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第120話 【番外編:家族で美活】

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―――とある3月の暖かい日のこと。

「「「「ととのったぁぁぁ……」」」」

今日は家族団欒、美活の日!
お父様とお母様とお兄様とわたしの4人は
定期的にこうして揃ってサウナを楽しんでいるのだが…(なかよし)

年始からドタバタと忙しかったこともあったし、今日は春のような陽気で風通りも良く、
4人はいつもにも増して開放感を感じていた。

「さて、だいぶ休まりましたから、最後はヨガをして身体をさらにほぐしましょう。」

わたしはそう言ってデッキに4枚分のラグを引き、3人と鏡合わせで座る。

ヨガについては正直10個しかポーズを覚えていない。
それでもこれらのポーズと呼吸法で
随分と心身の健やかさが変わったと思う。

わたしが崇拝している"前世の健康オタクのおばさん"が、「あなたは働きすぎて息の抜き方を知らないからせめてこの10個をやりなさい!」と強制的に教えてくれたのだ。
本当におばさん様様である。

「ではまず仰向けになって深呼吸をします。
全身の力を抜いて……下に下に沈んでいくように……吸って~…吐いて~…」

目の前のサウナ上がりのツルピカキラキラ親子が、指示に従ってリラックスしている。
この姿、わたしだけが拝める特権。

「ではつぎは合せきのポーズ~……1、2、3……」


―――正直始めたての頃は、
「ニコ。こ、このポーズは本当にするのだろうか。このコブラのポーズと赤ちゃんのポーズとやらは一体……」
と恥ずかしがっていたお父様も、
いまではなんのその。どハマりしている。

お母様は最初から抵抗がなかったけれど…
体が硬かったお兄様も、いまでは柔軟になって、ヨガをする3人の姿はまるで神々の舞のようである。

そして結局、教えているわたしが
いつも見惚れてしまって呼吸するのを忘れてしまうんだよね……

『そんなことより、このヨガに関してはすぐに絵と説明を書けそうだから"心身共に美しくなる!簡単10のヨガポーズ"の販売を進めようかな?』

ハッ……!いかんいかん、頭を空っぽにする!これ大事!

年始に販売開発系は減らすと決めたのに…
すぐに商売のことを考えてしまうわたしであった。
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