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本編
労働とやりがい
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翌日も空はカラッと晴れ、実に心地よい日和だった。
今のディンメル王国の気候は、日本でいうところの五月くらいにあたる。
冬が少し長い以外は四季の移り変わりも同じで、とても過ごしやすい国だ。
庭師達の尽力により、今年も回廊から眺める景色は華やかだ。
王宮中を飾り立てるように花が綻びはじめ、木々も息づいているよう。ひらひらと舞う黄色い蝶に、可愛らしい鳥のさえずり。
こういった日は中庭の木陰辺りで、ゆったりと昼食を食べるのがナナセの習慣だ。
だが今日は、手早く食事を済ませると、統括棟に来ていた。
統括棟とは、王宮に存在する多くの部署が集まった建物のことだ。
ナナセは配膳ワゴンを押しながら、総務課を目指していた。
いつもは忙しく働く文官を多く見かけるが、今は昼休憩のため閑散としている。
時折通りかかる文官に訊ねながら、臙脂色の絨毯が敷かれた回廊を進む。
しばらくすると、目的の場所が見えてきた。エクトーレの執務室だ。
平の文官だと謙遜していたが、彼は個室を与えられるほどの役職に就いているらしい。
ナナセは呼吸を整え少しの緊張を逃がしてから、執務室の扉を叩いた。
「失礼いたします」
「どうぞ」
誰何されることもなく許可が下り、戸惑いながら入室する。
大半の者が休憩時間であるはずなのに、やはり彼は仕事をしていた。部下がいるはずのデスクも今は全て空席だ。
背後の大窓からうららかな日差しが射し込んでいるというのに、疲れた顔で一心に書類を睨んでいる。先ほどの入室許可も、完全に無意識下で行われていたのだろう。
ナナセは邪魔にならないよう、物音を立てずにハーブティーを淹れる。
ふわりと鼻先をかすめる香りが、やがて部屋中に広がっていく。
資料でいっぱいの執務室とは少し異質な香りに、エクトーレがようやく顔を上げた。
「おや。ナナセさんではありませんか」
「失礼いたしております、エクトーレ様。昨日のお言葉に甘え、無作法ながらお邪魔させていただきました」
「そんなにかしこまらなくていいんですよ。お近づきになりたいと言ったのは私です」
鋭い毒舌が飛び出すのではと内心戦々恐々だったが、エクトーレは快く迎えてくれた。
穏やかな人物だが、仕事が関わると少々過激になることは承知している。今、自分がその逆鱗に触れようとしていることも。
「エクトーレ様、ハーブティーをお持ちいたしました。――休憩に、いたしませんか?」
空気が、ピシリと凍った。
優しげな笑みは変わらないけれど、萌葱色の双眸の奥はひどく暗い。まるでぽっかりと深い穴が空いているようだ。
下げたままの頭に、不躾なほど強烈な視線を感じた。
彼はおそらく見定めている。
優秀だと判断した侍女が何かを勘違いして、考えなしに押しかけてきたのではないか。浅ましくも、深い関係を望んでいるのではないか。
沈黙は数秒だった。
エクトーレは下心がないことが確認できたようで、羽ペンを置いて嘆息した。
「あなたの意図がさっぱり分からないからには、そのお誘いにのってみましょうか」
「おそれ入ります、エクトーレ様」
応接用のソファに移動したエクトーレに、ナナセはすかさずティーカップを渡した。
「ありがとうございます。いい香りだけど、昨日のものとは違うようですね」
「はい。こちらのハーブティーは、ラベンダーとなっております」
ジャスミンより香りは強いが、彼は迷う素振りを見せずにカップを口に運んだ。
「あぁ、とても香り高いですね。体の内側から香っているようだ」
エクトーレは、鼻腔に広がっていく香りを楽しむように深呼吸した。そのままラベンダーティーをもう一口、二口。
「気分転換に、ちょうどいいですね……」
瞑目するエクトーレの口調が、どこかあやふやになっていく。
首がこっくり傾いだ。ガクリと頭が揺れた衝撃で、彼はほんの少し目を覚ました。
「これは……?」
今にも閉じそうな目蓋を必死に開き、険しい顔でティーカップを見下ろしている。
怪しげな薬を混入したのではと誤解されてはたまらない。ナナセは静かに口を開いた。
「ラベンダーには、ジャスミンと同じく鎮静作用があると同時に、安眠効果もあるとされております」
「安眠……効果……?」
「目の下に、くまが見受けられたので」
ラベンダーティー自体にそこまでの即効性はない。今彼が睡魔に抗えないのは、とっくに限界を迎えていたからだ。
ぐらつく頭の下にクッションを入れれば、エクトーレの体はあっさりと屈した。
「真摯に仕事へと取り組む姿勢、一切の妥協のなさ、どれも素晴らしいことです。けれど食事や睡眠時間を削るようなやり方を繰り返していれば、いずれどこかで破綻します。あなたが倒れる、という最悪のかたちで」
何を言われているのかさえ分からなくなりそうなものなのに、彼はしっかりと目の焦点が合っている。凄まじい精神力だ。
ナナセは、苦情を受けることも覚悟の上で、どうしても放っておけなかった。
昨日見送った時から、彼にラベンダーのハーブティーを淹れようと心に決めていた。
日本にいる頃は、ブラック企業という言葉が当たり前のように使われていた。
社員の人権を踏みにじるような超過勤務、パワーハラスメント。
劣悪な労働環境にいながら、睡眠不足がたたって段々思考が停止していく。そうして、どうすればいいのか解決策を考える余裕もなく、ひたすら働き続けるという悪循環。
ナナセ自身は働いたことがなかったけれど、エクトーレのように仕事ばかりしている者が身近にいた。
新卒の頃、兄は常に疲れきっていて……。
――駄目だ。考えちゃいけない。
懐かしい面影が浮かびそうになって、ナナセは必死に振り払った。
レムンドが調べてくれているけれど、今はまだ帰る目処が立っていない。
どうにもならないなら思い出しても虚しいだけだ。ナナセは四年前に、家族との思い出を封じた。
再び、目がほとんど開いていない状態のエクトーレに向き直う。
「僭越ながら申し上げます。どれほど仕事が山積みであっても、エクトーレ様が一人で全てを背負う必要はありません。あなたが休憩をとったくらいで滞らないように、王宮内は組織としての体制が整っているんですから」
ナナセより遥かに優れている文官相手に説教など、立場をわきまえない行為だ。そのお叱りはあとで受けよう。
「きっかり十五分後にお起こしいたします。安心しておやすみください」
十五分なら、休憩時間の範囲内。
ハーブティーの抽出時間を計るために使った砂時計を示してみせると、何がおかしかったのか彼は破顔した。
叱責を受けるとばかり思っていたナナセは、柔らかな笑みに目を瞬かせる。
「また……あなたの、おいしい紅茶を、飲ませてください――必ず」
舌足らずに何とか言いきると、エクトーレはとうとう眠りについた。
無防備な寝顔にどこか幼さを感じて、ナナセはこっそり微笑む。
侍女の仕事には、たいへんなことも多い。
下働きは王宮に入れないという大前提があるため、毎日の掃除も侍女の役目だ。
来客があれば、その身の回りの世話もしなければならない。
王宮で個人が雇った使用人をぞろぞろ連れ歩くことはできないので、化粧や髪結い、服飾品の管理なども任される。ほとんどが貴賓であるため少しの失敗も許されない。
マナーや教養も必要とされる厳しい仕事だから、結婚退職云々の前に耐えられなくて辞めてしまう者もいる。
そうして万年人手不足だから、新人教育もなかなか行き届かない。
数え上げればきりがないほど苦労ばかり。
けれど、こうして心から感謝をされた時の喜びは格別だった。
やり甲斐を知っているから、ナナセはこの仕事がやめられないのだ。
今のディンメル王国の気候は、日本でいうところの五月くらいにあたる。
冬が少し長い以外は四季の移り変わりも同じで、とても過ごしやすい国だ。
庭師達の尽力により、今年も回廊から眺める景色は華やかだ。
王宮中を飾り立てるように花が綻びはじめ、木々も息づいているよう。ひらひらと舞う黄色い蝶に、可愛らしい鳥のさえずり。
こういった日は中庭の木陰辺りで、ゆったりと昼食を食べるのがナナセの習慣だ。
だが今日は、手早く食事を済ませると、統括棟に来ていた。
統括棟とは、王宮に存在する多くの部署が集まった建物のことだ。
ナナセは配膳ワゴンを押しながら、総務課を目指していた。
いつもは忙しく働く文官を多く見かけるが、今は昼休憩のため閑散としている。
時折通りかかる文官に訊ねながら、臙脂色の絨毯が敷かれた回廊を進む。
しばらくすると、目的の場所が見えてきた。エクトーレの執務室だ。
平の文官だと謙遜していたが、彼は個室を与えられるほどの役職に就いているらしい。
ナナセは呼吸を整え少しの緊張を逃がしてから、執務室の扉を叩いた。
「失礼いたします」
「どうぞ」
誰何されることもなく許可が下り、戸惑いながら入室する。
大半の者が休憩時間であるはずなのに、やはり彼は仕事をしていた。部下がいるはずのデスクも今は全て空席だ。
背後の大窓からうららかな日差しが射し込んでいるというのに、疲れた顔で一心に書類を睨んでいる。先ほどの入室許可も、完全に無意識下で行われていたのだろう。
ナナセは邪魔にならないよう、物音を立てずにハーブティーを淹れる。
ふわりと鼻先をかすめる香りが、やがて部屋中に広がっていく。
資料でいっぱいの執務室とは少し異質な香りに、エクトーレがようやく顔を上げた。
「おや。ナナセさんではありませんか」
「失礼いたしております、エクトーレ様。昨日のお言葉に甘え、無作法ながらお邪魔させていただきました」
「そんなにかしこまらなくていいんですよ。お近づきになりたいと言ったのは私です」
鋭い毒舌が飛び出すのではと内心戦々恐々だったが、エクトーレは快く迎えてくれた。
穏やかな人物だが、仕事が関わると少々過激になることは承知している。今、自分がその逆鱗に触れようとしていることも。
「エクトーレ様、ハーブティーをお持ちいたしました。――休憩に、いたしませんか?」
空気が、ピシリと凍った。
優しげな笑みは変わらないけれど、萌葱色の双眸の奥はひどく暗い。まるでぽっかりと深い穴が空いているようだ。
下げたままの頭に、不躾なほど強烈な視線を感じた。
彼はおそらく見定めている。
優秀だと判断した侍女が何かを勘違いして、考えなしに押しかけてきたのではないか。浅ましくも、深い関係を望んでいるのではないか。
沈黙は数秒だった。
エクトーレは下心がないことが確認できたようで、羽ペンを置いて嘆息した。
「あなたの意図がさっぱり分からないからには、そのお誘いにのってみましょうか」
「おそれ入ります、エクトーレ様」
応接用のソファに移動したエクトーレに、ナナセはすかさずティーカップを渡した。
「ありがとうございます。いい香りだけど、昨日のものとは違うようですね」
「はい。こちらのハーブティーは、ラベンダーとなっております」
ジャスミンより香りは強いが、彼は迷う素振りを見せずにカップを口に運んだ。
「あぁ、とても香り高いですね。体の内側から香っているようだ」
エクトーレは、鼻腔に広がっていく香りを楽しむように深呼吸した。そのままラベンダーティーをもう一口、二口。
「気分転換に、ちょうどいいですね……」
瞑目するエクトーレの口調が、どこかあやふやになっていく。
首がこっくり傾いだ。ガクリと頭が揺れた衝撃で、彼はほんの少し目を覚ました。
「これは……?」
今にも閉じそうな目蓋を必死に開き、険しい顔でティーカップを見下ろしている。
怪しげな薬を混入したのではと誤解されてはたまらない。ナナセは静かに口を開いた。
「ラベンダーには、ジャスミンと同じく鎮静作用があると同時に、安眠効果もあるとされております」
「安眠……効果……?」
「目の下に、くまが見受けられたので」
ラベンダーティー自体にそこまでの即効性はない。今彼が睡魔に抗えないのは、とっくに限界を迎えていたからだ。
ぐらつく頭の下にクッションを入れれば、エクトーレの体はあっさりと屈した。
「真摯に仕事へと取り組む姿勢、一切の妥協のなさ、どれも素晴らしいことです。けれど食事や睡眠時間を削るようなやり方を繰り返していれば、いずれどこかで破綻します。あなたが倒れる、という最悪のかたちで」
何を言われているのかさえ分からなくなりそうなものなのに、彼はしっかりと目の焦点が合っている。凄まじい精神力だ。
ナナセは、苦情を受けることも覚悟の上で、どうしても放っておけなかった。
昨日見送った時から、彼にラベンダーのハーブティーを淹れようと心に決めていた。
日本にいる頃は、ブラック企業という言葉が当たり前のように使われていた。
社員の人権を踏みにじるような超過勤務、パワーハラスメント。
劣悪な労働環境にいながら、睡眠不足がたたって段々思考が停止していく。そうして、どうすればいいのか解決策を考える余裕もなく、ひたすら働き続けるという悪循環。
ナナセ自身は働いたことがなかったけれど、エクトーレのように仕事ばかりしている者が身近にいた。
新卒の頃、兄は常に疲れきっていて……。
――駄目だ。考えちゃいけない。
懐かしい面影が浮かびそうになって、ナナセは必死に振り払った。
レムンドが調べてくれているけれど、今はまだ帰る目処が立っていない。
どうにもならないなら思い出しても虚しいだけだ。ナナセは四年前に、家族との思い出を封じた。
再び、目がほとんど開いていない状態のエクトーレに向き直う。
「僭越ながら申し上げます。どれほど仕事が山積みであっても、エクトーレ様が一人で全てを背負う必要はありません。あなたが休憩をとったくらいで滞らないように、王宮内は組織としての体制が整っているんですから」
ナナセより遥かに優れている文官相手に説教など、立場をわきまえない行為だ。そのお叱りはあとで受けよう。
「きっかり十五分後にお起こしいたします。安心しておやすみください」
十五分なら、休憩時間の範囲内。
ハーブティーの抽出時間を計るために使った砂時計を示してみせると、何がおかしかったのか彼は破顔した。
叱責を受けるとばかり思っていたナナセは、柔らかな笑みに目を瞬かせる。
「また……あなたの、おいしい紅茶を、飲ませてください――必ず」
舌足らずに何とか言いきると、エクトーレはとうとう眠りについた。
無防備な寝顔にどこか幼さを感じて、ナナセはこっそり微笑む。
侍女の仕事には、たいへんなことも多い。
下働きは王宮に入れないという大前提があるため、毎日の掃除も侍女の役目だ。
来客があれば、その身の回りの世話もしなければならない。
王宮で個人が雇った使用人をぞろぞろ連れ歩くことはできないので、化粧や髪結い、服飾品の管理なども任される。ほとんどが貴賓であるため少しの失敗も許されない。
マナーや教養も必要とされる厳しい仕事だから、結婚退職云々の前に耐えられなくて辞めてしまう者もいる。
そうして万年人手不足だから、新人教育もなかなか行き届かない。
数え上げればきりがないほど苦労ばかり。
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