三賢人の日本史

高鉢 健太

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***03-07-11

 大道芸はボールや小道具を使ったジャグリングから、いよいよ大掛かりな見せ物に移ろうとしていた。

「わー、アシュレイお兄ちゃん、すごいんだよー!」

 食い入るように前列で見ていたミリーが解説してくれた。

「ブワーッと炎が上がって、そしたら帽子の中から、鳩さんがいっぱい出てきたんだー」
「……へー? 意外と上手だったわね。でも、この手品の仕掛けはきっと……ふふーん」

 レイチェルは少し口角を上げて微笑みながら、ピエロに敬意を評してるつもりらしいが、どうみても『手品の種ごとき、とっくに分かってる』という、上から目線な態度がアリアリだ。

 その肝心の道化(ピエロ)の姿も、かなりのド派手である。

 ウィッグであろう真っ赤なタテガミのような長髪に、右眼には✖️の印、左眼にも●の印と不自然に光るモノクルが掛けられている。

「あり?」

 と、ふと、その右眼に俺は違和感を感じたがそれ以上、深く考える前にピエロは動き出す。

「いよいよ、お次は最後のお題! 空中浮遊でーす! さぁ、この中でお空に浮いてみたい勇気ある男の子女の子はいるかな~?」

 ザワザワと誰もが互いに隣同士、見合ってつい牽制し合うその一瞬に、1人の女の子が飛び出す。

「はーい! アタシがやりまーす!」


⭐︎⭐︎⭐︎
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