9 / 80
9・おっさんは気を引き締める
しおりを挟む
村に到着し、ギルドへと入ると、早速氷風狼に襲われたことを告げる。
「なんだと!よく無事だったな」
受付に居た中年にそう驚かれたが、さらに倒したと告げるとより驚かれることになった。
「倒した?そうか、ハグレだったのか。それにしたって倒せたのは幸運だったな!」
そう笑う中年受付に促されて買取カウンターへと向かったおっさんは、巾着袋から六頭のオオカミを取り出した。
「・・・・・・」
受付は口を開けたまま固まってしまう。そこへ何事かと異変に気付いた他の職員や冒険者もやってきてさらに騒ぎが拡大した。
「ふたりで倒したのか?群れだったんだろ?」
と、いかにも冒険者と言った風体の巨漢がエミリーに問いかける。
「いえ、倒したのはダイキさんひとりです。魔弓の使い手なので、ほぼ一方的に・・・・・・」
そう言っておっさんに助けを求めるような視線を送るエミリーだったが、おっさんもどう答えて良いやら分からなかった。
「いやぁ、凄いね!最近の失踪騒ぎの原因、こいつ等かも知れないね!!」
という女冒険者の言葉で場が息をのむのが分かった。
「おい、待てよ。って事は、これまでずっと増援の冒険者が来てないのって、お前・・・・・・」
事態はおっさんの予想外の方向へと向かって行く。
この辺りで雪が降り始めた20日ほど前、おっさんが王都でカメを探していた頃の話し、この村では畑仕事をしていた農民が忽然と消える時間が発生していた。
それから数日のうちに局地的な吹雪を複数の村人や冒険者が目撃した事から、氷風狼の襲来が予想され、急いで東征村へと増援依頼が出されることとなった。
氷風狼の襲来ともなれば村に在住する冒険者だけでは手が足りず、多くの冒険者を必要とするのが常識だからだ。
増援依頼を届けた事は確認されたが、それ以後冒険者はこの村へは僅か3パーティしか訪れていない。依頼を出したのだから、その倍は来ていないとおかしいのだが、この5日程度はパッタリ誰も来なくなったという。
「村の周辺は巡回してたんだが、最近のオオカミの痕跡も辿れなくなっていてな、そうか、街道で待ち伏せしていやがったのか・・・・・・」
思いもよらない事態に困惑したおっさんだったが、冒険者やギルド職員の切り替えは早かった。
「よし、まずは懸念された氷風狼の群れは片付いたんだ、今日はパッとやろうじゃないか!!」
そう言ってオオカミの討伐報酬から勝手に銀貨を抜いて、隣接する酒場へと走り出す中年受付。
「悪いな。ここじゃあ、祝い事には先ずはきっかけになった奴が金を出すんだよ」
と、おっさんの肩を叩く狩人風な若者。
「ようし、お前ら、弔いだ!」
と、酒で満たされた小樽を手に宣言する中年受付の言葉をきっかけに、酒場へとゾロゾロ向かう冒険者たちだった。
ギルド飯はそれぞれの地域性が現れており、東征村もヤギではなくウサギ中心のメニューだった。この村の場合は、淡白な肉にそれに合わせて香草で作られたバジルソース的なモノで味付されたものが中心らしく、おっさんが何の肉か尋ねるとシカの魔物だと返答があった。さらに林が近いので木の実も多く、王都よりもレパートリー豊富なことに驚くほどだった。
そして翌日からおっさんも村の巡回に参加する事になった。
朝が遅いおっさんだが、ここではそんなことは言っていられない。そもそも、王都の様に照明油なども潤沢ではないので、だいたい夕方の3時や4時くらいの頃合いには酒盛りを始める奴が出始め、日が沈んでしばらく経った7時前後頃には散会するのがこの村での日常であるらしい。
その為、いくら夜が遅いおっさんといえど、空が白みだす6時前には目が覚めることになる。村には宿の様な贅沢なものはなく、冒険者はギルドが用意する宿舎の様なモノで寝泊まりし、一応宿の形態をとっているのでギルドに一定の宿泊料を支払う事になる。
そんな粗末な建物なのだから、早く寝れば朝方には誰かが起き出した物音で目が覚め、廊下を歩く音がすれば自然と続いていくようになる。
「おう、新入りも来たか」
誰とはなしにそう声を掛けられ、エミリーを探せば女性陣と何やら話をしているのを見つける。そのままそちらについて行くのだろうと準備をしていると
「ダイキさん、おはようございます」
とやって来るエミリー。おっさんはあのままついて行けば良いのにと思ったが、さすがに口には出さなかった。
そして、おっさんとエミリーは二人だけで氷風狼を倒したことから、案内役のポーターを付けられたのみで巡回を行う事になった。
おっさんからすれば案内役が居るのは良いが、さすがに買いかぶり過ぎではないのかと不安の方が先立っていた。
村の冒険者たちからすれば、六頭を倒したことは英雄にも匹敵する快挙なのだが、おっさんは連射と速射の組み合わせを完成させない限り、次は上手くいかないだろうと危惧していたからだ。
そして、自分だけが熱感知を使えるという状況も不安だった。出来ればエミリーにも覚えてもらって近接戦闘で助けてもらえないかなどと勝手なことも考えている。
ポーターの説明によると、この辺りは林が点在しており魔物の数も多いらしく、シカの魔物がよく畑を荒らしに来るという。
村では村人や冒険者用に魔草系作物も多く栽培しており、それが狙いと思われていたが、実は年貢用の麦も被害に遭っているという。
おっさんは雪が積もる冬なのにと疑問に思ったが、雪の下ではすでに麦が芽吹いているらしい。それを貪りに来るという話だった。
「そして、そいつらを狙う狼の類もやって来る。氷風狼はその時に人間を襲って味をしめたんだと思う」
と、まるで日本の熊みたいな話をするポーター。
「おっさんと姉ちゃんは魔力も高いだろ?だから狙われたんだ。こういう時に村にやって来る冒険者はだいたいそうだから、村じゃなくて街道で待ち伏せしてたんだろうな」
というポーター。
それを聞いてより一層不安になるおっさん。
この辺りのオオカミは群れで狩りをするので、おっさんは更なる速射が必要だと気を引き締める。
そんなおっさんの不安を余所に、その日は巡回コースの案内と状況説明だけで日が暮れていった。気の早い者はおっさんが討伐した六頭で危機は去ったという認識の者もいたほどだ。
「なんだと!よく無事だったな」
受付に居た中年にそう驚かれたが、さらに倒したと告げるとより驚かれることになった。
「倒した?そうか、ハグレだったのか。それにしたって倒せたのは幸運だったな!」
そう笑う中年受付に促されて買取カウンターへと向かったおっさんは、巾着袋から六頭のオオカミを取り出した。
「・・・・・・」
受付は口を開けたまま固まってしまう。そこへ何事かと異変に気付いた他の職員や冒険者もやってきてさらに騒ぎが拡大した。
「ふたりで倒したのか?群れだったんだろ?」
と、いかにも冒険者と言った風体の巨漢がエミリーに問いかける。
「いえ、倒したのはダイキさんひとりです。魔弓の使い手なので、ほぼ一方的に・・・・・・」
そう言っておっさんに助けを求めるような視線を送るエミリーだったが、おっさんもどう答えて良いやら分からなかった。
「いやぁ、凄いね!最近の失踪騒ぎの原因、こいつ等かも知れないね!!」
という女冒険者の言葉で場が息をのむのが分かった。
「おい、待てよ。って事は、これまでずっと増援の冒険者が来てないのって、お前・・・・・・」
事態はおっさんの予想外の方向へと向かって行く。
この辺りで雪が降り始めた20日ほど前、おっさんが王都でカメを探していた頃の話し、この村では畑仕事をしていた農民が忽然と消える時間が発生していた。
それから数日のうちに局地的な吹雪を複数の村人や冒険者が目撃した事から、氷風狼の襲来が予想され、急いで東征村へと増援依頼が出されることとなった。
氷風狼の襲来ともなれば村に在住する冒険者だけでは手が足りず、多くの冒険者を必要とするのが常識だからだ。
増援依頼を届けた事は確認されたが、それ以後冒険者はこの村へは僅か3パーティしか訪れていない。依頼を出したのだから、その倍は来ていないとおかしいのだが、この5日程度はパッタリ誰も来なくなったという。
「村の周辺は巡回してたんだが、最近のオオカミの痕跡も辿れなくなっていてな、そうか、街道で待ち伏せしていやがったのか・・・・・・」
思いもよらない事態に困惑したおっさんだったが、冒険者やギルド職員の切り替えは早かった。
「よし、まずは懸念された氷風狼の群れは片付いたんだ、今日はパッとやろうじゃないか!!」
そう言ってオオカミの討伐報酬から勝手に銀貨を抜いて、隣接する酒場へと走り出す中年受付。
「悪いな。ここじゃあ、祝い事には先ずはきっかけになった奴が金を出すんだよ」
と、おっさんの肩を叩く狩人風な若者。
「ようし、お前ら、弔いだ!」
と、酒で満たされた小樽を手に宣言する中年受付の言葉をきっかけに、酒場へとゾロゾロ向かう冒険者たちだった。
ギルド飯はそれぞれの地域性が現れており、東征村もヤギではなくウサギ中心のメニューだった。この村の場合は、淡白な肉にそれに合わせて香草で作られたバジルソース的なモノで味付されたものが中心らしく、おっさんが何の肉か尋ねるとシカの魔物だと返答があった。さらに林が近いので木の実も多く、王都よりもレパートリー豊富なことに驚くほどだった。
そして翌日からおっさんも村の巡回に参加する事になった。
朝が遅いおっさんだが、ここではそんなことは言っていられない。そもそも、王都の様に照明油なども潤沢ではないので、だいたい夕方の3時や4時くらいの頃合いには酒盛りを始める奴が出始め、日が沈んでしばらく経った7時前後頃には散会するのがこの村での日常であるらしい。
その為、いくら夜が遅いおっさんといえど、空が白みだす6時前には目が覚めることになる。村には宿の様な贅沢なものはなく、冒険者はギルドが用意する宿舎の様なモノで寝泊まりし、一応宿の形態をとっているのでギルドに一定の宿泊料を支払う事になる。
そんな粗末な建物なのだから、早く寝れば朝方には誰かが起き出した物音で目が覚め、廊下を歩く音がすれば自然と続いていくようになる。
「おう、新入りも来たか」
誰とはなしにそう声を掛けられ、エミリーを探せば女性陣と何やら話をしているのを見つける。そのままそちらについて行くのだろうと準備をしていると
「ダイキさん、おはようございます」
とやって来るエミリー。おっさんはあのままついて行けば良いのにと思ったが、さすがに口には出さなかった。
そして、おっさんとエミリーは二人だけで氷風狼を倒したことから、案内役のポーターを付けられたのみで巡回を行う事になった。
おっさんからすれば案内役が居るのは良いが、さすがに買いかぶり過ぎではないのかと不安の方が先立っていた。
村の冒険者たちからすれば、六頭を倒したことは英雄にも匹敵する快挙なのだが、おっさんは連射と速射の組み合わせを完成させない限り、次は上手くいかないだろうと危惧していたからだ。
そして、自分だけが熱感知を使えるという状況も不安だった。出来ればエミリーにも覚えてもらって近接戦闘で助けてもらえないかなどと勝手なことも考えている。
ポーターの説明によると、この辺りは林が点在しており魔物の数も多いらしく、シカの魔物がよく畑を荒らしに来るという。
村では村人や冒険者用に魔草系作物も多く栽培しており、それが狙いと思われていたが、実は年貢用の麦も被害に遭っているという。
おっさんは雪が積もる冬なのにと疑問に思ったが、雪の下ではすでに麦が芽吹いているらしい。それを貪りに来るという話だった。
「そして、そいつらを狙う狼の類もやって来る。氷風狼はその時に人間を襲って味をしめたんだと思う」
と、まるで日本の熊みたいな話をするポーター。
「おっさんと姉ちゃんは魔力も高いだろ?だから狙われたんだ。こういう時に村にやって来る冒険者はだいたいそうだから、村じゃなくて街道で待ち伏せしてたんだろうな」
というポーター。
それを聞いてより一層不安になるおっさん。
この辺りのオオカミは群れで狩りをするので、おっさんは更なる速射が必要だと気を引き締める。
そんなおっさんの不安を余所に、その日は巡回コースの案内と状況説明だけで日が暮れていった。気の早い者はおっさんが討伐した六頭で危機は去ったという認識の者もいたほどだ。
1,289
お気に入りに追加
1,898
あなたにおすすめの小説

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる