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捜索と贈物
10.
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お風呂で散々エッチをして、2人1緒にベッドへと入った。
夜中に少しのもの悲しさを感じて目を開けると、横にいるはずのイズが居なくなっていてベッドから跳ね起きる。寝室を出ると、俺がグッズを置いていた部屋の明かりが着いていることに気がついて忍び足で近づいてみた。
隙間から中を覗くと、丸まっている小さな背が目につく。
必死に手を動かして何かを紙に書き殴っているイズは、集中しているのか俺が見ていることには全然気がついていないみたいだ。時折、俺がプレゼントしたギターを手に取って、音を鳴らさずにコードを確認しては紙にペンを走らせるを繰り返している。
バレないように扉から離れると、寝室に戻って温もりの消えたベッドへと潜りこんだ。
曲を作っているんだと分かっている。でも、それを気づきたくなかった自分もいて、なんだか複雑な心境だった。
毎日が幸せでたまらないけれど、ふとした瞬間に見せるイズの悲しげな顔やギターを手に取った時の嬉しそうな顔を見ると、このままここに閉じ込めていていいのか分からなくなることもあるんだ。
俺はイズの幸せを勝手に願っている。だからこそ、今この瞬間、イズは本当の意味で幸せなのかな?って自分に問いかけてしまう。
俺はどうしたいんだろうって問いかけてみても、手離したくないっていう気持ちの方が大きいことは分かりきっていて、なにも言わずに傍にいてくれているイズに結局甘えてしまっている。
彼を閉じ込めたい訳では無いんだ。心を縛って自分だけのものに出来たらいいと思うことはあるけれど、自由を制限するつもりなんてなかった。
結果的に制限してしまっていることに少し罪悪感を感じ始めている。
俺は何かを間違えているのかな……。ただイズに会いたかっただけなんだ。イズと話したかった。触れて、白い肌に吸い付いて、愛を伝えたかっただけ。
(……寝てしまおう)
考えを振り払うように固く目を閉じる。耳を澄ませば、イズが作業をしている音が聴こえてこないかな、なんて思うけれど部屋が離れているせいか、音は1つとして聴こえては来なかった
夜中に少しのもの悲しさを感じて目を開けると、横にいるはずのイズが居なくなっていてベッドから跳ね起きる。寝室を出ると、俺がグッズを置いていた部屋の明かりが着いていることに気がついて忍び足で近づいてみた。
隙間から中を覗くと、丸まっている小さな背が目につく。
必死に手を動かして何かを紙に書き殴っているイズは、集中しているのか俺が見ていることには全然気がついていないみたいだ。時折、俺がプレゼントしたギターを手に取って、音を鳴らさずにコードを確認しては紙にペンを走らせるを繰り返している。
バレないように扉から離れると、寝室に戻って温もりの消えたベッドへと潜りこんだ。
曲を作っているんだと分かっている。でも、それを気づきたくなかった自分もいて、なんだか複雑な心境だった。
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俺はイズの幸せを勝手に願っている。だからこそ、今この瞬間、イズは本当の意味で幸せなのかな?って自分に問いかけてしまう。
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彼を閉じ込めたい訳では無いんだ。心を縛って自分だけのものに出来たらいいと思うことはあるけれど、自由を制限するつもりなんてなかった。
結果的に制限してしまっていることに少し罪悪感を感じ始めている。
俺は何かを間違えているのかな……。ただイズに会いたかっただけなんだ。イズと話したかった。触れて、白い肌に吸い付いて、愛を伝えたかっただけ。
(……寝てしまおう)
考えを振り払うように固く目を閉じる。耳を澄ませば、イズが作業をしている音が聴こえてこないかな、なんて思うけれど部屋が離れているせいか、音は1つとして聴こえては来なかった
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最高に気持ち悪くて変態な純愛ですね(*´艸`*)笑
この温度差 書いてて楽しそうだなぁ〜って思いながら読む私もどうかとは思うけど イズと護くんの温度差が激しいのに一周まわって足並み揃ってるの凄い好きです 笑
感想ありがとうございます✨🥰
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なんだかんだ受け入れるイズと言いなりに見えて意外と好き勝手してる護の掛け合いは書いててとても楽しいです♡
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感想ありがとうございます(*´艸`)ふふっ
この気持ち悪さはまだまだ序の口よ‼️♥️
書く時は攻めは自分だと思って書いている節があるかもꉂꉂ(ˊᗜˋ*)つまり私の来世はパスタ……?(錯乱)
感想ありがとうございます❣️
オタクの愛は深いってやつですね(*´艸`)
こういう攻めすごく好きなので、受け入れてもらえて嬉しいです♥