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九十一話
しおりを挟む※やっと……やっと真面目な話から抜け出したーー(n‘∀‘)η!
よーしふざけるぞー(n‘∀‘)η!
修練祭の騒動から一月が経過した。
心をへし折られたライノルトを無理矢理に王の座に据えて帰国させ、賠償金をせびった後。
ダークエルフの谷が住めない状態になってしまったので、エルフの森への移住の手伝いや、日用品などの差し入れなども終わらせてようやく一息つく事ができた。
エルフ側はこれからガーチさんの暑苦しさに慣れないといけないから大変だな。
そんなこんなで色々と面倒な処理を終わらせた頃。
ゴードからいつものメンバーに召集がかかった。
普段ならリリアを置いてこっそりと抜け出すのだが、今回はリリアもOKということなので、一緒に行くことになった。
いつもの紳士会議で使う部屋に行くと、すでにゴード、ヤクト、店主に加えてチサトさんにエレインもいた。
ちょっと珍しいと言えば珍しいメンバーだ。
「よく来てくれた皆の衆。 普段は四人だけだが、今回は少し別件も絡んでいるので女性陣にも参加していただいた」
珍しく……あ、いや違う。
いつも以上に真剣な顔をして座っているゴードを見てリリアやチサトさん達はいったい何事かと固唾を飲んで見守っている。
しかし、俺を含め店主とヤクトは違う。
間違いなくこう思っている筈だ。
あ、また何かネタを仕入れてきたな、と。
緊張感など皆無の三人と、ガチガチに緊張している三人。
まさに対照的な様子だが、そんな中ゴードは口を開いた。
「余はつい先日、フォームランドの首都であるレーゲンスファルに行ってきた」
語りだしたゴードの言葉に、また戦争かと考えるリリア達。そんなことはこのメンバーな時点でありえないと断言出来るから肩の力を抜いて欲しいものだ。
「そこで余は大変なものを見つけた。 いや、意図せずとも目に入ってきた……と言うべきか。 とにかく余はそれを見て、我が国がその点においては遅れているのではないか、という結論に至りこのメンバーに集まってもらったのだ」
「そ、それは一体……。 こと戦闘に長けたメンバーの多いこの面子で話す事とは……」
「……何かしら、私嫌な予感しかしないんだけど。 しかもろくでもない感じで」
真剣なエレインさんは真面目に考えている。
チサトさんは勘がいいな。
「それは……かの国の学園の女生徒や女性騎士はミニスカだったという事だ! しかも、規律でそうなっている! つまり! レーゲンスファルにはミニスカが多い、という事だ!」
「なん……だと……!?」
「陛下、それは……本当なのか!?」
「レーゲンスファルのミニスカだと!? 服屋としてそれは気になるぞ!」
まさか興味も無かったレーゲンスファルにそんな素敵な文化があっただなんて!
なぜだ……なぜ俺は気づかなかったのか……。
「…………え?」
「へ、陛下? 何を言っているのですか? というかヤクト様もなんでそんなに食いついてますの!?」
「本気で言ってるのこいつら……」
固まるリリアに怒るエレイン。
嫌な予感が当たったチサトさんと反応は様々だ。
言いたい事はわかる。
分かるが、これは由々しき問題だ。
「紳士諸君……余はこの規則を我が国の女性騎士にも導入したいのだが……どう思うかね」
「私は賛成です」
「エレインのミニスカ……くっ、見たいが他の男にも見られると思うと……賛成しがたい!」
「今のデザインも悪くはないからなぁ。 全面的にデザインを変更してからならアリだ」
賛成二に条件付きで賛成一、反対一か。
これは押せばイケるな。
「ゼクトさん……たまに抜け出して陛下達に会ってたのは知ってましたけど……いつもこんな感じなんですか?」
「いつもとは失敬な。 ……だいたい九割くらいです。 いつもじゃありません」
「それほぼいつもじゃないですか!?」
いやいやそんな事は……あれ?十割かもしれない。
こういう会話以外で集まったことあったっけ……。
たぶん……あるような……ないような。
「もうヤクト様……二人だけの時ならいつでも構いませんのに」
「エレイン……あぁ、ありがとう」
「幸せオーラ振り撒かないでくれる? ちょっと鬱陶しいわよエレイン」
「うふふふふふ。 だって幸せだもの。 あ、でも、他のヒトのミニスカも見たいという事かしらヤクト様? それはちょっとお話が必要ですわよね?」
「あ、ち、違う! ちょっと待ってくれ!」
「別室に行きましょうかヤクト様。 おほほほほほほほ」
無理矢理引き摺られていくヤクト。
まぁこれは仕方無いな。
愛する奥さん以外のミニスカが見たいなんて。
そういうのはちゃんと紳士としてバレないようにしないと。
「うむ。 正直最近はエレインとヤクト殿の甘ったるいやり取りが鬱陶しかったので良い制裁が出来たな」
「いや、それは酷いですよ陛下!? ゼクトさんも何か言ってやってくださいよ!?」
「リリア様はミニスカはどの辺までオッケーですか?」
「何か言うって方向性が違いますよ!? あ、あとミニスカはちょっと恥ずかしいので……膝よりちょっと上くらいまでなら」
怒りつつも恥ずかしがりながら答えてくれるリリアさん最高です。
膝上かぁ……。
店主の方をチラッと見てみると親指を立てて任せろとポーズを取ってくれている。
流石は紳士、以心伝心だな。
「よし、では店主殿には女性陣の新しいデザインの依頼をさせてもらおう。 費用は私がポケットマネーで出す」
「素材が必要な時はいつでも言ってください。 例え竜だろうと何だろうと確実にゲットしてきますよ。 勿論タダで」
「制作者冥利に尽きるってもんだ。 全力で頑張らせてもらうぜ!」
「男って……ほんとバカ」
俺たちの鉄の結束にため息をつくとは……いや、待てよ。
こういう女に限って衆道に興味があったりするんだよな。
ちょっと試しにやってみるか。
「チサトさん……ちょっと失礼」
「あぁ? あ、また、それ!?」
傀儡符を貼り付けて動けないようにして自由を奪う。
さぁ実験開始だ。
「チサトさん。 アーベンを覚えていますね? 想像してみましょうか……ヤクトとアーベンが二人裸です。 ほら、想像してみてください。 厚い胸板、鍛えられた腕にガッシリとした脚。 脈打つような血管に意外とキメ細やかな肌。 上気してうっすらと赤みを帯びた肌にしっとりと汗が浮き上がってきています。 そんな二人がゆっくりと近づき」
「キャアアアアアアアアアアアアアア!! い、いいいい一体何を想像させんのよこのバカ! お、おおお男が二人、は、は、裸でなん、て! ……は、はだ、か! ~~~~!」
顔面真っ赤にして叫ぶチサトさん。
そういったものに全く免疫がないようで、びっくりする程に良い反応をしている。
チサトさんは押せば良い具合に……腐りそ、げふんげふん。
まぁ可哀想なので傀儡符を外してやるとダッシュで出ていった。
去り際にめっちゃ睨まれたけど、面白かったので問題ない。
「……ゼクトさんってイジメっ子なんですか?」
「んー……わりと?」
「めちゃくちゃ顔真っ赤にしてましたよ? なにを言ったんですか?」
「お堅い感じだったので別の道に唆してみました。 いやぁ……この後どうなるか楽しみですねぇ」
「悪どいなぁ……」
「ふむ。よし、本題は終わったのでついでに頼みがあるのだが、良いかな?」
「あ、はい! 陛下のご命令とあらばなんなりと!」
「うむ。 実は一度レーゲンスファルの視察をお願いしたくてな。 まだこちらは恨まれているであろうから、行くものは選ばねばならん」
「え!? それ本題と逆じゃないですか!? どう考えてもこっちが本題ですよね!?」
「はっはっはっ! まさか視察がミニスカの重要性を超えるわけなかろう」
「全くですね」
「ダメだこの人達なんとかしないと……………あ、でも無理だ」
実に楽しそうなゴードと諦めの入ったリリア。
最近この国大丈夫なんだろうかと心配になる事は俺も多々あるな。
ミニスカが重要と言い放つ陛下……神パンツさんと気が合いそうだ。
いや、しかし楽しみだなぁ……。
店主には全力で協力しないとな。
その為にもこのついでの仕事を早めに終わらせないと。
※とうとう紳士達が一話を奪い去るという暴挙に出たぜ(n‘∀‘)ηw
ミニスカ(p`・ω・´q)! ミニスカ(p`・ω・´q)!
生足にパンスト、ガーター、ニーハイと色んなものがスカートを彩るぜ( ・`ω・´)!w
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