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16・おっさんは二日酔いになる
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おっさん達が遺体を収容し、周りに彩りを添えているオオカミの亡き骸を回収している頃、周辺ではハグレとの戦闘が行われていた。
雪原にはミツヨシが看破したように複数の欺瞞を含む足跡が刻まれている。
その中には、すでに昨日のうちに狩られてしまった冒険者のモノ。狩った「取り置き」を誤魔化すためにオオカミが付けた足跡。そして、罠へ誘うために残された足跡等など。更に今朝からはそれらを追う捜索隊の足跡が幾筋も付けられている。
ベテラン猟師のミツヨシはオオカミに追われた冒険者の足跡を見定めて追い、そこでおっさんのパーティは罠に嵌り、返り討ちにしていた。
この罠は他からも辿れる様になっており、当然ながら捜索隊のポーターに抜擢された者や地元冒険者の幾人かも罠へと導かれていた。
そして、その目前で突如巻き起こる吹雪。警戒するなと言う方がオカシイ。
近くに居た四つのパーティが慎重に吹雪へと迫っていると、吹雪が弱まり、駆け出してくるオオカミと遭遇した。
このオオカミはおっさんが以前討伐した群れより老獪だったが、おっさんとエミリーという想定外の難敵に過半の個体が倒された事から、残された個体は誘いの為に生かしていた「生き餌」を喰らい、当座の食料を咥えて逃走を図っていた。
一頭はおっさんが倒したが、三頭を見失っていた。
その三頭は、不運な事に吹雪を見て近づいてきたパーティの前へと躍り出てしまう事になる。
いくら老獪なオオカミとはいえ、逃げに徹しておっさんに気を取られがちだった事、吹雪の魔法は群れで範囲展開するから相乗効果で威力を持つが、単体では魔力が少なくせいぜい自らの周りに展開出来る程度と、せっかくの魔法が弱点と化してしまうのだった。
オオカミと遭遇したパーティはすでに臨戦態勢にあった事から、オオカミの方が後手に回り、吹雪を発生させる暇なくパーティにぶつかった個体は成す術なく狩られ、間合いの保てた個体も吹雪の発生が逆効果となって近接していたふたつのパーティからの攻撃で息絶えた。
狩ったオオカミの回収をしながら逃げたオオカミを探していたおっさんも吹雪を目撃したが、望遠で八人近い冒険者が取り囲んで攻撃していた事から彼らの勝利を願って帰途に就くのだった。
おっさん達がキルドに着くと、すでにいくつかのパーティが帰っており、「取り置き」の遺体を収容したパーティもあった。
おっさん達も「生き餌」にされていた遺体をキルドに引き渡し、倒した六頭の氷風狼も買い取ってもらう。
見掛けた戦闘が気になったおっさんとエミリーは酒場で他のパーティが帰還するのを待ちながら、軽く食事を済ませることにした。ミツヨシは「取り置き」にされていたのがポーターであった事から、仲間達と共に彼の家族の元へ向かって行った。
いつもとは違い、冒険者がたむろしているのに静かな酒場で居心地悪くあたりを見回しながら、ビールに似たナニカ。異世界エールと魔草のたぐいで作られたお浸しっぽい総菜を突くおっさんとエミリーは、ギルドの動向にばかり意識を向けている。自分が飲んでいる飲み物が何であるかには意識が向いていないので、苦手なエールの味も分からず飲み進めていたほどだ。
しばらくすると二組のパーティが帰還し、共同してオオカミを一頭討伐したと告げた。
おっさんは気になっていたパーティの帰還にホッと胸をなでおろす。
それから日暮れまでの間、捜索に参加していたパーティが次々と帰還し、更に二頭の氷風狼が討伐されている事を知る。
捜索隊がもたらしたものは、討伐した氷風狼が九頭、遺体の収容が四遺体だった。
まだ行方不明の冒険者が居るが、捜索は翌日に持ち越され、おっさんをはじめ氷風狼を狩ったパーティから金を出し合い、弔いという名目の宴会が始まった。
翌日の朝、おっさんは最悪の目覚めを迎えることになってしまった。
「頭が痛い・・・・・・」
まだ空が白みだしたばかり、景色はほぼツートンカラーである。もう少し明るくなると濃淡だけではなく、それぞれが色を主張しだすのだが、まだそこまでの明るさは得られていない。そんな、まだまだ夜といって良い時間に頭痛で起きたおっさん。完璧な二日酔いだったが、おっさん自身は自制して飲んでいるつもりであった。
自制しているつもりだったが、それ以前に昼下がりにはギルドへと帰還を果たし、無残な遺体を見た事、他の冒険者が戦う姿が気がかりだったことで、宴会以前の段階で知らず知らずに飲み過ぎていたのだが、全く自覚していなかった。
おっさんはビール系が苦手ではあるが、酒に弱い訳ではない。更に無意識の緊張から酔いも自覚できていなかった。
その結果が翌朝の頭痛である。
寝床から這い出し、日課である歯磨きをしながら、昨日の事を思い出してみるおっさんだったが、記憶は確かである。酔った自覚も無く、しっかり歯を磨いて床に就いた記憶がある。流石に普段よりもアルコールを摂取しすぎているのでサウナは入らずに眠ったが。
そもそもこのエール、地球のビールとは原料が違う。ビールやエールは麦を主原料とするのだが、領主に納める麦類が村人の手に残るはずもなく、当然ながら、麦に似たナニカを召喚者が探し出して栽培した魔種を原料に醸造している。日本のア〇ヒを意識してるのかな?というのがおっさんの感想だった。
そもそも、飲料の保存事情が悪いのは異世界ファンタジーのお約束であり、御多分に漏れず冷蔵や冷凍などと言う都合の良い魔道具を庶民が持てる環境にはない。そうなると、ワインやエールと言ったアルコール飲料を常飲する事になり、エールの製造過程から出る粕を用いて作った甘酒的な微アルコール飲料は乳幼児から大人までに人気があるソフトドリンクである。東欧のクワスを知らないおっさんには、甘酒という表現しか無理なので、少々語弊があるかもしれないが。
「ダイキさん、大丈夫ですか?」
現地人であるエミリーはあのエールを飲んでいるのにおっさんより元気である。日本では、いや多くの地球の国家においては飲酒年齢に達していないのだが、この異世界では成人であり、飲酒も許されている。(そう言えば、戦国時代も元服年齢がそのくらいなので、中高生あたりの年齢からガンガン飲酒して、二十歳そこらで病気になってる武将が居た様な?)と、不謹慎な事が頭をよぎるおっさん。
昨日はちゃんと酒量を見極めていたのはエミリーであり、自分の酒量を全く自覚していなかったのが自分だという事は全く頭にないのだから、おまいう案件なのだが。
「ああ、ちょっと飲み過ぎたらしい。今日は休みにしないか?」
おっさんは頭を押さえながらエミリーにそう告げるのだった。
雪原にはミツヨシが看破したように複数の欺瞞を含む足跡が刻まれている。
その中には、すでに昨日のうちに狩られてしまった冒険者のモノ。狩った「取り置き」を誤魔化すためにオオカミが付けた足跡。そして、罠へ誘うために残された足跡等など。更に今朝からはそれらを追う捜索隊の足跡が幾筋も付けられている。
ベテラン猟師のミツヨシはオオカミに追われた冒険者の足跡を見定めて追い、そこでおっさんのパーティは罠に嵌り、返り討ちにしていた。
この罠は他からも辿れる様になっており、当然ながら捜索隊のポーターに抜擢された者や地元冒険者の幾人かも罠へと導かれていた。
そして、その目前で突如巻き起こる吹雪。警戒するなと言う方がオカシイ。
近くに居た四つのパーティが慎重に吹雪へと迫っていると、吹雪が弱まり、駆け出してくるオオカミと遭遇した。
このオオカミはおっさんが以前討伐した群れより老獪だったが、おっさんとエミリーという想定外の難敵に過半の個体が倒された事から、残された個体は誘いの為に生かしていた「生き餌」を喰らい、当座の食料を咥えて逃走を図っていた。
一頭はおっさんが倒したが、三頭を見失っていた。
その三頭は、不運な事に吹雪を見て近づいてきたパーティの前へと躍り出てしまう事になる。
いくら老獪なオオカミとはいえ、逃げに徹しておっさんに気を取られがちだった事、吹雪の魔法は群れで範囲展開するから相乗効果で威力を持つが、単体では魔力が少なくせいぜい自らの周りに展開出来る程度と、せっかくの魔法が弱点と化してしまうのだった。
オオカミと遭遇したパーティはすでに臨戦態勢にあった事から、オオカミの方が後手に回り、吹雪を発生させる暇なくパーティにぶつかった個体は成す術なく狩られ、間合いの保てた個体も吹雪の発生が逆効果となって近接していたふたつのパーティからの攻撃で息絶えた。
狩ったオオカミの回収をしながら逃げたオオカミを探していたおっさんも吹雪を目撃したが、望遠で八人近い冒険者が取り囲んで攻撃していた事から彼らの勝利を願って帰途に就くのだった。
おっさん達がキルドに着くと、すでにいくつかのパーティが帰っており、「取り置き」の遺体を収容したパーティもあった。
おっさん達も「生き餌」にされていた遺体をキルドに引き渡し、倒した六頭の氷風狼も買い取ってもらう。
見掛けた戦闘が気になったおっさんとエミリーは酒場で他のパーティが帰還するのを待ちながら、軽く食事を済ませることにした。ミツヨシは「取り置き」にされていたのがポーターであった事から、仲間達と共に彼の家族の元へ向かって行った。
いつもとは違い、冒険者がたむろしているのに静かな酒場で居心地悪くあたりを見回しながら、ビールに似たナニカ。異世界エールと魔草のたぐいで作られたお浸しっぽい総菜を突くおっさんとエミリーは、ギルドの動向にばかり意識を向けている。自分が飲んでいる飲み物が何であるかには意識が向いていないので、苦手なエールの味も分からず飲み進めていたほどだ。
しばらくすると二組のパーティが帰還し、共同してオオカミを一頭討伐したと告げた。
おっさんは気になっていたパーティの帰還にホッと胸をなでおろす。
それから日暮れまでの間、捜索に参加していたパーティが次々と帰還し、更に二頭の氷風狼が討伐されている事を知る。
捜索隊がもたらしたものは、討伐した氷風狼が九頭、遺体の収容が四遺体だった。
まだ行方不明の冒険者が居るが、捜索は翌日に持ち越され、おっさんをはじめ氷風狼を狩ったパーティから金を出し合い、弔いという名目の宴会が始まった。
翌日の朝、おっさんは最悪の目覚めを迎えることになってしまった。
「頭が痛い・・・・・・」
まだ空が白みだしたばかり、景色はほぼツートンカラーである。もう少し明るくなると濃淡だけではなく、それぞれが色を主張しだすのだが、まだそこまでの明るさは得られていない。そんな、まだまだ夜といって良い時間に頭痛で起きたおっさん。完璧な二日酔いだったが、おっさん自身は自制して飲んでいるつもりであった。
自制しているつもりだったが、それ以前に昼下がりにはギルドへと帰還を果たし、無残な遺体を見た事、他の冒険者が戦う姿が気がかりだったことで、宴会以前の段階で知らず知らずに飲み過ぎていたのだが、全く自覚していなかった。
おっさんはビール系が苦手ではあるが、酒に弱い訳ではない。更に無意識の緊張から酔いも自覚できていなかった。
その結果が翌朝の頭痛である。
寝床から這い出し、日課である歯磨きをしながら、昨日の事を思い出してみるおっさんだったが、記憶は確かである。酔った自覚も無く、しっかり歯を磨いて床に就いた記憶がある。流石に普段よりもアルコールを摂取しすぎているのでサウナは入らずに眠ったが。
そもそもこのエール、地球のビールとは原料が違う。ビールやエールは麦を主原料とするのだが、領主に納める麦類が村人の手に残るはずもなく、当然ながら、麦に似たナニカを召喚者が探し出して栽培した魔種を原料に醸造している。日本のア〇ヒを意識してるのかな?というのがおっさんの感想だった。
そもそも、飲料の保存事情が悪いのは異世界ファンタジーのお約束であり、御多分に漏れず冷蔵や冷凍などと言う都合の良い魔道具を庶民が持てる環境にはない。そうなると、ワインやエールと言ったアルコール飲料を常飲する事になり、エールの製造過程から出る粕を用いて作った甘酒的な微アルコール飲料は乳幼児から大人までに人気があるソフトドリンクである。東欧のクワスを知らないおっさんには、甘酒という表現しか無理なので、少々語弊があるかもしれないが。
「ダイキさん、大丈夫ですか?」
現地人であるエミリーはあのエールを飲んでいるのにおっさんより元気である。日本では、いや多くの地球の国家においては飲酒年齢に達していないのだが、この異世界では成人であり、飲酒も許されている。(そう言えば、戦国時代も元服年齢がそのくらいなので、中高生あたりの年齢からガンガン飲酒して、二十歳そこらで病気になってる武将が居た様な?)と、不謹慎な事が頭をよぎるおっさん。
昨日はちゃんと酒量を見極めていたのはエミリーであり、自分の酒量を全く自覚していなかったのが自分だという事は全く頭にないのだから、おまいう案件なのだが。
「ああ、ちょっと飲み過ぎたらしい。今日は休みにしないか?」
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