅ、ちゅ、ちゅ、と下がっていき、首筋を通って鎖骨へ。ああ、わたしも胸を吸って欲しい。胸元まで行くと、体の中央を通っておへそまでキスを続けた。
「く、くすぐったい……」
 おへそから、また上へ上がってきた。そのまま行くと乳首にたどり着く……が、ちょうど胸の膨らみあたりでキスは止まった。
「はぁっ……はぁっ……」
 焦らされている。乳首を攻めると思わせて、まだ触らないんだ。妖精か天使を思わせる可愛いミサちゃんが、実はとんだ小悪魔だった。
「胸触って……」
 思わず彼女を抱きしめ、懇願してしまった。
「可愛いね。寝転がってみて」
 仰向けに寝るわたしの上に行き、上下逆さまに顔を向かい合わせた。下から見上げる上下逆さまのミサちゃんは、ちょっと新鮮な眺めだ。彼女はそのまま口をわたしの唇に合わせ、逆さまのキスをした。
「んっ……はむ……」
 お互いの舌が向かい合う形だから、より密接に絡まり合う。興奮冷めやらず、両手を伸ばして頭上にあるミサちゃんのおっぱいを触りに行く。四つん這いになった彼女の乳房は重力で下向きに垂れ下がっていて、下からたぷ、たぷ、と持ち上げると重さを存分に感じることができた。最高の手触りを堪能していると、だんだんその二つの半球が近づいてきた。
 ミサちゃんはわたしの乳首に近づき、口を開いた。温かい呼気がかかるだけで、脈が上がる。さらにフーッと息が吹きかけられ、全身がゾワゾワと波打った。わたしの視界はミサちゃんのおっぱいで塞がれている。今はミサちゃんのなのに我慢できず、その先端を舐めてしまった。
「あんっ……! ふふ、いいよ。好きなようにやってね」
 彼女も、わたしの乳首をレロッと舐めた。
「ひゃんっ!」
 焦らされていた乳首は、急な刺激に大きく反応した。わたしは再び、ミサちゃんの乳首を咥えて吸った。彼女も吸ってくれた。
 ヂュッ……ヂュパッ……ヂュッ……
 ヂュッ……ヂュパッ……ヂュッ……
 わたしが吸うのと同じように吸っている。
 ヂュムッ!と強めに吸うと、同じようにヂュムッ!と強く吸われた。自分で自分を攻めているような、倒錯的な気分になる。
 彼女に、気持ち良くなってもらいたい。そのことが自分の快感にもなる。彼女にされて嬉しいことを、自分もする。お互いがそういう気持ちで愛し合えば、無限に気持ち良くなっていく。
 両手で乳房を揉みながら、もっと感じて欲しいと思いさらに舌を激しく動かした。
「ふぁっ……!」
 ミサちゃんの体を支える腕の力が抜け、胸がわたしの顔に思い切り降ってきた。
「あっ、ごめん大丈夫!?」
「ううん……しあわせ」
「ばか」
 ばかと来た。ミサちゃんにばかなんて言ってもらえる人、他にいないよね、と思いまたニヤけてしまった。

 寝転がって、向かい合わせになった。ミサちゃんは、手でそっとわたしの腋の下あたりを突いた。
「ひぁっ!?」
「ひなたさんって、ここ弱いよね」
「こんなとこ、誰だってくすぐったいでしょ……!」
「んふふふ」
 両手の四本指で、それぞれ左右の胸の脇に優しく触れ、そのまま指を乳首のほうまで滑らせる。
「んくっ……!」
 撫でられる度に体が弾む。乳首がピンと硬くなっているのが分かる。ミサちゃんの舌が、乳首の先端をピロピロと素早く舐め回す。
「はぁぁっ……!」
「ひなたさんの胸、おいしいよ」
 わたしの乳首は舐められ、吸われ、舌と唇でもてあそばれ、もう片方の乳首も指で挟まれてコリコリと転がされている。
「あぁっ……! あ……っ、ん……っ! あっ……!」
 ちゅばっ、ぢゅちゅっ、と音を立ててしゃぶり回される。その振動が全身を快感に染めていく。わたしが彼女にしていたこと、されるとこんなに気持ちいいんだ。
「ん、んんっ……!」
 胸を刺激されながら、いきなりミサちゃんの唇に口が塞がれた。思い切り吸われて、舌が彼女の口内に誘い出される。わたしはされるがままに、ミサちゃんの舌に翻弄された。頭がとろけて、すべてを委ねたくなった。
 両手でまた横乳のあたりをさすられ、上半身を仰け反りそうになる。
「☆%っ!」
 舌が奪われているので妙な声を上げてしまった。でも、もう限界近いので気にしていられない。口の中を乱されながら、乳首を指で擦られている。下腹部と、胸と、舌と、脳がごちゃ混ぜになっている感覚。
「ひなたさん……!」
 囁く声が耳にも刺激を与える。何もかも敏感になっており、彼女のするすべての行為が、わたしを感じさせてしまう。
 ミサちゃんが手をわたしの背中に回し、思い切り抱きしめ口を合わせた。わたしも、彼女にしがみつくように抱いた。胸同士が圧迫され、彼女の乳首がわたしの乳首を擦り上げる。その新しい刺激は、わたしを悦楽の旅へといざなった。

「ん……っ、んんっ……! んーっ!」
 声が上げられないまま、体中に電流が走る。次の瞬間には力が入らなくなり、ミサちゃんにしなだれかかった。ミサちゃんはまだ、強くわたしを抱いて支えている。

「はぁ……はぁ……はぁ……」
「んふふ、気持ち良かった?」
「良すぎた……。頭が、おかしく、なりそうだったよ……」
「良かった。私だけ良くても、意味ないからね」
 ミサちゃんがわたしの頬にキスをした。わたしも、首筋にお返しした。何度かキスの応酬をして、抱き合ったままクールダウンした。

 そういえば、聞いてみたいことがあるんだった。
「あの……いつ気づいたの? わたしが、夜にしていること」
「うーん、二週間くらい?前かな」
「そ、そんなに……」
 五月の下旬くらい。それって、ほとんど始めたころだ。

「私も聞いていい? どうして一日置きに?」
「えっ……。あの……毎日はよくないかなって……。いや本当は一日だってダメなんだけど……。それに、毎日なんかしてたら、我慢できなくなっちゃいそうで」
「んふふ。可愛い。すごく可愛いよ、ひなたさん」
「やめてよ……」
 やっぱり、ミサちゃんには敵わない。
「ふふ……じゃあこれからは、我慢しないでいいね」
 じわっと心が暖かくなる。好きすぎる。
「ミサちゃん……」
「ひなたさんって、意外と泣き虫だよね」
 気づかず涙が流れていた。
「い……いつもはそんなことないんだけど。嬉しすぎて……。好き、ミサちゃん好き……」
「私も嬉しい。好きだよ、ひなたさん」

 なんて素敵な人なんだろう、と思った。こんなに素敵な人を好きになれた幸運に、わたしは感謝した。そして、なんと彼女もわたしのことを好きと言ってくれている。奇跡という他ない。

 彼女は、わたしの大好きなルームメイトだった。
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