102 / 171
第102話 【番外編:消費者の声】
しおりを挟む
―――それはとある休日のことだった。
突然、商人ギルドから小包が届いたのだ。
箱のフタには"ギルドに届いたものを転送いたします"とメモが貼ってある。
『お?わたし宛のものなのかな?』
身に覚えもなかったわたしは、恐る恐る箱を開けてみたのだが……
なんとそこには、
わたし宛のお手紙がたくさん入っていた!
--------------------------------
「拝啓、親愛なるひきこもり令嬢様。
ひきこもり令嬢シリーズを愛用している20代の女です。いつも、手の届きやすい商品をありがとうございます。美容アイテムのおかげで、悩んでいた肌のくすみと乾燥が解消されて、恋人が出来ました!春に結婚を予定しています。ありがとうございます!」
「ワトソン伯爵令嬢様。
先日、わたくしの息子が熱を出した際、冷えピタを使用させていただきました。
熱を出すと長引く息子ですが、使用してからはすぐに熱が引くようになりました。
息子はひんやりとしたその感覚が気に入ったようで、ずっとおでこにつけています。
どうもありがとうございました。」
「ワトソン伯爵令嬢ニコル殿。
いつもお世話になっております。商人ギルドのギルド長、ジン・クラウドと申します。
冷えピタ商品のジェルの材料となっているスライムの件について御礼を申し上げます。
多数存在するにもかかわらず、世の需要も少なく安価なスライム討伐依頼は、これまで不人気でした。しかし今では、スライム需要が高まったおかげで、駆け出し冒険者の生活にも助かっていると冒険者ギルドからもお礼をいただいています。今後ともご贔屓によろしくお願いいたします。」
--------------------------------
この他にも、商品に対する消費者のみなさんからのお礼や要望が寄せられていた。
中には、デトックススープ置き換えダイエットの1ヶ月の経過をまとめて送ってくれた方もいる。
『すごい……!どれも貴重だし、今後の参考になりすぎる…』
最初は
自分が欲しいものを作ることから始まり、
そして領民の仕事に繋がるように…
最終的には領の売上にも繋がって領民が潤えば…と思ってやっていたのだが。
こうして市場にもいい影響が出ているようで何よりだ!
正直まだ成人もしていないので、契約手続き周りはお父様に任せっきりだけど…
こうした"お客様からの生の声"が聞けるのは、本当にありがたいことである。
そうしてすべてのお手紙を読み終えた私は、
引き出しからお気に入りの便箋を取りだし
早速お返事を書くことにした。
『こういうのは誠意を持って対応せねば!』
いただいた意見や感想がちゃんと開発者本人に届いたことが分かれば、みんなも喜んでくれるだろうし!
―――よし!できた!
ほぼ半日を使って全員へのお返事を書き終わったわたしは、マリアにお願いして郵送してもらうように頼んだ。
『これからもみんなの役に立てる商品のアイディアが降ってきますように!前世の会社の健康オタクおばさん、お力をお貸しください!』
普通は異世界ならば神に祈るところだが
わたしはちがう。
前世の会社の健康オタクおばさんの知識だけが頼りだ。
軽くおばさんに祈りを捧げたわたしは…
その後、休日らしくお茶を楽しむのであった。
突然、商人ギルドから小包が届いたのだ。
箱のフタには"ギルドに届いたものを転送いたします"とメモが貼ってある。
『お?わたし宛のものなのかな?』
身に覚えもなかったわたしは、恐る恐る箱を開けてみたのだが……
なんとそこには、
わたし宛のお手紙がたくさん入っていた!
--------------------------------
「拝啓、親愛なるひきこもり令嬢様。
ひきこもり令嬢シリーズを愛用している20代の女です。いつも、手の届きやすい商品をありがとうございます。美容アイテムのおかげで、悩んでいた肌のくすみと乾燥が解消されて、恋人が出来ました!春に結婚を予定しています。ありがとうございます!」
「ワトソン伯爵令嬢様。
先日、わたくしの息子が熱を出した際、冷えピタを使用させていただきました。
熱を出すと長引く息子ですが、使用してからはすぐに熱が引くようになりました。
息子はひんやりとしたその感覚が気に入ったようで、ずっとおでこにつけています。
どうもありがとうございました。」
「ワトソン伯爵令嬢ニコル殿。
いつもお世話になっております。商人ギルドのギルド長、ジン・クラウドと申します。
冷えピタ商品のジェルの材料となっているスライムの件について御礼を申し上げます。
多数存在するにもかかわらず、世の需要も少なく安価なスライム討伐依頼は、これまで不人気でした。しかし今では、スライム需要が高まったおかげで、駆け出し冒険者の生活にも助かっていると冒険者ギルドからもお礼をいただいています。今後ともご贔屓によろしくお願いいたします。」
--------------------------------
この他にも、商品に対する消費者のみなさんからのお礼や要望が寄せられていた。
中には、デトックススープ置き換えダイエットの1ヶ月の経過をまとめて送ってくれた方もいる。
『すごい……!どれも貴重だし、今後の参考になりすぎる…』
最初は
自分が欲しいものを作ることから始まり、
そして領民の仕事に繋がるように…
最終的には領の売上にも繋がって領民が潤えば…と思ってやっていたのだが。
こうして市場にもいい影響が出ているようで何よりだ!
正直まだ成人もしていないので、契約手続き周りはお父様に任せっきりだけど…
こうした"お客様からの生の声"が聞けるのは、本当にありがたいことである。
そうしてすべてのお手紙を読み終えた私は、
引き出しからお気に入りの便箋を取りだし
早速お返事を書くことにした。
『こういうのは誠意を持って対応せねば!』
いただいた意見や感想がちゃんと開発者本人に届いたことが分かれば、みんなも喜んでくれるだろうし!
―――よし!できた!
ほぼ半日を使って全員へのお返事を書き終わったわたしは、マリアにお願いして郵送してもらうように頼んだ。
『これからもみんなの役に立てる商品のアイディアが降ってきますように!前世の会社の健康オタクおばさん、お力をお貸しください!』
普通は異世界ならば神に祈るところだが
わたしはちがう。
前世の会社の健康オタクおばさんの知識だけが頼りだ。
軽くおばさんに祈りを捧げたわたしは…
その後、休日らしくお茶を楽しむのであった。
15
お気に入りに追加
2,016
あなたにおすすめの小説
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜
トンコツマンビックボディ
ファンタジー
馬場香澄49歳 専業主婦
ある日、香澄は買い物をしようと町まで出向いたんだが
突然現れた暴走トラック(高齢者ドライバー)から子供を助けようとして
子供の身代わりに車にはねられてしまう
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
【超不定期更新】アラフォー女は異世界転生したのでのんびりスローライフしたい!
猫石
ファンタジー
目が覚めたら、人間と、獣人(けものびと)と鳥人(とりびと)と花樹人(はなきひと)が暮らす世界でした。
離婚後、おいしいお菓子と愛猫だけが心の癒しだったアラフォー女は、どうか自分を愛してくれる人が現れますようにと願って眠る。
そうして起きたら、ここはどこよっ!
なんだかでっかい水晶の前で、「ご褒美」に、お前の願いをかなえてあ~げるなんて軽いノリで転生させてくれたでっかい水晶の塊にしか見えないって言うかまさにそれな神様。
たどり着いた先は、いろんな種族行きかう王都要塞・ルフォートフォーマ。
前世の経験を頼りに、スローライフ(?)を送りたいと願う お話
★オリジナルのファンタジーですが、かなりまったり進行になっています。
設定は緩いですが、暖かく見ていただけると嬉しいです。
★誤字脱字、誤変換等多く、また矛盾してるところもあり、現在鋭意修正中です。 今後もそれらが撲滅できるように務めて頑張ります。
★豆腐メンタルですのであまめがいいですが、ご感想いただけると豆腐、頑張って進化・更新しますので、いただけると嬉しいです、小躍りします!
★小説家になろう 様へも投稿はじめました。
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ
トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!?
自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。
果たして雅は独りで生きていけるのか!?
実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる