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第1章・アイドルへの道
song.9
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***
「自分が俺様と対等な「王妃」だと言い張るなら、考えて行動しろ!」
「お前の「わがまま」に付き合あえる程、ここの連中は暇じゃねぇーんだ!」
「…わがまま?…僕の夢は「わがまま」なの?」
ピクリ…と、肩を震わせるフルール。レオンは心配げにフルールを見つめ、ウィズダムは微かにソワソワし出した。
「そうだろうが!」
躊躇いなくウルティムスに肯定され、静かに顔を上げる。
「何が「あいどる」だ。いいか、歌など無駄だ。無駄な事に俺様の側近や騎士を振り回すな!」
「王……流石に言い過ぎですよ。娯楽も国には必要です」
ウィズダムは、ウルティムスのあまりの暴君さに、咄嗟に止めに入るも
「はっ、だからなんだ?歌で、国が守れるのか?」
「国に必要なのは「力」だ。力さえあれば、何でも出来る」
「やるならもっと役立つ事をしろ!」
「………」
プッツン…
この瞬間、従者達は「何か」の切れる音を聞き取り、瞬時に辺りを片付け始めた。
フラッ…と、椅子から立ち上がり、ウルティムスに少しずつ、ゆっくりと近づいていくフルール。
目の前に立った瞬間
「あ"ぁっ…?」
大きな瞳が更に大きく開き
「○ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
「グハァ!!!!???」
見事な右ストレートが、ウルティムスの顔面にめり込んだのだった。
咄嗟のことで避けきれず、何が起きたのかと呆然とするウルティムスに、フルールは思いの丈をぶつけるように叫んだ。
「例えあなたが僕の夫でも…」
「僕の「好き」を否定する権利はない!!」
「!!」
「あなたが「力」で「国」を守ると言うなら…」
「僕は「歌」で「民の笑顔」を守る!」
「僕のやってる事が、ただの「わがまま」じゃないってこと…証明してやるよ!」
ザァッ…と、風が吹き花久が踊る。太陽の光に照らされた金色の髪は、いっそう輝きを増す。
一国の王に怯むことなく信念を貫く姿は、その場にいた者達に勇敢さを感じさせ、迷いのない瞳で力強く佇む姿は、身体の小さなフルールを大きく見せた。
その姿は、正に「王妃」そのものであった。
全く期待されていなかった小さな子豚は、この日、王妃としての頭角を現した。
この出来事をきっかけに、フルールの未来は大きく変わることになるのだった…。
***
-国王執務室-
ガンッ!
「くそっ!あの子豚!」
「1度ならず2度も…この俺様を殴りやがって…」
「俺様を誰だと思ってんだ!!」
怒りから机を叩き付けるウルティムス。
「…あれは…誰がどう見ても王が悪いですよ」
「殴られて当然です」
憤るウルティムスに淡々と意見を延べられるのは、昔から、幼なじみ兼側近のウィズダムだけだった。
ウィズダムは、殴られ原型の歪んだウルティムスの顔を見て
「前回の飛び蹴りも見事でしたが、今回のストレートもまた…ぶふっ…」
「人の顔見て笑ってんじゃねーよ!!怒」
笑いを堪えられないのであった。
「失礼。ご自慢のお顔に、更に磨きがかかったなと…」
「あ"ぁ"っ!?つまんねーこと言ってないで、さっさと医者を呼べ!」
「それぐらい唾でも付けとけば治ります」
「医者も暇ではないんですよ」
「お前は鬼か…!?」
2人の漫才の様な会話は、執務室の外にまで漏れており、入り口に控えていた騎士達にも丸聞こえなのであった…。
***
「自分が俺様と対等な「王妃」だと言い張るなら、考えて行動しろ!」
「お前の「わがまま」に付き合あえる程、ここの連中は暇じゃねぇーんだ!」
「…わがまま?…僕の夢は「わがまま」なの?」
ピクリ…と、肩を震わせるフルール。レオンは心配げにフルールを見つめ、ウィズダムは微かにソワソワし出した。
「そうだろうが!」
躊躇いなくウルティムスに肯定され、静かに顔を上げる。
「何が「あいどる」だ。いいか、歌など無駄だ。無駄な事に俺様の側近や騎士を振り回すな!」
「王……流石に言い過ぎですよ。娯楽も国には必要です」
ウィズダムは、ウルティムスのあまりの暴君さに、咄嗟に止めに入るも
「はっ、だからなんだ?歌で、国が守れるのか?」
「国に必要なのは「力」だ。力さえあれば、何でも出来る」
「やるならもっと役立つ事をしろ!」
「………」
プッツン…
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フラッ…と、椅子から立ち上がり、ウルティムスに少しずつ、ゆっくりと近づいていくフルール。
目の前に立った瞬間
「あ"ぁっ…?」
大きな瞳が更に大きく開き
「○ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
「グハァ!!!!???」
見事な右ストレートが、ウルティムスの顔面にめり込んだのだった。
咄嗟のことで避けきれず、何が起きたのかと呆然とするウルティムスに、フルールは思いの丈をぶつけるように叫んだ。
「例えあなたが僕の夫でも…」
「僕の「好き」を否定する権利はない!!」
「!!」
「あなたが「力」で「国」を守ると言うなら…」
「僕は「歌」で「民の笑顔」を守る!」
「僕のやってる事が、ただの「わがまま」じゃないってこと…証明してやるよ!」
ザァッ…と、風が吹き花久が踊る。太陽の光に照らされた金色の髪は、いっそう輝きを増す。
一国の王に怯むことなく信念を貫く姿は、その場にいた者達に勇敢さを感じさせ、迷いのない瞳で力強く佇む姿は、身体の小さなフルールを大きく見せた。
その姿は、正に「王妃」そのものであった。
全く期待されていなかった小さな子豚は、この日、王妃としての頭角を現した。
この出来事をきっかけに、フルールの未来は大きく変わることになるのだった…。
***
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ガンッ!
「くそっ!あの子豚!」
「1度ならず2度も…この俺様を殴りやがって…」
「俺様を誰だと思ってんだ!!」
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「…あれは…誰がどう見ても王が悪いですよ」
「殴られて当然です」
憤るウルティムスに淡々と意見を延べられるのは、昔から、幼なじみ兼側近のウィズダムだけだった。
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「医者も暇ではないんですよ」
「お前は鬼か…!?」
2人の漫才の様な会話は、執務室の外にまで漏れており、入り口に控えていた騎士達にも丸聞こえなのであった…。
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