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第145話 暴露大会

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―――その日の夜。

隠れ家的レストランで
海鮮ピザとパスタを堪能したあと、
わたしたちは別荘に戻った。

そして今現在はというと……

「「「「えぇぇぇぇぇ!」」」」

一日目最後のイベントである『暴露大会』をしているところである。

お父様発案の「絶対無礼講ゲーム」なるものをしながら、侍従も護衛も一緒になって、
砂浜で焚き火を囲みながら暴露をしているのだ。

そして今みんなが驚いていたのは、
お父様の筆頭護衛騎士様のトンデモ発言が原因で……

なんと、10日前にはじめての第一子が生まれていたんだそう!

「ななな、なぜそんな重要なことを早く報告しないんだ!?…その前に奥方はいつから妊娠を…いますぐ!あ、いまは無理か。
明日!明日の朝イチで奥方のところへ向かいなさい。後日お祝いと手紙を送るから、最低1ヶ月は出勤しなくていい。こちらには他の筆頭騎士含め護衛騎士がいるのだから心配するな!」

こんなにめでたくて重要なことを今更聞かされ、お父様はパニックになっていた。

お父様の筆頭護衛騎士様は
「あ、いや、ニコル様も含めてのご旅行は初でしたのでついて行きたくて内緒にしてましたが…で、では、明日お言葉に甘えて妻の元へ帰ります…」と小さくなっている。

『わ、わたしより自分のお子様優先してあげてー!』
わたしは思わず顔をヒクつかせる。

まわりの女性陣からはブーイングの嵐だ。
絶対無礼講ゲーム中でもあるので仕方ない。
非難を全身で受け止めてもらおう。


―――そして
そのあともドンドンと暴露は続いていく。

みんなお酒も混じっているので
リアクションも大きくて面白い。

マリアは、「先日ニコル様の寝顔がそれはそれは可愛らしく、本当にいけない事なのですが、我慢できずについほっぺをツンっと…してしまいました!」と恥ずかしそうに暴露していて…

『え、なにそれかわいい…』
と逆に喜んでしまった。

対して謎だったのはカイで、
「実は…ニコル様の姿絵が売られているのを見かけまして…いつも胸に入れて持ち歩いています。」とクールに暴露していた。

実際に「ほら、これです。綿密に描かれていて素敵でしょう。」と胸ポケットから取りだしみんなに見せびらかしていた。

いつの間に、どこの誰がそんな姿絵を販売していたのかは気になるが、
「え、それはどこで売っているの?」と買おうとしているお兄様を誰か止めて欲しい…


―――そして…
今日イチ盛り上がったのはこの男。
ロンである。

なんとロンは、自身と同じくわたしの護衛騎士であるニナに、公開告白をしたのだ!

「あ、あああ、おれっ。おれは…
おれの暴露は!ニ、ニナ!
これは決してお酒のせいではなくて!
あの…護衛中の凛とした姿も強くて優しいところも、ぜんぶ…好きなんだ!!」

これには全員「キャーーー!」である。

あの銀髪犬系美青年のロンが、
普段はわりとおふざけタイプのロンが…
みんなの前で告白するなんて!

こうなると気になるのはニナの反応。
全員がバッとニナの方へ振り向き返事を待った。

「え!え!私ですか!大前提として身も心もニコル様に捧げてはいますが…あの…
いや、私も。ロンがいると、楽しい。」

キャー!!
じゃなくて、もはやギャー!である。

わたしの推しの護衛騎士たちの中で
カップリングが生まれるなんて奇跡!
というかもう早く付き合ってくれ結婚してくれそして2人の麗しいお子を見せてくれ!

お父様は恋の話が好きなのか
「素敵…!ニコ風に言えば胸キュン…!」と
お母様に抱きついている。

……そんなこんなで夜遅くまで暴露大会は続き、1日目は大盛り上がりで終わった。
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