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本編
雇用条件が厳しい
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レムンドは、白蝶貝城と呼ばれる王宮で人事長官を勤めているらしい。
隣国との微妙な不和やら昨年の豪雨による食料不足やら、ディンメル王国が抱える悩みは様々あれど、人事長官である彼にはさほど関係ない。
毎年試験や面接を勝ち抜いた文官や騎士、使用人などが一挙に増えるのが、春先。
にもかかわらず年中彼を悩ませているのが、人手不足なのだという。
「どういうことですか?」
「ナナセ殿が生きる世界とは全然国の在り方が違うから、さぞ驚かれることでしょうが……若い女性は、結婚と同時に辞めてしまうのじゃ」
特に頭が痛いのが、侍女不足。
毎年少なくない人数の侍女達が結婚退職していくため、レムンドは頭を抱えていた。
ごっそり人間が入れ替わるため、常に教育が行き届かない。王族や国賓につく使用人は、わざわざ彼が説得して古参の使用人を呼び寄せている始末。
「王宮において侍女は、騎士や文官を勤める男性達の嫁候補として扱われているのじゃ」
「うわ、気持ち悪い」
思わず素で呟いてしまった。
「平民ならば結婚後も夫の家業を手伝ったりしているようじゃが、侍女達は騎士や文官に選ばれて結婚退職することを、一種の栄誉と思っている節がある」
「あー、自分が働かなくても食べていける旦那様の高収入マウンティングですね。私がいた世界でもちらほら聞いた話です」
八歳離れた姉が既婚者で、よく似たような愚痴を聞かされた。
マウンティング、の部分が理解ができなかったようで、レムンドは首をひねっている。
自然に会話していたが、よくよく注意してみれば違和感に気付いた。彼の口の動きと、伝わってくる単語が異なっているような。
――これ、異世界転移ジャンルでよく聞く、言語翻訳機能特典みたいなやつか……。
こちらの世界にない単語は翻訳されない、というところまでそれっぽい。
「私はこの国の仕組みを全く知りませんが、王国と言うからには王族がいて、君主制度なんですよね? ということは王妃様もいるはずで、公務をこなしてるんですよね。国で最も高貴な女性の生き方って、憧れられそうなものですけど」
なぜ王宮勤めの若い女性だけが結婚後に退職するのか、甚だ疑問だ。
「本当に、全部ナナセ殿のおっしゃる通りじゃ……王妃陛下のお膝元で、なぜこのような風潮があるのか……」
現代日本では、結婚しても共働きの家庭は当たり前にあった。
専業主婦を選ぶのも自由だが、積み上げたキャリアを手放すのは惜しいという考え方も多かった。
「王妃様が見本を示し続けていれば、いつか変わるかもしれませんね」
「そうであればいいと心から願っておる。そのためには、内部からも少しずつ変わっていくことが肝要じゃ」
レムンドの視線は、しっかりナナセに固定されていた。全身から冷や汗が吹き出る。
「……くれぐれも、異世界人に過度な期待はやめてくださいね?」
「ナナセ殿の後ろ楯は、僭越ながらこの私がなりましょう」
王宮で働くにも推薦が必要だというし、後ろ楯自体は純粋にありがたい。
けれどその対価として、何か重すぎる使命を背負わさそうな予感がひしひしとする。
「ナナセ殿は察しがいいのう。頭が切れるようで、安心したわい」
「ちょっと私はまだ何も頼まれてないし頷いてませんからね」
勝手に何かを委ねられ安心されても困る。
初めて出くわした相手がこの食えない老人だったのが、運の尽きなのかもしれない。
これから我が身に降りかかる苦労を思い、ナナセは遠い目になるしかなかった。
◇ ◆ ◇
それから、この世界の常識を学んだ。
人事官長を勤めるとはいえ、レムンドは中流階級の出身だ。王宮で必須となる女性の礼儀作法には疎かったため、彼が招いた教師からみっちり仕込まれることとなった。
学んだというより詰め込んだ、という方が正しいかもしれない。半年も経たない内に、ナナセは王宮へと送り込まれることとなる。
そうして四年の歳月がすぎ、ナナセは一使用人としてすっかり馴染んでいったのだ。
日本にいる家族のことは、あまり考えないようにしている。
元の世界に帰る方法が分からない以上、ナナセにできることはないのだから。
回廊に飾られた全ての花瓶の水替えを終えれば、今日の仕事は終了。
とはいえまだ日が高いため終業時間には早い。何か仕事が残っていれば手伝うつもりで、ナナセは使用人達の控え室に向かう。
「あっ、ナナセ!」
ほぼ同時期に城に上がったエレミアが、ナナセを見つけるなり声を上げた。
「お疲れさま。エレミアも、もう割り振った分の仕事は終わったの?」
「いや、私はただ洗剤が足りなくなったから取りに……ってそうじゃなくて! 聞いたわよ、あんたゼファル様とお近づきになったらしいじゃない!?」
「ゼファル様……ああ」
先ほど絡んできた赤髪の騎士が、確かそんな名前だったような。
曖昧に頷くと、彼女は華やかに整った顔を歪ませた。
「やっぱり! あんたは知らないかもしれないけどね、ゼファル様ってかなり人気高いのよ! そう簡単にお近づきになんてなれないんだからね!」
「そうなんだ。ところで、今日のノルマ終わってないなら終業時間まで手伝うよ」
「あら助かるわ。ってそうじゃなくて! ナナセってばこんな時にまで仕事優先なわけ!? 大体自分に割り振られた仕事が片付いたなら休んでればいいのに。いつも助けてくれてありがたいけど!」
褒められているのか貶されているのか謎だが、騎士との結婚を夢見ているこの年下の少女が、恋愛ごととなると手が付けられないのは日常茶飯事だ。
いなすのもすっかり慣れたもので、ナナセは彼女の手からバケツと雑巾を奪った。
――ていうか、さっきの今で既に情報が出回ってることの方が怖いんだけど……。
使用人のネットワークを甘く見ているつもりはないが、ゼファルと会話したのはほんの三十分ほど前だ。電話もメールもないというのに空恐ろしい。
「結婚には興味ないって言ってたのに抜け駆けなんて……せめて私にも紹介して!」
ナナセは常日頃から『結婚に興味がない』と明言している。だが、恋愛に興味がないと言ったことは一度としてなかった。
ゼファルという騎士やエレミアのように勘違いをしている者は多いが、ナナセとて二十二歳になったばかりなのだ。男性を素敵だと感じる回路が壊れているわけではない。
たくましい胸板に見惚れたり、打ち合いをしている騎士を格好いいと思ったりもする。整った顔立ちの男性にときめきも覚える。
――ゼファルって人はチャラそうで苦手だから、誤解されたままでいいんだけどね。
何気に失礼なことを考えていると、五時を報せる鐘が鳴った。
ナナセはまだ一度も訪れたことはないが、王都を少し外れた丘の上に教会があり、王都民はそこで一時間おきに鳴らされる鐘を頼りに暮らしている。
「あ、終業時間。定時だしもう帰るね。エレミアもこんなところでおしゃべりしてないで、早く自分の仕事終わらせた方がいいよ」
さくっと前言を翻して仕事道具を押し付けると、エレミアはガックリ肩を落とした。
「あんたって仕事が好きなんだか嫌いなんだか、本当によく分かんないわ……」
仕事が終わったのだから定時で帰るのは真っ当な権利だと思うのだが、時間外労働という概念もそれに付随する手当てもない異世界では、ナナセの考え方は理解を得づらい。
とはいえ彼女の方もすっかりナナセに慣れているからか、げんなりした様子ながら怒りはないようだ。
互いに気心が知れているのだ。
手を振って別れると、王宮の敷地内にある使用人寮へと戻る。
レムンドにはこちらでの後見人のような形をとってもらっているが、現在のナナセの拠点はここだ。フランセンの屋敷にはたまにしか帰っていない。
近況報告に関して言えば、ナナセがわざわざ赴く必要がないためだった。
夕暮れに染まる寮は、素朴な木造建て。
それほど広くない部屋も、低い天井も、どことなく日本を彷彿とさせるためとても落ち着く。古いが清潔感のある食堂も、高校の学食のようだ。
白亜の王宮にいると目がチカチカしてくるので、帰ってくるたびにホッとした気持ちにさせられる。
玄関に近付くと、長身の人影があった。
夕陽が灰色の短髪を赤く染め上げ、彫りの深い顔に濃い陰影を落としている。その中で輝く灰青の瞳は、まるで狼のように鋭い。
青い騎士団の制服に身を包む青年は、こちらに気付くと組んでいた腕をほどいた。
「今日も早かったようだな、ナナセ」
冷たく感じるほど整った顔が、フワリとほどけるように笑みを浮かべる。
「リオルディス様」
リオルディス・シェナッソ。
日本にいた頃、憧れ程度の経験はあっても本気で誰かを好きになることなどなかった。
こちらの世界に来たばかりの頃も、生活に慣れるのに必死で何も考えられなかった。
四年が過ぎ、二十二歳になった現在。
ナナセが見惚れるのも格好いいと思うのも、今のところ彼だけだった。
隣国との微妙な不和やら昨年の豪雨による食料不足やら、ディンメル王国が抱える悩みは様々あれど、人事長官である彼にはさほど関係ない。
毎年試験や面接を勝ち抜いた文官や騎士、使用人などが一挙に増えるのが、春先。
にもかかわらず年中彼を悩ませているのが、人手不足なのだという。
「どういうことですか?」
「ナナセ殿が生きる世界とは全然国の在り方が違うから、さぞ驚かれることでしょうが……若い女性は、結婚と同時に辞めてしまうのじゃ」
特に頭が痛いのが、侍女不足。
毎年少なくない人数の侍女達が結婚退職していくため、レムンドは頭を抱えていた。
ごっそり人間が入れ替わるため、常に教育が行き届かない。王族や国賓につく使用人は、わざわざ彼が説得して古参の使用人を呼び寄せている始末。
「王宮において侍女は、騎士や文官を勤める男性達の嫁候補として扱われているのじゃ」
「うわ、気持ち悪い」
思わず素で呟いてしまった。
「平民ならば結婚後も夫の家業を手伝ったりしているようじゃが、侍女達は騎士や文官に選ばれて結婚退職することを、一種の栄誉と思っている節がある」
「あー、自分が働かなくても食べていける旦那様の高収入マウンティングですね。私がいた世界でもちらほら聞いた話です」
八歳離れた姉が既婚者で、よく似たような愚痴を聞かされた。
マウンティング、の部分が理解ができなかったようで、レムンドは首をひねっている。
自然に会話していたが、よくよく注意してみれば違和感に気付いた。彼の口の動きと、伝わってくる単語が異なっているような。
――これ、異世界転移ジャンルでよく聞く、言語翻訳機能特典みたいなやつか……。
こちらの世界にない単語は翻訳されない、というところまでそれっぽい。
「私はこの国の仕組みを全く知りませんが、王国と言うからには王族がいて、君主制度なんですよね? ということは王妃様もいるはずで、公務をこなしてるんですよね。国で最も高貴な女性の生き方って、憧れられそうなものですけど」
なぜ王宮勤めの若い女性だけが結婚後に退職するのか、甚だ疑問だ。
「本当に、全部ナナセ殿のおっしゃる通りじゃ……王妃陛下のお膝元で、なぜこのような風潮があるのか……」
現代日本では、結婚しても共働きの家庭は当たり前にあった。
専業主婦を選ぶのも自由だが、積み上げたキャリアを手放すのは惜しいという考え方も多かった。
「王妃様が見本を示し続けていれば、いつか変わるかもしれませんね」
「そうであればいいと心から願っておる。そのためには、内部からも少しずつ変わっていくことが肝要じゃ」
レムンドの視線は、しっかりナナセに固定されていた。全身から冷や汗が吹き出る。
「……くれぐれも、異世界人に過度な期待はやめてくださいね?」
「ナナセ殿の後ろ楯は、僭越ながらこの私がなりましょう」
王宮で働くにも推薦が必要だというし、後ろ楯自体は純粋にありがたい。
けれどその対価として、何か重すぎる使命を背負わさそうな予感がひしひしとする。
「ナナセ殿は察しがいいのう。頭が切れるようで、安心したわい」
「ちょっと私はまだ何も頼まれてないし頷いてませんからね」
勝手に何かを委ねられ安心されても困る。
初めて出くわした相手がこの食えない老人だったのが、運の尽きなのかもしれない。
これから我が身に降りかかる苦労を思い、ナナセは遠い目になるしかなかった。
◇ ◆ ◇
それから、この世界の常識を学んだ。
人事官長を勤めるとはいえ、レムンドは中流階級の出身だ。王宮で必須となる女性の礼儀作法には疎かったため、彼が招いた教師からみっちり仕込まれることとなった。
学んだというより詰め込んだ、という方が正しいかもしれない。半年も経たない内に、ナナセは王宮へと送り込まれることとなる。
そうして四年の歳月がすぎ、ナナセは一使用人としてすっかり馴染んでいったのだ。
日本にいる家族のことは、あまり考えないようにしている。
元の世界に帰る方法が分からない以上、ナナセにできることはないのだから。
回廊に飾られた全ての花瓶の水替えを終えれば、今日の仕事は終了。
とはいえまだ日が高いため終業時間には早い。何か仕事が残っていれば手伝うつもりで、ナナセは使用人達の控え室に向かう。
「あっ、ナナセ!」
ほぼ同時期に城に上がったエレミアが、ナナセを見つけるなり声を上げた。
「お疲れさま。エレミアも、もう割り振った分の仕事は終わったの?」
「いや、私はただ洗剤が足りなくなったから取りに……ってそうじゃなくて! 聞いたわよ、あんたゼファル様とお近づきになったらしいじゃない!?」
「ゼファル様……ああ」
先ほど絡んできた赤髪の騎士が、確かそんな名前だったような。
曖昧に頷くと、彼女は華やかに整った顔を歪ませた。
「やっぱり! あんたは知らないかもしれないけどね、ゼファル様ってかなり人気高いのよ! そう簡単にお近づきになんてなれないんだからね!」
「そうなんだ。ところで、今日のノルマ終わってないなら終業時間まで手伝うよ」
「あら助かるわ。ってそうじゃなくて! ナナセってばこんな時にまで仕事優先なわけ!? 大体自分に割り振られた仕事が片付いたなら休んでればいいのに。いつも助けてくれてありがたいけど!」
褒められているのか貶されているのか謎だが、騎士との結婚を夢見ているこの年下の少女が、恋愛ごととなると手が付けられないのは日常茶飯事だ。
いなすのもすっかり慣れたもので、ナナセは彼女の手からバケツと雑巾を奪った。
――ていうか、さっきの今で既に情報が出回ってることの方が怖いんだけど……。
使用人のネットワークを甘く見ているつもりはないが、ゼファルと会話したのはほんの三十分ほど前だ。電話もメールもないというのに空恐ろしい。
「結婚には興味ないって言ってたのに抜け駆けなんて……せめて私にも紹介して!」
ナナセは常日頃から『結婚に興味がない』と明言している。だが、恋愛に興味がないと言ったことは一度としてなかった。
ゼファルという騎士やエレミアのように勘違いをしている者は多いが、ナナセとて二十二歳になったばかりなのだ。男性を素敵だと感じる回路が壊れているわけではない。
たくましい胸板に見惚れたり、打ち合いをしている騎士を格好いいと思ったりもする。整った顔立ちの男性にときめきも覚える。
――ゼファルって人はチャラそうで苦手だから、誤解されたままでいいんだけどね。
何気に失礼なことを考えていると、五時を報せる鐘が鳴った。
ナナセはまだ一度も訪れたことはないが、王都を少し外れた丘の上に教会があり、王都民はそこで一時間おきに鳴らされる鐘を頼りに暮らしている。
「あ、終業時間。定時だしもう帰るね。エレミアもこんなところでおしゃべりしてないで、早く自分の仕事終わらせた方がいいよ」
さくっと前言を翻して仕事道具を押し付けると、エレミアはガックリ肩を落とした。
「あんたって仕事が好きなんだか嫌いなんだか、本当によく分かんないわ……」
仕事が終わったのだから定時で帰るのは真っ当な権利だと思うのだが、時間外労働という概念もそれに付随する手当てもない異世界では、ナナセの考え方は理解を得づらい。
とはいえ彼女の方もすっかりナナセに慣れているからか、げんなりした様子ながら怒りはないようだ。
互いに気心が知れているのだ。
手を振って別れると、王宮の敷地内にある使用人寮へと戻る。
レムンドにはこちらでの後見人のような形をとってもらっているが、現在のナナセの拠点はここだ。フランセンの屋敷にはたまにしか帰っていない。
近況報告に関して言えば、ナナセがわざわざ赴く必要がないためだった。
夕暮れに染まる寮は、素朴な木造建て。
それほど広くない部屋も、低い天井も、どことなく日本を彷彿とさせるためとても落ち着く。古いが清潔感のある食堂も、高校の学食のようだ。
白亜の王宮にいると目がチカチカしてくるので、帰ってくるたびにホッとした気持ちにさせられる。
玄関に近付くと、長身の人影があった。
夕陽が灰色の短髪を赤く染め上げ、彫りの深い顔に濃い陰影を落としている。その中で輝く灰青の瞳は、まるで狼のように鋭い。
青い騎士団の制服に身を包む青年は、こちらに気付くと組んでいた腕をほどいた。
「今日も早かったようだな、ナナセ」
冷たく感じるほど整った顔が、フワリとほどけるように笑みを浮かべる。
「リオルディス様」
リオルディス・シェナッソ。
日本にいた頃、憧れ程度の経験はあっても本気で誰かを好きになることなどなかった。
こちらの世界に来たばかりの頃も、生活に慣れるのに必死で何も考えられなかった。
四年が過ぎ、二十二歳になった現在。
ナナセが見惚れるのも格好いいと思うのも、今のところ彼だけだった。
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