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第129話 学園祭準備

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―――遡ること1か月前。
学園祭実行委員による
クラスの"役割・出し物決めタイム"をしていた時の話である。

その当時でていた出し物の案はこちら。
--------------------------------
・ミニダンスホール
・チェス教室
・学生オペラ
・ニコル様のお菓子販売
・ニコル様のレストラン
・ニコル様の美容サロン
・ニコル様の簡単お料理教室
・ニコル様とエマ様の握手会
・ニック様とアルバート様の握手会
・劇
--------------------------------

みなさんがお気づきの通り、
わたしの出現率がエグいことになっていた。
(なぜこうなった……)

中でも「握手会」というのが1番恐ろしい案だったのだが、これはロイヤル勢も同じだったようで、ニック様の「さすがにこれは」という天の一声により案から消されることとなった。

加えて……
料理やお菓子、商品を評価されているのはとても嬉しいのだけど…
せっかくの、"クラスメイトが一丸となり青春しまくる"というのが醍醐味である学園祭が、これではただの"わたしの店"と化してしまう。

『それだけは避けたい…!!』

という事で考えついたのが、
前世でも定番だったコンセプトカフェだ。

できれば麗しいクラスメイトたちの執事姿やメイド姿を拝みたいところだが、
それでは父兄から不満が出るかもしれない。

なので自分の好きな仮装や格好をして
みんなで一緒に楽しめるようにしてはどうかと提案したのだ。

これにはみんなも大賛成してくれた。
若干1名、ライラ様が「握手会……」と残念そうにしていたが見なかったことにした。

ちなみに売上は、
教会と孤児院に寄付することができるし、
(この学園の良いところだね)
寄付額が多いクラスは表彰される。


―――ということで、
出し物が決まったので役割分担はこんな感じだ。

受付役2名、案内役3名、注文係3名、盛り付け係3名、ドリンク係3名、運ぶ係3名、片付け係3名、清算係2名、宣伝係3名。

わたしとライラ様は盛り付け係を仲良くチョイスして、
宣伝役はもちろんロイヤル勢のアルバート殿下とニック様とエマ様に決定した。

アフタヌーンティースタイルで商品をお出しすることになったので、そのお菓子と軽食とドリンクはわたしが用意することにした。(もちろん経費はでる)

こんな楽しいことのためなら、いくらでも作れる気がするので問題は無い!


―――で、ここまでは良かったのだが。

その後、衝撃的な事実が発覚した。
出し物は1クラスふたつだったのだ……

しかも、コンセプトカフェ以外に決まった出し物は「劇」である。

その内容は、わたしの愛読書でもあった
《身分違いの恋~公爵令嬢と護衛騎士の物語~》。

脚本と演出はライラ様が務める。
ヒロインはエマ様、騎士様役はニック様になってホっとしたのだが……

わたしはなんと、
"恋路を邪魔する悪役令嬢"に選ばれてしまったのだ。ひどい…!町娘Aが良かった!
(ちなみに殿下は、公爵令嬢のお父様役)


そんなこんなで学園祭の準備と夏の女神祭の準備に追われていたのが、
つい最近までのわたし……というわけです。
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