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ダブルプレゼント
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僕は今すごく悩んでいた。
遊園地に行った後からは、特になにか大きな出来事があった訳でもなく平和にのんびり過ごしていたんだけど、ふとカレンダーを見て僕は背中に冷や汗をかいた。
「…そうだった…。」
最近色んなことが起こりすぎてすっかり忘れてしまっていたけれど、今月は時くんの誕生日だった…。
「プレゼント買わないと。」
僕は慌ててスマホを開いて、光成くんに放課後ショッピングに付き合って欲しいってメッセージを送った。
『了解っ!何か欲しいものでもあるのか?』
『時くんの誕生日プレゼント探し手伝って欲しい。時くんと柴くんには内緒にしてね。』
『朔間さんは分かるけど、なんで柴さんまで?』
『柴くん意外と口軽いから…。』
『わかる~。』
光成くんとやり取りしながら何を買うか頭を悩ませる。
教室のカレンダーをもう一度確認してみるけどやっぱりもうすぐ時くんの誕生日だ。
机にぐでーっと体を投げ出してうんうん唸ると周りにいたクラスメイトが若干引き気味に僕から離れていく。
相変わらずクラスメイトとは打ち解けられていないけど、正直諦めている。それに、時くん達と一緒に居るからなのか怖がって皆近寄ろうともしてこないんだよね。
時くんはお洒落さんだからアクセサリー類をプレゼントするのがいいかな…。
それとももっと違うものがいいのかな…。
人にプレゼントを送った試しがなくて困る。
結局放課後になるまで僕は頭を悩ませ続けた。
時くんに今日は光成くんと寄りたいところがあるって連絡を入れたら家にいるって連絡が来たから、早めに帰るねって返信して、光成くんと合流した。
「どんなの買うとか決めてるのか?」
「うーん…アクセサリーがいいかなあとは思ってるけど…。」
「指輪はやめてくれよ。」
「なんで?」
「殴られたら痛え。」
光成くんが真面目な顔でそう言ってきたから、思わず笑ってしまう。
「本気でやめろよ?本気だぞ?わかったか?」
「わかったよ。指輪意外にする。」
それに指輪あげるのってなんか恥ずかしいし…。
「俺オススメのショップあるからそこ行ってみる?」
「うんっ!」
僕じゃ絶対そういうの分かんないから光成くんが居てくれて本当に助かる。
こういうときに頼れる人がいるのって心強いなあ。
「そういや朔間さんって誕生日いつ?」
「12月24日だよ~。」
「え!?クリスマスじゃん。」
「…そう言われてみればそうかも。」
「プレゼント2つ買う?」
「うーん…沢山あげても時くん喜ばなさそうだから1つに絞るかも。」
「そっかっ。」
光成くんに案内されてショップに着くと、恐る恐るその中へと足を踏み入れた。
沢山のキラキラしたアクセサリー類が置かれたそこは、基本的にメンズ用の物を取り扱っているのか、かなりゴツめの物まで何でも揃っている感じだ。
シルバーアクセサリーの並ぶコーナーを見ながら、かっこいいって心の中で呟く。
どれもこれも時くんになら似合いそうで、どうするか悩んでしまう。
「何かお探しですか?」
「…あ…えっと…誕生日プレゼントを…。」
店員さんに話しかけられてたどたどしく伝えると、オススメのものを何点か紹介してくれたけれど、ピンと来るものがなくてますます頭を悩ませた。
遊園地に行った後からは、特になにか大きな出来事があった訳でもなく平和にのんびり過ごしていたんだけど、ふとカレンダーを見て僕は背中に冷や汗をかいた。
「…そうだった…。」
最近色んなことが起こりすぎてすっかり忘れてしまっていたけれど、今月は時くんの誕生日だった…。
「プレゼント買わないと。」
僕は慌ててスマホを開いて、光成くんに放課後ショッピングに付き合って欲しいってメッセージを送った。
『了解っ!何か欲しいものでもあるのか?』
『時くんの誕生日プレゼント探し手伝って欲しい。時くんと柴くんには内緒にしてね。』
『朔間さんは分かるけど、なんで柴さんまで?』
『柴くん意外と口軽いから…。』
『わかる~。』
光成くんとやり取りしながら何を買うか頭を悩ませる。
教室のカレンダーをもう一度確認してみるけどやっぱりもうすぐ時くんの誕生日だ。
机にぐでーっと体を投げ出してうんうん唸ると周りにいたクラスメイトが若干引き気味に僕から離れていく。
相変わらずクラスメイトとは打ち解けられていないけど、正直諦めている。それに、時くん達と一緒に居るからなのか怖がって皆近寄ろうともしてこないんだよね。
時くんはお洒落さんだからアクセサリー類をプレゼントするのがいいかな…。
それとももっと違うものがいいのかな…。
人にプレゼントを送った試しがなくて困る。
結局放課後になるまで僕は頭を悩ませ続けた。
時くんに今日は光成くんと寄りたいところがあるって連絡を入れたら家にいるって連絡が来たから、早めに帰るねって返信して、光成くんと合流した。
「どんなの買うとか決めてるのか?」
「うーん…アクセサリーがいいかなあとは思ってるけど…。」
「指輪はやめてくれよ。」
「なんで?」
「殴られたら痛え。」
光成くんが真面目な顔でそう言ってきたから、思わず笑ってしまう。
「本気でやめろよ?本気だぞ?わかったか?」
「わかったよ。指輪意外にする。」
それに指輪あげるのってなんか恥ずかしいし…。
「俺オススメのショップあるからそこ行ってみる?」
「うんっ!」
僕じゃ絶対そういうの分かんないから光成くんが居てくれて本当に助かる。
こういうときに頼れる人がいるのって心強いなあ。
「そういや朔間さんって誕生日いつ?」
「12月24日だよ~。」
「え!?クリスマスじゃん。」
「…そう言われてみればそうかも。」
「プレゼント2つ買う?」
「うーん…沢山あげても時くん喜ばなさそうだから1つに絞るかも。」
「そっかっ。」
光成くんに案内されてショップに着くと、恐る恐るその中へと足を踏み入れた。
沢山のキラキラしたアクセサリー類が置かれたそこは、基本的にメンズ用の物を取り扱っているのか、かなりゴツめの物まで何でも揃っている感じだ。
シルバーアクセサリーの並ぶコーナーを見ながら、かっこいいって心の中で呟く。
どれもこれも時くんになら似合いそうで、どうするか悩んでしまう。
「何かお探しですか?」
「…あ…えっと…誕生日プレゼントを…。」
店員さんに話しかけられてたどたどしく伝えると、オススメのものを何点か紹介してくれたけれど、ピンと来るものがなくてますます頭を悩ませた。
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