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21・バタフライ効果なんてチャチなもんじゃ断じてねぇ!
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それからの経緯はしばらく平坦なものであった。まあ、冷戦期の話だからそんなもんだろう。
その頃はソ連太平洋艦隊の一大拠点が遼東半島に完成したと言うくらいしか大きな話題はない。
おっと、大きな話があったな。
ソ連がマンチュリア共和国を自国領とした事から中国共産党は戦力取得に苦労し、国民党を台湾へと追いやり中華人民共和国を建国したのが1955年の事となっている。当然、満足な支援もしないソ連との関係は当初から険悪であり、独自路線を歩むことになったのは仕方がない。
そして、史実と大きく異なるのは、大韓民国が非常に小さな国という事もあって、ベトナム戦争に日本軍が派兵される事となり、この頃から急速に東南アジアとの関係が改善と対立に二極化していく。
当然だが中国共産党は激しく対日批判を行うが、対して台湾や東南アジアの多くは容認の方向であった。そして朝鮮も反日姿勢を表明するのだが、言葉とは裏腹に経済関係でのつながりが深化しており、内情は言葉とは裏腹だった。大韓民国は言葉と行動が一致した反日国家である。
ベトナム戦争も末期、米国は中国との国交樹立へと動くが、ベトナム参戦によって日中関係は進展せず時が過ぎてゆく。そして、1985年にようやく国交樹立が成ったが、様々な条件付きの話であり、外交儀礼上の国交と言った方が正確な情勢だった。
そして、それからわずか4年後、天安門事件によって中国は西側の経済制裁を受ける様になり、その直後にソ連崩壊に伴ってマンチュリア共和国が分離独立し、制裁対象である中国に代わる一大進出先として欧米がこぞって進出していく。
それを見た朝鮮も改革開放を掲げて欧米を招き入れ、マンチュリアと朝鮮に広がる重工業地帯が西側経済へと組み入れられる事となった。
ただ、軍事拠点であるダルニー地域はソ連からの分離独立に際してロシアの飛び地とされ、最大の貿易港であるダルニー港もロシアが管理する事になる。
こうしてポスト冷戦体制が完成すると、日本でも史実自衛隊の3倍近くに達した日本軍の軍縮が叫ばれ、32万人であった陸軍は半分の16万人にまで削減する事が決まり、海軍もとうとう大戦を生き残った超巡洋艦耳成や重巡洋艦伊吹を退役させることとなった。
そうして浮いた予算を国土開発へと回し、遅れていた国土開発がようやく始まり、自動車通行が困難な峠道や船でしか往来できなかった孤立集落の問題が解決へと向かう。史実では60年代の高度経済成長期に着手していたような事業だが、ようやく90年代高度経済成長が始まった訳だから、30年近い時代の差があった訳だ。この世界の日本は戦後も長く戦前の延長の様な状態が各地で見られたという事になるのかな?
そうやって平和の配当によって極東の経済成長が世界の注目を集めるようになったは、波に乗れない国もある。
その一つが、冷戦終結で完全に取り残された大韓民国だった。
1994年にはとうとう日本も朝鮮との国交を樹立した事で完全に世界から取り残された韓国はその立地もあって経済発展から取り残され、貧困に喘ぐ漁民らは海賊となって黄海や対馬海峡を往来する船舶を襲撃するようになる。
日本は再軍備の後、海軍が外洋での任務に専念する米軍補完部隊となった事から、米国の沿岸警備隊に倣い海上保安局を創設し、沿岸警備や漁業権益保護に当たる事となった。
ちょうど、その任務は掃討艦が行っていたものであったことから、奄美型や沙弥型といった小型掃討艦が海上保安局へと移管され、組織はその後に拡大して海上保安庁として海軍から離れて活動するようになっていった。
米軍組織の一部と化した海軍とは別に、日本国政府の機関として1970年代に結ばれた太平洋安保憲章加盟国の海上警察や海事機関との連携や技術指導、共同活動などに従事していたが、この海賊対処で初心に返って沿岸警備艦船の充実を図るようになったらしい。
こうして、軍での運用がめっきりなくなっていた57ミリ自動速射砲が再浮上し、海上保安庁警備艦への搭載が行われるようになる。
そんな冷戦崩壊後の中国では、マンチュリア独立を好機と併合を訴える勢力と共存を主張する勢力が対立し、当初は国際社会への復帰を目指す共存派が政権を担う事で緩やかながら、欧米との貿易が再会されるようになったが、1997年の香港返還を機に併合派の声が大きくなり、マンチュリアとの貿易で潤う北部と貧しいままの南部の対立が表面化し、併合派は香港に続いて台湾の併合を訴えて軍事恫喝にまで至り、こうした行動のために再び国際社会からの孤立を招くこととなってしまった。この事が決定打となって併合派と共存派は武力闘争に至り、中国大陸はそれぞれの派閥が入り乱れた内戦状態へと突入してしまう。
影響を恐れたマンチュリアも国境へと軍を配置した事が併合派を刺激してしまい、マンチュリアも国境紛争を抱え込むことになってしまった。
この事態に再び東シナ海での海賊まで横行しだし、海上保安庁はより大きな1500トンクラスの警備艦の配備もはじめ、縮小傾向だった軍、海保は再び拡大方向へと転換していくことになった。
2003年には懸案だった大韓民国が朝鮮へと吸収、併合され半島が統一されることになったが、朝鮮が工作の為に行っていた南部での東西差別や済州島差別の扇動が悪い方向に作用してしまい、一向に治安が安定せず、「統一による明るい未来」には程遠い状況に陥っている。
さらに悪い事に、マンチュリアはロシアが自国の都合でダルニー港の使用を左右することで安全が阻害されていると訴え、ロシアとの間にも問題を抱えることになった。その頃は欧州において、ソ連崩壊後も分離独立が認められなかったウクライナやベラルーシでの人権問題が提起されて欧米とロシアの関係が悪化していた。
朝鮮においても穏健な指導者であった金正日が2011年に亡くなり、欧米との協調を重視する金正男とロシア優先の金日恩の対立による政情不安から朝鮮と西側との関係まで悪化、2014年にはロシアによって「ダルニー地域とは遼東半島全てである」という一方的な通告のもと、遼東半島は広範囲に渡ってロシア軍によって占領され、親ロ派金日恩の協力もあってダルニーから朝鮮領新義州までの回廊が構築されることとなった。
更に2018年には日恩による正男暗殺事件もあり満朝関係は破綻し、マンチュリアはロシア朝鮮と敵対する道を選び事態は緊迫化、2022年にはザバイカリスクから侵攻したロシア軍によってフルンボイルまで攻め込まれ、東部でもハンカ湖周辺から侵攻が行われ「21世紀のノモンハン事件」と称される戦争が今も続いている。
当然だが、こうなっては南樺太や千島への最大限の警戒も必要になっているので日本までが警戒態勢に入っている始末だ。
アッチの世界では遠い地域の話しだったが、こっちでは東欧ではなく極東で戦争が繰り広げられている。
バタフライ効果なんてチャチナもんじゃ断じてねぇ、もっと恐ろしい修正力の影響に打ちひしがれちまってるぜ・・・・・・
その頃はソ連太平洋艦隊の一大拠点が遼東半島に完成したと言うくらいしか大きな話題はない。
おっと、大きな話があったな。
ソ連がマンチュリア共和国を自国領とした事から中国共産党は戦力取得に苦労し、国民党を台湾へと追いやり中華人民共和国を建国したのが1955年の事となっている。当然、満足な支援もしないソ連との関係は当初から険悪であり、独自路線を歩むことになったのは仕方がない。
そして、史実と大きく異なるのは、大韓民国が非常に小さな国という事もあって、ベトナム戦争に日本軍が派兵される事となり、この頃から急速に東南アジアとの関係が改善と対立に二極化していく。
当然だが中国共産党は激しく対日批判を行うが、対して台湾や東南アジアの多くは容認の方向であった。そして朝鮮も反日姿勢を表明するのだが、言葉とは裏腹に経済関係でのつながりが深化しており、内情は言葉とは裏腹だった。大韓民国は言葉と行動が一致した反日国家である。
ベトナム戦争も末期、米国は中国との国交樹立へと動くが、ベトナム参戦によって日中関係は進展せず時が過ぎてゆく。そして、1985年にようやく国交樹立が成ったが、様々な条件付きの話であり、外交儀礼上の国交と言った方が正確な情勢だった。
そして、それからわずか4年後、天安門事件によって中国は西側の経済制裁を受ける様になり、その直後にソ連崩壊に伴ってマンチュリア共和国が分離独立し、制裁対象である中国に代わる一大進出先として欧米がこぞって進出していく。
それを見た朝鮮も改革開放を掲げて欧米を招き入れ、マンチュリアと朝鮮に広がる重工業地帯が西側経済へと組み入れられる事となった。
ただ、軍事拠点であるダルニー地域はソ連からの分離独立に際してロシアの飛び地とされ、最大の貿易港であるダルニー港もロシアが管理する事になる。
こうしてポスト冷戦体制が完成すると、日本でも史実自衛隊の3倍近くに達した日本軍の軍縮が叫ばれ、32万人であった陸軍は半分の16万人にまで削減する事が決まり、海軍もとうとう大戦を生き残った超巡洋艦耳成や重巡洋艦伊吹を退役させることとなった。
そうして浮いた予算を国土開発へと回し、遅れていた国土開発がようやく始まり、自動車通行が困難な峠道や船でしか往来できなかった孤立集落の問題が解決へと向かう。史実では60年代の高度経済成長期に着手していたような事業だが、ようやく90年代高度経済成長が始まった訳だから、30年近い時代の差があった訳だ。この世界の日本は戦後も長く戦前の延長の様な状態が各地で見られたという事になるのかな?
そうやって平和の配当によって極東の経済成長が世界の注目を集めるようになったは、波に乗れない国もある。
その一つが、冷戦終結で完全に取り残された大韓民国だった。
1994年にはとうとう日本も朝鮮との国交を樹立した事で完全に世界から取り残された韓国はその立地もあって経済発展から取り残され、貧困に喘ぐ漁民らは海賊となって黄海や対馬海峡を往来する船舶を襲撃するようになる。
日本は再軍備の後、海軍が外洋での任務に専念する米軍補完部隊となった事から、米国の沿岸警備隊に倣い海上保安局を創設し、沿岸警備や漁業権益保護に当たる事となった。
ちょうど、その任務は掃討艦が行っていたものであったことから、奄美型や沙弥型といった小型掃討艦が海上保安局へと移管され、組織はその後に拡大して海上保安庁として海軍から離れて活動するようになっていった。
米軍組織の一部と化した海軍とは別に、日本国政府の機関として1970年代に結ばれた太平洋安保憲章加盟国の海上警察や海事機関との連携や技術指導、共同活動などに従事していたが、この海賊対処で初心に返って沿岸警備艦船の充実を図るようになったらしい。
こうして、軍での運用がめっきりなくなっていた57ミリ自動速射砲が再浮上し、海上保安庁警備艦への搭載が行われるようになる。
そんな冷戦崩壊後の中国では、マンチュリア独立を好機と併合を訴える勢力と共存を主張する勢力が対立し、当初は国際社会への復帰を目指す共存派が政権を担う事で緩やかながら、欧米との貿易が再会されるようになったが、1997年の香港返還を機に併合派の声が大きくなり、マンチュリアとの貿易で潤う北部と貧しいままの南部の対立が表面化し、併合派は香港に続いて台湾の併合を訴えて軍事恫喝にまで至り、こうした行動のために再び国際社会からの孤立を招くこととなってしまった。この事が決定打となって併合派と共存派は武力闘争に至り、中国大陸はそれぞれの派閥が入り乱れた内戦状態へと突入してしまう。
影響を恐れたマンチュリアも国境へと軍を配置した事が併合派を刺激してしまい、マンチュリアも国境紛争を抱え込むことになってしまった。
この事態に再び東シナ海での海賊まで横行しだし、海上保安庁はより大きな1500トンクラスの警備艦の配備もはじめ、縮小傾向だった軍、海保は再び拡大方向へと転換していくことになった。
2003年には懸案だった大韓民国が朝鮮へと吸収、併合され半島が統一されることになったが、朝鮮が工作の為に行っていた南部での東西差別や済州島差別の扇動が悪い方向に作用してしまい、一向に治安が安定せず、「統一による明るい未来」には程遠い状況に陥っている。
さらに悪い事に、マンチュリアはロシアが自国の都合でダルニー港の使用を左右することで安全が阻害されていると訴え、ロシアとの間にも問題を抱えることになった。その頃は欧州において、ソ連崩壊後も分離独立が認められなかったウクライナやベラルーシでの人権問題が提起されて欧米とロシアの関係が悪化していた。
朝鮮においても穏健な指導者であった金正日が2011年に亡くなり、欧米との協調を重視する金正男とロシア優先の金日恩の対立による政情不安から朝鮮と西側との関係まで悪化、2014年にはロシアによって「ダルニー地域とは遼東半島全てである」という一方的な通告のもと、遼東半島は広範囲に渡ってロシア軍によって占領され、親ロ派金日恩の協力もあってダルニーから朝鮮領新義州までの回廊が構築されることとなった。
更に2018年には日恩による正男暗殺事件もあり満朝関係は破綻し、マンチュリアはロシア朝鮮と敵対する道を選び事態は緊迫化、2022年にはザバイカリスクから侵攻したロシア軍によってフルンボイルまで攻め込まれ、東部でもハンカ湖周辺から侵攻が行われ「21世紀のノモンハン事件」と称される戦争が今も続いている。
当然だが、こうなっては南樺太や千島への最大限の警戒も必要になっているので日本までが警戒態勢に入っている始末だ。
アッチの世界では遠い地域の話しだったが、こっちでは東欧ではなく極東で戦争が繰り広げられている。
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