ほのぼの日本神話

ももちよろづ

文字の大きさ
上 下
2 / 3

日本初のキラキラネーム

しおりを挟む
ス「やっったぜー!俺の勝ちー!ふー!」

ア「ちぃっ……!スサノオ~!」


昔々。日本が、まだ、神代の時代だった頃。

父・イザナギノミコトに、海原うなばらを勘当された、スサノオノミコトは、

姉・アマテラスオオミカミの治める、高天原たかまがはらに、助けを求めました。

所が、いきり立ったスサノオが、高天原たかまがはらに向かって来るのを見たアマテラスは、

「スサノオが、高天原たかまがはらに攻めて来た」と、勘違いしてしまいます。

そこで、姉弟きょうだいは、誓約うけいと言う方法で、勝敗を決める事にしたのです。


ス「あっはっは!じゃ、アマテラス姉ちゃんよ。

  約束通り、俺の願い、聞いて貰うぜぇ~?」

ア「オ・ネ・エ・サ・マ!(100回目)」

ス「ハイハイ、オネーサマー(棒)」

赤「おぎゃあ、おぎゃあ」

ア「……おっと。

  私達の誓約うけいで産まれた、この子達に、名前を付けてあげなくちゃ」

ス「えぇ~?んな事より、早く、俺を高天原たかまがはらに入れてくれよぉ」

ア「うるさい!ず、順序ってモノがあんのよ」

ス「ちぇ~。分かったよ。ったく、面倒くせぇな~」

ア「え~っと……アンタの持ってた、十拳とつかの剣から、産まれた女神が、三柱。

  私の勾玉まがたまからは、男神おがみが、五柱」

ス「じゃあ、俺が、男神おがみの名付け親になるぜ。

  そうだな~、今、まさに、姉ちゃんとの勝負に、俺が勝った所だから……

  そうだ!お前の名前は、『正勝吾勝まさかつあかつ勝速日天之かちはやひあめのお忍穂耳命しほみみのみこと』だ!」

ア「はぁ!?

  も、もう一回、言って?」

ス「だーから!『正勝吾勝まさかつあかつ勝速日天之かちはやひあめのお忍穂耳命しほみみのみこと』だよ!」

ア「ち、ちょっと!何、その名前!?早口言葉!?

  キラキラネームにも、程があるわよ!

  その子、絶対、周りから、揶揄からかわれるって!」

ア「いーや、もう、決めた!

  お前は、今から、『正勝吾勝まさかつあかつ勝速日天之かちはやひあめのお忍穂耳命しほみみのみこと』だ!」

赤「キャッ、キャッ」

ス「ほら、コイツも、こんなに、喜んでるじゃねーか」

ア「えぇ……。本当に、大丈夫なの?

  もう、知らないわよ?」



それから、数年後。


SE:ポテチバリバリ、コーラグビグビ、ゲームピコピコ


オ「ふぁ~あ。眠い……。

  あ~、だるぅ」


小さかったオシホミミ様は、すくすくとご成長なされ、すっかり、いい大人になりました。

又、スサノオ様は、ヤマタノオロチを退治して、クシナダヒメ様をめとり、

葦原あしはら中津国なかつくに出雲いずもで、平和に暮らしておでです。

アマテラス様は、最高神として、高天原たかまがはらを治めていらっしゃいました。

そんな、る日の、高天原たかまがはら


SE:ポテチバリバリ、コーラグビグビ、ゲームピコピコ


オ「あ~、レベル上げ、面倒くさぁ。

  クッソ、はぐれ●タル、逃げんなよ。

  え~っと、カップ麺が出来るのに、後1分……。

  あれ、もう、コーラのペット、からじゃん」


SE:ガラッ


ア「ちょっと!オシホミミ!」

オ「げっ、母さん!」

ア「全く、アンタは、いい年して、毎日、グータラグータラと!

  少しは、真面目に、働いたらどうなの!」

オ「働いたら、負けだと思ってる」(キリッ)

ア「アンタって子は!

  はぁ……偉そうな名前、貰ってる癖に。名前負けしてるわね」

オ「いや、大体、何なんだよ、俺の名前。

  『正勝吾勝まさかつあかつ勝速日天之かちはやひあめのお忍穂耳命しほみみのみこと』って。早口言葉か?

  どう考えても、可笑おかしいだろ!」

ア「そ、それは……!」

オ「母さん、何、考えて、こんな名前、付けたの?」


SE:ガラッ


ス「よっ!姉ちゃん!久し振り!」

ア「スサノオ!」

オ「スサノオ叔父さん」

ア「アンタ、何しに、高天原たかまがはらに!?」

ス「この剣を、渡しに来たんだよ」

ア「あら、立派な剣じゃない。どうしたの?」

ス「ヤマタノオロチの尻尾に、入ってたんだ。

  高天原たかまがはらじゃ、姉ちゃんに、色々、迷惑掛けちまったからよ。

  詫びに、受け取ってくれや」

ア「いいの?貰っちゃって。

  有り難う、大事にするわ」

ス「で、こっちは、出雲土産いずもみやげの、蕎麦そばと紅茶。

  嫁のクシナダからの、差し入れだぜぇ?」

ア「まぁ!アンタも、気が利く様になったわね。

  クシナダヒメちゃんに、宜しく言っといて頂戴」

ス「で、何だよ?面白そうな話、してたじゃねーか。

  名前が、どうとか……」

ア「あぁあぁああ!!

  何も、何も言ってないわ!何も聞こえないわ!」

オ「何だよ、母さん?」

ア「さっ!お蕎麦そばでるから!皆で食べましょ!

  オシホミミは、紅茶入れて」

オ「え~、やだよ」

ア「その位、働け!」

ス「何だ、何だぁ?」


こうして、名付けの件は、

オシホミミ様の耳には、永遠に入らなかった、と言う事でございます。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

居候同心

紫紺
歴史・時代
臨時廻り同心風見壮真は実家の離れで訳あって居候中。 本日も頭の上がらない、母屋の主、筆頭与力である父親から呼び出された。 実は腕も立ち有能な同心である壮真は、通常の臨時とは違い、重要な案件を上からの密命で動く任務に就いている。 この日もまた、父親からもたらされた案件に、情報屋兼相棒の翔一郎と解決に乗り出した。 ※完結しました。

鬼の桃姫

井田いづ
歴史・時代
これはむかしむかしの物語。鬼の頭領である桃姫は日々"狩り"をしながら平和に島を治めていた。ある日のこと、鬼退治を掲げた人間が島に攻め入って来たとの知らせが入る。桃姫の夢と城が崩れ始めた────。 +++++++++++++++++ 当作品は『桃太郎』『吉備津彦命の温羅退治』をベースに創作しています。

焔の牡丹

水城真以
歴史・時代
「思い出乞ひわずらい」の続きです。先にそちらをお読みになってから閲覧よろしくお願いします。 織田信長の嫡男として、正室・帰蝶の養子となっている奇妙丸。ある日、かねてより伏せていた実母・吉乃が病により世を去ったとの報せが届く。当然嫡男として実母の喪主を務められると思っていた奇妙丸だったが、信長から「喪主は弟の茶筅丸に任せる」との決定を告げられ……。

旧式戦艦はつせ

古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。

鷹の翼

那月
歴史・時代
時は江戸時代幕末。 新選組を目の敵にする、というほどでもないが日頃から敵対する1つの組織があった。 鷹の翼 これは、幕末を戦い抜いた新選組の史実とは全く関係ない鷹の翼との日々。 鷹の翼の日常。日課となっている嫌がらせ、思い出したかのようにやって来る不定期な新選組の奇襲、アホな理由で勃発する喧嘩騒動、町の騒ぎへの介入、それから恋愛事情。 そんな毎日を見届けた、とある少女のお話。 少女が鷹の翼の門扉を、めっちゃ叩いたその日から日常は一変。 新選組の屯所への侵入は失敗。鷹の翼に曲者疑惑。崩れる家族。鷹の翼崩壊の危機。そして―― 複雑な秘密を抱え隠す少女は、鷹の翼で何を見た? なお、本当に史実とは別次元の話なので容姿、性格、年齢、話の流れ等は完全オリジナルなのでそこはご了承ください。 よろしくお願いします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...