びるどあっぷ ふり〜と!

高鉢 健太

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4・平賀デザインって事にしといてやんよw

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 さて、夕張問題と共にこの頃もう一つの問題が存在していた。



 そう、長門型の煙突である。



 後世の人々にとっては、長門と言えば一本煙突が普通の姿なのだが、完成当初は二本煙突だった。まるで金剛型のように二本の煙突が並ぶ姿など、想像するのが難しいかもしれないが、事実はそうなのだ。(まあ、金剛型はこの頃は三本煙突なんだけどね)



 だが、この煙突配置には問題があり、前方側の煙突が艦橋に近い事から排煙が艦橋に流れ込む事が問題になってしまった。



 煙突の処理と言えば高さを増して排煙経路を上へ逃がすのが一般的だが、戦艦の場合はそう簡単には問屋が卸さない。



 戦艦の交戦距離がどんどん離れていき、20kmなどと言う遠距離ともなると、普通の高さに測距儀や観測要員を配置したところでどうしようもなく、かなりの高所に配置する訳で、「煙突を高くしましょう」などと言う事は解決策にはならない。



 ならば、後ろへ向かうように煙突の開口部を後ろへと向けたら良いかというと、そんな簡単な事では解決できず、風向き次第で前へと流れてくることになる。



 結局、何をどうやっても解決が出来ずにほとほと困り果てている状態だった。



 いや、そんなの簡単やんと思わずにはいられないのだが、どうしてその簡単な解決策を誰も採用しないんだろうね?



 艦橋へと煙が流れてしまうなら、そうならない様に煙突自体を艦橋から離してしまえばよいじゃないか。簡単な話だろう?



 何も悩むような問題では無いので、その様に提案したのだが、やはりあの人が何だかんだと言って来るんだ。



「何を簡単そうに言ってるんだ?貴様は。戦艦の煙突の話をしているんだ。駆逐艦や巡洋艦と一緒にするんじゃない!」



 と言いなさる。



 では解決策を出せばよいのだが、全く解決できる見通しなく、ア~でもないコ~でも無いと時間ばかりが費やされている。



 そして、史実の芋虫煙突を提案してみたが、一笑に付されてしまった。



「貴様は品性の欠片も無いようだな。戦艦にその様な煙突が採用できるとでも思っているのか?」



 まあ、実際にその様に言ったたとされているようなので、実際に言われても、やっぱりなぁとしか思わなかった。まあ、こういう人なんだろうから。



 だが、考えてみると、この後の金剛代艦案において、藤本案はオーソドックスな三連装三基に対し、平賀案は三連装と連装の混載。

 は、問題ではなく、これだけネチネチ文句を言ってる当人が芋虫だけ煙突にしてるんやで?言ってることとやってることがここまで違うと怒りよりも呆れが出て来るんだが、どうなんだ?



 その戦艦に関しては、金剛代艦案としてロンドン条約後に英国がキングジョージ五世級に採用し、米国もノースカロライナで計画した四連装砲塔に挑戦してみたくはある。



 あれはもはやフランスの専売特許ではないんだという所を見せてみたい。



 というか、現実的な用兵を云々しているのではなく、ゲームでの実装を意識しての話ではあるんだがね。

 那珂に関しても、そこを最も意識している。溶接がどうのや復元性問題は副次的な話に過ぎない。



 で、長門型の煙突問題については中々解決策が見いだせずに迷走しているらしい。



 そこで第二弾として二本の煙突をまとめた「夕張型煙突」を提案する事にした。史実とは異なる動きである。



「問題解決として、煙突を一本とするのはどうでしょうか。下手な纏め方では品性の欠片も無く、戦艦としての格式も台無しになってしまう事から、流麗な形状をしたこの様な煙突とするのです」



 時間がかかっていただけに、古鷹や夕張の煙突形状を提案できるタイミングが巡って来た。



 まさか、自分の傑作に採用した煙突を否定する事は出来んのではないかな?自己否定になるからなぁwという流し目を向けると、不機嫌そうな顔でこちらを睨んでおられる。



 だが、他の人々からは名案だ。流石、平賀式煙突なら見栄えも悪くないと変に勘違いする意見まで出る始末、もはや否定は出来まい?批判も無理だろう?



 こうして、長門型の煙突も夕張同様に延長して1本化がなされる事と相成ったが、それでも煙の流れはまだ問題になったようで、更なる改修が生じることとなった。



「貴様はまだまだ未熟だな。巡洋艦の煙突とは一味違う、しっかり対策の取れた煙突を私が考えておこう」



 と、なんだか誇らしげな事を言って、当初考えていた様に、後の大和型煙突みたいなものが長門型に採用されることとなった。



 こうして、平賀デザインとして世の中で評価され、鼻高々としているが、提案したのは藤本さんですよ?まあ、今更反論しても譲らない事は分かり切っているのだけどね。
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