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第3章 モブだけど、ヒロインを救ってもいいよね?

第44話 決闘、開始!

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『レディース・エーンド・ジェントルメェェ――ンッ!!! これより『フォルシティ魔導学園』名物、大決闘試合を始めまあああぁぁぁすッ!』

「「「フウウウゥゥゥゥ――ッ!!!」」」

『この世紀の一戦を前に、盛り上がってない人いるッ!? いませんよねぇッ!』

「「「ウオオオォォォッ!!!」」」

「「「イエエエェェッッッ!!!」」」

『会場の熱気も最高潮! さあ始まりました! ロゼ・アリッサムVSマシュー・ヴェルドーネ、家督継承権を賭けた注目の一戦! 実況は私、言霊魔術師のミスミ・エイドリアンが務めさせて頂きます!』

「……」

 いや、そんなテンションで始めるんかい。

 一応これ貴族同士による正規の決闘なんですけど。

 確かに俺の知ってるダンプリの決闘もSEで「ウオー!」とか「ワー!」とか入ってたけどさ。

 RPGの決闘場でそんなモンだし。

 でもこれは……なんかまるで年末の格闘技試合みたいなんだが。

『本日は解説として偉大なる学園長デイヴィス・バルバロート氏と、先日ロゼ選手の親友ソリンさんに集落を救われたというコボルト村長にお越し頂いております! どうぞよろしくお願いします!』

『うむ、苦しゅうないぞ~』

『おおう、ベイベー……青春の一ページを駆け抜けようじゃねぇか……』

 なんとも気の抜けた返事をするデイヴィス学園長とコボルト総長――もとい村長。

 ……デイヴィス学園長が解説に入るのはまだわかる。

 でもなんでコボルト村長がいるの?

 もっと他の人選なかったんか。

 しかも今の紹介だと、コボルト村長とロゼって無関係の人ってことになるしさぁ。

 いや、実際赤の他人なんだけど。

 ダメだ、もう考えるのはよそう……。

「ククク、逃げずに来られたようだなぁロゼ・アリッサム」

「……」

 決闘場の中央ではアース・ドラゴンを連れたマシューと、スピカを連れたロゼが相対している。

 まさに一触即発の雰囲気だ。

「……勿論。アリッサム家に生まれた騎士として、そんな見苦しい真似はしないわ」

「きゅーん!」

 そうだぞ! 今日まで頑張ってきたんだから!
 と威嚇するスピカ。

「ブオオォォォ……」

 そんなスピカを睨むアース・ドラゴン。

 双方共に、やる気は十分。

 スピカもどうにか仕上がったし、あとは出たとこ勝負。

 ソリンが十分にケアしてくれたお陰でコンディションも悪くない。

 アース・ドラゴンの弱点・・も、スピカには伝えてあるしな。

 決してこちらが優勢ではないけど――この戦い、勝機はある。

「フン、そんなみすぼらしいドラゴンでは、無様に敗北すると決まっているのに……」

 やれやれ、と苦笑して髪をかき上げるマシュー。

 うん、決めた。
 あいつはいつか必ず泣かす。
 ホント、マジで。

 生まれてきたことを後悔させながら湖の底に沈めてやる。

 いいか、この世界の理で決まっているんだ。

 ファンタジー小説で理不尽に主人公を追放する奴らと、
 悪役令嬢モノとか婚約破棄モノで最初に主人公を貶める男女と、
 そしてスピカをコケにする奴。

 こいつらには暴力を振るってもいいと。

 あいつはスピカをコケにしたから死刑。
 
 でも――それもこれも、全てはロゼがマシューを倒してからだ。

「頑張ってくださーい! ロゼさーんッ! スピカちゃーんッ!」

「ファイトだ、二人共ーッ!!!」

 付添い人席から最大級のエールを送る俺とソリン。

 だがマシューはそんな俺たちを完全に無視し、

「まあいい。逃げ出さなかったことへのせめてもの賛辞として、アース・ドラゴンには騎乗せず戦ってやろう」

「! 随分と余裕ね。後悔しても知らないわよ」

「案ずるな。この決闘、100%俺が勝つのだから」

 マシューは腰の剣を抜く。
 それに合わせ、ロゼも白銀の刃を鞘から解き放った。

 もうすぐ――試合開始である。

『それでは、高潔なる校章の証の下に――決闘、開始ッ!』


==========

名前:スピカ
種族:ホワイト・ドラゴン
性別:めす
年齢:0歳
レベル:14

体力:500
攻撃力:250
防御力:160
素早さ:410
知能:70

属性レベル
〔炎〕Lv:12
〔水〕Lv:3
〔風〕Lv:3
〔土〕Lv:3
〔光〕Lv:7
〔闇〕Lv:2

親密度:45
魅力:50

性格:甘えたがり

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