烏珠の闇 追想花

晩霞

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本編 ─羽ばたき─

恋し 憎し※

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「まずは舌を這わせろ。根元から上へゆっくりとな」

 目の前にそびえる男の強張りに気圧されながらも有無を言わさぬ冷たい瞳に貫かれ、そこにそっと口をつける。舌を出し、言われた通りにゆっくりと舐め始めた。火照った頬に潤んだ瞳、口から覗く桃色の舌。唾液がみるみる男自身に絡み付いていく。

「先もだ」

 男の頂点に、生暖かい舌が乗せられ動き出す。生娘と何ら遜色のない少女が奉仕をする様はひどく異様で、禁断的な官能さがあった。それを思い通りに出来るとするならば、男の昂りも愉悦に浸る感情も避けられないものだった。

 ぴちゃ……と少女の口から水音がする。
 先端をおずおずと舐め、顔色を窺おうと目線を上げれば、何の色も示さない無表情な男と目が合う。

「先だけでいい。吸ってみせろ」

 口を小さく開き、怒張を含んだ少女は仔猫のように先端をそっと吸い始めた。それは男がいつも乳房にする愛撫で、少女もそれを真似して男に施し続けた。息が苦しくなってきた少女は、ちゅぱ……と音を立てて口を離す。唇と怒張の間を、光る唾液が繋ぐ。また呼吸を整えて、口づけて吸うを繰り返す。
 しばらく少女の好きなようにさせていた男は、自身の膝頭に乗せられていた小さな手を取り、己の昂りに添えさせた。

「手で上下に擦るんだ。口を使うのも忘れるな」

 触れた男の強張りは、ゴツゴツと表面に血管が浮き出ていて、はち切れそうだった。脈打つ昂りをそっと包み込み、恥ずかしさで震えながら擦る。
 その間も頂点を吸い、舌を這わせ、優しく愛撫をすれば、男の吐息が洩れるのが聞こえる。

 少女の奉仕は、十分な快楽を得られるとは言い難い。少女本人は決してそんなつもりはないのだろうが、焦らされている感覚が男をじわじわと襲う。もどかしい愛撫に、男は更なる要求を突きつけた。

「奥まで咥えろ。強く吸って、入らない部分は手も使うんだ」

 少女の小さい口は男の怒張を咥えようと一生懸命だが、口内の圧迫感で舌が動かせず、喉の奥まで届くソレに涙が滲む。それでも男に応えようと、ゆっくりと口全体で吸い、手を休みなく動かす。
 やがて男の腹が微かに波打ち、口に含まれた強張りも赤みを増していく。

「もっと強くだ」

 少女の頭に手を置いてそう促せば、新しい快感がやって来る。

「ん……んんっ………ぅ」

 少女は怒張にせそうになりながらも、痺れてきた唇で何とか男の要求に応えようと涙を流して吸った。
 稚拙で不器用で、恐々と繰り返される刺激にもどかしく思いながらも、男は徐々に登り詰めていく。

「ん……むぅ……」

 少女のくぐもった声と鼻息を肌に感じ、歪められた眉を見つめて……男はついに、その口の中で達した。

「んん……!?」

 驚いて顔を離そうとしたが、頭に回された手がその動きを阻む。男が欲を放ちきるまで抑えられ、如何なる反抗も許してはもらえない。生まれて初めての味と舌に絡む感触に戸惑いながら、少女は男の許しが出るまで動けずにいた。

「そのまま全て呑み込め」

 喉にへばりつく感覚を我慢して子種を嚥下する。いつも自分の胎に放たれているモノを呑み込むなんて、少女にとっては衝撃的でこれ以上ないくらい恥ずかしいものだった。口に広がる男の精も何とも言えない味で、唾液で喉奥に流そうとしてもずっと舌に絡んで残っている。

「良い子だ。吸い取りながら口を離すんだ」

 ゆっくりと顔を引いて残った子種を吸い出せば、また口内に味が広がる。ちゅぱ……と口が離れれば、男の手が頬を撫で、少女に安心感を与える。
 そのまましばらく頬を撫でていた手は、次いで少女のわきの下を通り、幼子に高い高いをするようにその身体を持ち上げた。

「……あの……?」
「待たせたな」

 膝の上に乗せられ、向かい合わせになった男の言うことが理解出来なかった少女は、突如として胸を襲った甘い刺激に声を上げた。

「ひぁ……っ!?」

 放置されていた乳房に、男の指が深く沈む。まだ若々しい双丘は焦らされた末にふるふると弾み、大きな手を待ちわびたかのように受け入れた。

「ふ……ぁ……」

 少女は細い身体をくねらせ、折り畳んだ脚をもじもじと寝具の布と男の太腿に擦り付ける。果てる寸前で放置されていた秘部にまた熱が集まり、蜜で潤い始めた。胸の果実をコリコリと摘まれれば、白い背中が快楽で仰け反った。

「膝で立って胸を突き出してみせろ」

 熱く荒い息を吐いて、少女は体勢を変える。
 眼前に来た赤い乳首を指の間で挟み愛撫をした男は、硬くしこりきって震えるソレに一気に吸い付いた。

「はぁぁぁ……ぁ……っ!!」

 男の頭に腕を回し、腰をガクガクと痙攣させながら少女は啼いた。待ちわびた時が急に押し寄せ、身体に襲いかかる。男の舌が果実を右に左に吸い転がし、熱い手が乳房を揉みしだく。快楽に弱い、美しく可憐な乳房が、交互に容赦なく弄られる。

「ぁ……あっあっ烏京うきょうさまっ……烏京さまぁっ!」

 止まらない甘い痺れは脳に達し、少女の視界は真っ白に塗り潰された。部屋の風景が陽炎かげろうに映って見える。

「ふぁ……ぁ……ぁ……」
「胸だけで果てたか。上々だ」

 満足そうに私語ささめいた男は、少女のもう一つの弱みである、秘部の小さな粒に指を絡めた。

「あっんん……まだ……だめぇ……」

 果てた疲れのせいで膝で立つのも限界が近い。今すぐに座り込んで、男の大きな身体にしなだれたい。しかし……。

「まだ休むな」

 男はなかなか甘えさせてくれないらしい。
 充血した粒をやんわりと揉み、少女を次の快楽へと導く。興奮から冷めやらぬ身体は、男の手によってなまめかしく呼び起こされ、少女の思考を奪い去っていった。

「あ……ぁっぁっああ……!!」

 とことん愛撫された身体は汗が流れ、堕ちていく。
 連続で果てさせられ力なく座り込んだ少女を、男は寝台にそっと横たえた。
 ヒクヒクと動いて誘う膣に怒る己を擦り付け、蜜を絡ませた男は……。

「……っきゃああぁぁっっ!!」

 白い身体を抱き込んで、逃がさないとでも言うように一気に突き刺した。
「存分に啼かせてやる」

 そう宣言した通り、その後も男は少女を何度も果てさせ、ドロドロに溶けきった膣に容赦なく子種を注いだ。欲望は一度では収まらず男は幾度も腰を打ち付け、胎内で泡立った子種が結合部から漏れて染みを作った。果てに涙する様子に時折、唇を重ねて可愛がる。枯れそうな声で嬌声を上げる少女の肌には赤い痕が散らばり、妖艶に咲き綻んだ。

小毬こまり。俺を拒むのは、もう……」

 少女が男の胸に頭を乗せて失神に近い眠りに就く頃。日付は既に越えていて、傾いた月が宵闇に輝いていた。

 少女の枯れた喉は、しばらく治らなかった。
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