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第2章・アイドルへの試練
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***
ブクッ……ブクブクッ…
「…っ…(んっ……)」
空気を含んだような鈍い音に反応し、フルールはソッ…と、目を覚ます。
「んふっ、お目覚めですか?王妃様」
「…ごぽっ(レオっ……)……!!?」
フルールは目前の「光景」と自分の「格好」に衝撃を受け、驚愕した。
フルールは「水の入った」金魚鉢の中におり、下半身には「尾びれ」が生えていた。
なんと、フルールは「人魚」になっていたのだった。
「……ごぽぽっ…ごぽっ(何これ!?どうなってるの?まさか…!)」
「…ごぽぽっごぽぽぽっ(僕が可憐過ぎて、豚から人魚に…!?)」
前向きに動揺するフルールに構うことなく、色とりどりの小さな「魚達」がふよふよと、フルールの前を泳いでいく。
するとレオンが
「んふっ…人魚の王妃様…はぁ…はぁ…あぁぁっ…美味しそう…」
血走った目でフルールを見つめながら、金魚鉢に腰を擦り付けていた。
「ごぽぽぽぽぽっ…(ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!変態!!!)」
その姿はまさに、発情期の犬のようであったのだった。
***
「…ごぽっ…(で?)」
「ごぽぽっ…(一から説明して)」
「ゴミ」を見るような目でレオンに問いかけるフルール。
「んふっ、そんな目で見ないでください……」
「また、興奮してしまいます…///」
「ごぽぽっごぽぽっ!!(いいから!早く!!説明!!!)」
頬を赤く染めうっとりとするレオンに、フルールはゾッ…とした。
「んふっ、冗談ですよ(半分は)」
「王妃様は今「マーレ王国」にいます」
「ごぽぽっ…(マーレ…!本当に…!?)」
何故かレオンの心の声がはっきりと聞こえたフルールだったが、それを華麗に無視する。
「はい、そして此処は「王宮の地下室」です」
「マーレ国王と私、それと……」
「…「ある方」だけが入れる「特別な場所」です」
「…ごぽっ…(ある方…?)」
「ごぽぽっ…(僕のこの格好は?)」
「んふっ、私の「魔法」で、私の「趣味」です」
フルールは頭を抱えた。
「あ、魔法を解くことは出来ませんよ」
「水の中なので…解いたら息が出来ず、王妃様は死んでしまいます」
「…………………ごぽぽっ!(なら今すぐ出して!)」
「それは出来ません」
「っ…!!」
自分の「お願い」をレオンが断るとは思わず、フルールは絶句した。
何より
「マーレ国王は、あなたをこの「金魚鉢」から出す気はないようです」
「永遠に……」
薄く開いたレオンの瞳には「光」がなく、恐怖を感じる程の「冷たい瞳」に、フルールは身を固くする。
「……ごぽっ…(マーレ国王と知り合いなの?)」
「…ごぽぽっ…(何で、マーレ国王に従うの?)」
「……マーレ国王は、私の「実父」です」
「!!!」
「私は、父の命令に従うだけです」
無表情のレオンからは感情が読み取れず、ただ淡々と答えるその姿に、フルールは違和感を感じた。
「んふっ、それに…」
「今のベルヴァに、王妃様の帰る場所はありません」
「…(えっ…?)」
無表情から一変、いつもの笑みを浮かべたレオンは躊躇うことなく、フルールに「残酷な現実」を突きつける。
「ベルヴァ国王から伝達がありました」
「王妃様を差し出す変わりに、マーレとの「和解」と「同盟」を求める、と…」
「!!!」
「他国との関係修復の為に、ベルヴァ国王は王妃を「売った」のです」
「…ごぽぽっごぽっ!(…嘘だよ!ティムは…そんな事しない…!)」
「……ベルヴァ国王は…」
「既に、新しい「王妃」を迎えたそうです」
「…!!」
「お相手の名は、スノー・ティグリス様」
「虎と狼のミックスですが、ベルヴァ国王と同じ「狼獣人」であり」
「ベルヴァ国王の「従兄弟」です」
フルールは「絶望」と言う名の「谷底」に、突き落とされたのだった。
***
-ベルヴァ王国・王宮-
「…………」
国王室の窓から「空」を見上げるウルティムスに
「……本当に、これでよろしかったのですか…?」
眉間にシワを寄せたウィズダムが問いかける。
「……あぁ…」
「…これが「最善の策」だ…」
そう、自分に言い聞かせるように呟くウルティムス。
ウルティムスからは哀愁が漂い、ウィズダムは心配げに主の背中を見つめたのだった…。
***
第2章-完-
ブクッ……ブクブクッ…
「…っ…(んっ……)」
空気を含んだような鈍い音に反応し、フルールはソッ…と、目を覚ます。
「んふっ、お目覚めですか?王妃様」
「…ごぽっ(レオっ……)……!!?」
フルールは目前の「光景」と自分の「格好」に衝撃を受け、驚愕した。
フルールは「水の入った」金魚鉢の中におり、下半身には「尾びれ」が生えていた。
なんと、フルールは「人魚」になっていたのだった。
「……ごぽぽっ…ごぽっ(何これ!?どうなってるの?まさか…!)」
「…ごぽぽっごぽぽぽっ(僕が可憐過ぎて、豚から人魚に…!?)」
前向きに動揺するフルールに構うことなく、色とりどりの小さな「魚達」がふよふよと、フルールの前を泳いでいく。
するとレオンが
「んふっ…人魚の王妃様…はぁ…はぁ…あぁぁっ…美味しそう…」
血走った目でフルールを見つめながら、金魚鉢に腰を擦り付けていた。
「ごぽぽぽぽぽっ…(ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!変態!!!)」
その姿はまさに、発情期の犬のようであったのだった。
***
「…ごぽっ…(で?)」
「ごぽぽっ…(一から説明して)」
「ゴミ」を見るような目でレオンに問いかけるフルール。
「んふっ、そんな目で見ないでください……」
「また、興奮してしまいます…///」
「ごぽぽっごぽぽっ!!(いいから!早く!!説明!!!)」
頬を赤く染めうっとりとするレオンに、フルールはゾッ…とした。
「んふっ、冗談ですよ(半分は)」
「王妃様は今「マーレ王国」にいます」
「ごぽぽっ…(マーレ…!本当に…!?)」
何故かレオンの心の声がはっきりと聞こえたフルールだったが、それを華麗に無視する。
「はい、そして此処は「王宮の地下室」です」
「マーレ国王と私、それと……」
「…「ある方」だけが入れる「特別な場所」です」
「…ごぽっ…(ある方…?)」
「ごぽぽっ…(僕のこの格好は?)」
「んふっ、私の「魔法」で、私の「趣味」です」
フルールは頭を抱えた。
「あ、魔法を解くことは出来ませんよ」
「水の中なので…解いたら息が出来ず、王妃様は死んでしまいます」
「…………………ごぽぽっ!(なら今すぐ出して!)」
「それは出来ません」
「っ…!!」
自分の「お願い」をレオンが断るとは思わず、フルールは絶句した。
何より
「マーレ国王は、あなたをこの「金魚鉢」から出す気はないようです」
「永遠に……」
薄く開いたレオンの瞳には「光」がなく、恐怖を感じる程の「冷たい瞳」に、フルールは身を固くする。
「……ごぽっ…(マーレ国王と知り合いなの?)」
「…ごぽぽっ…(何で、マーレ国王に従うの?)」
「……マーレ国王は、私の「実父」です」
「!!!」
「私は、父の命令に従うだけです」
無表情のレオンからは感情が読み取れず、ただ淡々と答えるその姿に、フルールは違和感を感じた。
「んふっ、それに…」
「今のベルヴァに、王妃様の帰る場所はありません」
「…(えっ…?)」
無表情から一変、いつもの笑みを浮かべたレオンは躊躇うことなく、フルールに「残酷な現実」を突きつける。
「ベルヴァ国王から伝達がありました」
「王妃様を差し出す変わりに、マーレとの「和解」と「同盟」を求める、と…」
「!!!」
「他国との関係修復の為に、ベルヴァ国王は王妃を「売った」のです」
「…ごぽぽっごぽっ!(…嘘だよ!ティムは…そんな事しない…!)」
「……ベルヴァ国王は…」
「既に、新しい「王妃」を迎えたそうです」
「…!!」
「お相手の名は、スノー・ティグリス様」
「虎と狼のミックスですが、ベルヴァ国王と同じ「狼獣人」であり」
「ベルヴァ国王の「従兄弟」です」
フルールは「絶望」と言う名の「谷底」に、突き落とされたのだった。
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眉間にシワを寄せたウィズダムが問いかける。
「……あぁ…」
「…これが「最善の策」だ…」
そう、自分に言い聞かせるように呟くウルティムス。
ウルティムスからは哀愁が漂い、ウィズダムは心配げに主の背中を見つめたのだった…。
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第2章-完-
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