【完結】売れっ子アイドル、転生したら嫌われ子豚だった!~アイドル魂で子豚人生満喫中です~

赤井たまご

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第3章・アイドルの恋愛事情

song.40※微エロ

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***

-バダク王国・王宮-

「……何かって……何を?」

フルールは不安げな表情でバロンに問いかけた。
その姿はまるで、捨てられた子犬のようで、二人の「父性」を擽った。

「うむ、それは……」

「「…それは……」」

ゴクリ…と、フルールとネックは生唾を飲み込み、バロンの言葉を待った。

しかし

「知らん!」

「「!!!」」

バロンの予想外の発言にフルールは衝撃を受ける。ネックですら、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。

「我は、ベルヴァ国王ではないのでな!分からん!」

「ニハハハハハハハ!!」と、いつも通り豪快に笑うバロンに「そりゃ、そうだ…」と、フルールは肩を落とす。

「……僕もティムじゃないし…」
「ティムの考えてる事なんて、分からないや…」

フルールは悲しげに苦笑いを浮かべ、諦めたように弱音を吐き出すも

「…………お二人は「運命の番」なのでしょう?」
「…そんな簡単に諦められるのですか?」

ネックの問いに、フルールは息を呑んだ。

「いつの時代も、どんな番にも…」
「愛に障害はつきものです」

「簡単に諦められる「思い」なら、その程度と言うことですよ」

「……………」

真剣な面持ちで語り掛けてくるネックに、フルールは思った。

「……………お二人も…大変だったんですか…?」

「「??」」

サイ麒麟キリン…「シュ」は違うけど……半分は「兄弟」ですよね?」
「…どうやって乗り越えたのかな…って」

フルールは眉を八の字にし、不安げな顔で二人に問いかける。

すると

「「いや、特に何もなかった」」

「……へ?」

あっさりと答える二人の姿に、フルールは間抜けな声を発してしまった。

「家族も従者達も、すぐ祝福してくれましたよね?」

「うむ!バダクは「愛と貞操」には厳しい国だが…」
「逆を言えば、それさえ守っていれば何でもありの国!あえて言うのならば…」

「他国への発表時期について悩んでるぐらいです」

「ニハハハハ!!」「フフフッ…」と、肩を寄せ合い笑う二人の姿に、フルールは思わずため息をつくのだった。

***

その後

静寂した部屋に一人残されたフルール。

大きなベッドに寝転がり、天井に吊るされたランプをジィ…と、眺める。

フルールは部屋を出て行った二人の言葉を思い返す。

「フルールよ、暫くは此処におれ」
「ベルヴァとマーレは、我が上手く対応しよう」

「バダクでゆっくりするとよい」
「その間に何か気付くことがあるかも知れん」

バロンの人懐っこい笑顔に、強張っていた体から力が抜けていくフルール。

「…………はい、ありがとうございます」

「年も近いのだ、兄弟達とも遊んでやってくれ!」

「あ、兄上…!私はもう、子供ではありませんよ!///」

「ニハハハハハハハ!!」

そのまま二人は手を繋いで部屋から出て行った。

二人を見送ったのち、どっと疲れを感じたフルールは正面からベッドへと倒れ込んだ。

「………(僕に出来る事なんてあるのかな?)」

聖歌人ヒム!』

仰向けに寝転がるフルールの視界に、ひょこっと映り込んだプリューム。

フルールはプリュームの小さな頭を撫でながら

「……僕に出来る事って、唄うことぐらいで………………あぁぁぁぁ!!!」

突然、フルールは「あること」に気付き、そのまま部屋を飛び出した。

興奮しているフルールは止める護衛を無視し、バロンの部屋の扉を勢いよく開けた。

バンッ!!!

「バダク王!僕にはやらなければいけない事がありました!」

「僕に協力して欲しいです!!」

そう言い放つフルールの表情は、晴れ晴れとしていた。

「うむ、協力しよう」
「だが…」

明日あすからでもいか?」

バロンは優しくフルールに言い聞かせる。

何故なら

バロンの部屋のベッドの上に、顔が紅潮し、目がトロンとしたネックの姿が…。

バロンとネックは衣服を身に付けておらず、シーツは既に乱れていた。

ネックの足は卑猥にバロンの腰に絡まり、微かに揺れている。

「…っ……はぁ…ん…」

ネックの鼻から抜けたような小さな喘ぎ声に

「失礼しました!!!/////」

フルールは慌てて扉を閉めた。


「………大人って、エッッッッッッロ!!!////」

この日、フルールは初めて「ムラムラする」を経験するのだった…。

***
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