【完結】売れっ子アイドル、転生したら嫌われ子豚だった!~アイドル魂で子豚人生満喫中です~

赤井たまご

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第2章・アイドルへの試練

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***

-食堂-

「お前…」

「子作りが「ナニを」するのか知ってるのか…?」

フルールの爆弾発言に対し、ウルティムスが気遣わしげな表情で問いかけるも

「なっ…//それぐらい知ってるよ!!///」

と、フルールは眉を吊り上げ、声を荒らげる。

寧ろ「めちゃくちゃ詳しい」と、胸を張って言える「自信」がフルールにはあった。

***

前世のフルールは「俳優」の仕事も完璧にこなす「国民的スーパーアイドル」だ。

オファーを受けた作品の中には「激しい濡れ場」や「同性愛」がテーマの作品も多々あった。

しかし

花は「性経験」が1度もなかった。

「(だって、アイドルだもん…)」
「(事務所からも恋愛禁止って言われてたし…)」

負けず嫌いだった花は、周囲に「経験がない」と勘付かれる事だけは避けたかった。

その為、オファーを受ける度に「猛勉強」をし、完璧な演技を披露して来た結果

「経験はない」が人よりも「知識」が豊富な子。

に育ってしまい、その知識は「今のフルール」にも、しっかりと受け継がれていた。

だが、前世フルールも決して「そういう事」に興味がない訳ではない。

年頃の男の子、寧ろ興味津々な方で抵抗などはない。

何しろ、フルールの相手は「経験豊富でテクニシャン」と噂で有名な、年上の夫ウルティムスだ。

はじめこそ「ウルティムスと…」と、抵抗を感じていたフルールだが、歩み寄ることを決めた今では、期待値が爆上がりである。

「世継ぎを産むのも「王妃の仕事」でしょう?」
「夫婦として歩み寄るって決めたんだから……」

「今がいい「タイミング」だと思うんだ!」

「夜の営み」を誘っているとは思えない、純粋無垢な笑顔でそう語るフルールに、従者達は何故か泣きたくなった。

「はっ、俺様はいつでも準備万端だぜ!」

そんな中、絶世の美少年である幼妻から「夜」を誘われ、ドヤ顔をするウルティムス。

憎らしいほど艶々な黒髪をガッ…と、かきあげたのだった。

しかし

「ダメですよ」
「セックスは「最低2年」は禁止です」

珍しくウルティムスと別行動をしていたウィズダムが、食堂の窓からヌッ…と、姿を見せた。

「…(この国の重役達は、扉から入ってこれないの?)」と、フルールは切実に思ったのだった。

***

「あ"ぁっ…?2年…?」

「何で2年も!?…夫婦なのに…」

「新婚でレスなんてあり得ない!」と、二人はウィズダムに抗議するも

「王妃様のためなのです、我慢してください」

と、ウィズダムは「1枚の書類」をウルティムスに差し出した。

「こちらは、豚獣人王妃様の生態について、医師がまとめたものです。結論から言いますと…」

「今の王妃様に「子」を宿すことは出来ません」

「「!!!」」

衝撃の事実に、二人は驚愕する。

「王妃様は「マイクロブタ」という、テルース星では「極めて」珍しい豚だそうです」

「成体でも20~40kg。体長は40~60cm程だそうです。勿論、人化した場合でも例外はなく、平均より「小柄」です」

「王妃様の身体検査の結果がこちら」

ウィズダムは再び、ウルティムスに書類を差し出す。

「獣化の場合「体重13kg」「体長35cm」」
「人化の場合「体重33kg」「身長136cm」」

「10歳の男の子オスぐらいです」

「10歳…………」

「え…?それが……?」

ウルティムスは「10歳……10歳……」と、ぶつぶつ呟き、フルールは突然、自分の「個人情報」を皆の前で暴露され、困惑する。

「同性同士で「子」を望む場合、受ける側の体内に「子袋」を「一時的」に魔法で作る必要があります」

「最近では「異種間同士の婚姻」も多く、体格差がある夫婦は「獣化」で子を産むか「人化」で子を産むか、選択することが出来ます」

「しかし」

「王妃様の場合、獣化で「狼の子」を産むなど「論外」です。人化で産むしかありませんが、現段階では人化も小さすぎて、子袋を作るスペースが体内にありません」

「よって、もっと「成長」してからになります。それが「最低でも2年後」と、医師が結論付けたのです」

「……そう、なんだ…」と、フルールは「半分」納得するも

「でも…それって、子供は作れないだけで……ティムと「触れ合う」ことは出来る…「わかった、2年後だな」

「!!」

「理解が早くて助かります、王」

ウルティムスは「あっさり」と、2年後まで手を出さないと、ウィズダムと約束してしまった。

「ちょ…ティム?」
「ティムは、2年も禁欲なんて出来るの?」

「僕、浮気は許さないよ?」

「馬鹿か、あ"ぁ"っ!?」
「10歳の子供ガキと、セックス出来る訳ねぇーだろ!」
「俺様は変態じゃねぇーんだぞ!!」

「2年ぐらい余裕だわ!!!」

「…………」

普段のウルティムスからは想像も出来ない程に、鬼気迫る表情で、フルールに訴えてきた。


「……(え?…14はいいの…?)」

フルールは、ウルティムスの許容範囲が理解出来ないのだった…。

***
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