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成人編
恋人になってくれる?①
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魔王城に着くと、アランとザイン、ベアトリスとルキが出迎えてくれる。数日しか離れていなかったはずなのに、やけに懐かしく感じてしまう。もう会うことはできないと思っていたからかもしれない。
「おー、帰ってきたなー」
「ふんっ、家出にしてははやい帰りだ」
「ふふふ、こんなことを言っていますが、アランは心配で職も手につかなかったのですよ」
「デ、デタラメを言うな!」
いつも通りの皆の姿に、自然と満面の笑みが浮かぶ。やっぱりここ(魔王城)は温かくて、大切な唯一の居場所だ。
シームルグの背から降り、乗せてくれたことね感謝を伝えて羽根を撫でてやる。クルルっと甘えた声を発して、そのまま獣舎へと飛び立って行ったシームルグを目で追う。
「無事に帰ってこられて、安心致しました」
「ベアトリス心配かけてごめんね。皆も、ごめんなさい。勇者のことを教えてくれなかったのは、僕のことを守ってくれていたからなんだよね」
眉を垂れさせ、下手くそに笑みを浮かべる。申し訳ない気持ちと、嬉しい気持ちが半々。皆の顔を改めて見ると、次は泣きそうにもなってくる。
「もう謝るな。お前が魔王城に帰ってきてくれたことが、嬉しいのだから。皆も同じ気持ちだ」
ノクスの手が、背を撫でてくれる。皆へと視線を向ければ、頷き返してくれる。胸がいっぱいだ。いつの間にか、僕には信頼出来る友達ができていて、帰りを待ってくれている家族が居た。そして、背を撫でながら、普段は見せない微笑みを向けてくれる大好きな人の存在。
「皆、大好き」
人生で一番満開の笑顔を浮かべて、気持ちを伝えた。
僕ね、本当に幸せなんだ。心を繋げ通わせることのできる人達に出会えたことは人生最大の幸福だよ。
「部屋に戻ろう」
「うん!」
戻ろう、僕の部屋に。
皆は仕事があるからと解散し、オレオールも手入れがあるからとアランに預けた。そのため、ノクスと二人で部屋へと戻ってきた。胸いっぱいに部屋の香りを吸い込み、息を吐き出す。魔王城を飛び出したときとなにも変わらない。
「ソル、抱きしめてもよいか」
「えっ、わっ」
返事をする前に、きつく抱きしめられて、心音が跳ね上がる。一瞬で安心感が胸を覆い、まるで夢見心地な気分になった。
「……私のわがままも聞いてくれるか」
「うん、聞かせて」
いつも僕ばかりが望みを聞いてもらい、ノクスの願いを聞いたことはなかった。そを歯痒く思うこともあったから、気持ちを打ち明けてくれることがとても嬉しい。
「私と共に生きて欲しい。ソルを愛している」
「っ……うんっ、僕はノクスとずっと一緒に居るよ」
指切りの代わりに、そっとキスをする。熱情に輝く美しい瞳にずっと僕の姿を映し出していて欲しい。ベッドへと連れていかれると、そのまま押し倒されて、激しくお互いを求め合う。甘さを含む唾液を交換し合いながら、目の前の愛おしい存在をただただ感じ続けていた。
僕にとってのノクスは魔王ではない。彼はただ一人の愛する人。結局は、勇者や魔王という存在は肩書きなんだ。だから、したいことをすればいい。過ごす場所も、愛したい人も、自由に決めていいんだよね。そのことにようやく気がついた。
「寂しかった……」
「私もだ」
「ん……、大好き」
「愛している」
発せられる愛の言葉は、脳内をとろとろに溶かし、蝕んでいく。もっと欲しいと欲張りになる。
「おー、帰ってきたなー」
「ふんっ、家出にしてははやい帰りだ」
「ふふふ、こんなことを言っていますが、アランは心配で職も手につかなかったのですよ」
「デ、デタラメを言うな!」
いつも通りの皆の姿に、自然と満面の笑みが浮かぶ。やっぱりここ(魔王城)は温かくて、大切な唯一の居場所だ。
シームルグの背から降り、乗せてくれたことね感謝を伝えて羽根を撫でてやる。クルルっと甘えた声を発して、そのまま獣舎へと飛び立って行ったシームルグを目で追う。
「無事に帰ってこられて、安心致しました」
「ベアトリス心配かけてごめんね。皆も、ごめんなさい。勇者のことを教えてくれなかったのは、僕のことを守ってくれていたからなんだよね」
眉を垂れさせ、下手くそに笑みを浮かべる。申し訳ない気持ちと、嬉しい気持ちが半々。皆の顔を改めて見ると、次は泣きそうにもなってくる。
「もう謝るな。お前が魔王城に帰ってきてくれたことが、嬉しいのだから。皆も同じ気持ちだ」
ノクスの手が、背を撫でてくれる。皆へと視線を向ければ、頷き返してくれる。胸がいっぱいだ。いつの間にか、僕には信頼出来る友達ができていて、帰りを待ってくれている家族が居た。そして、背を撫でながら、普段は見せない微笑みを向けてくれる大好きな人の存在。
「皆、大好き」
人生で一番満開の笑顔を浮かべて、気持ちを伝えた。
僕ね、本当に幸せなんだ。心を繋げ通わせることのできる人達に出会えたことは人生最大の幸福だよ。
「部屋に戻ろう」
「うん!」
戻ろう、僕の部屋に。
皆は仕事があるからと解散し、オレオールも手入れがあるからとアランに預けた。そのため、ノクスと二人で部屋へと戻ってきた。胸いっぱいに部屋の香りを吸い込み、息を吐き出す。魔王城を飛び出したときとなにも変わらない。
「ソル、抱きしめてもよいか」
「えっ、わっ」
返事をする前に、きつく抱きしめられて、心音が跳ね上がる。一瞬で安心感が胸を覆い、まるで夢見心地な気分になった。
「……私のわがままも聞いてくれるか」
「うん、聞かせて」
いつも僕ばかりが望みを聞いてもらい、ノクスの願いを聞いたことはなかった。そを歯痒く思うこともあったから、気持ちを打ち明けてくれることがとても嬉しい。
「私と共に生きて欲しい。ソルを愛している」
「っ……うんっ、僕はノクスとずっと一緒に居るよ」
指切りの代わりに、そっとキスをする。熱情に輝く美しい瞳にずっと僕の姿を映し出していて欲しい。ベッドへと連れていかれると、そのまま押し倒されて、激しくお互いを求め合う。甘さを含む唾液を交換し合いながら、目の前の愛おしい存在をただただ感じ続けていた。
僕にとってのノクスは魔王ではない。彼はただ一人の愛する人。結局は、勇者や魔王という存在は肩書きなんだ。だから、したいことをすればいい。過ごす場所も、愛したい人も、自由に決めていいんだよね。そのことにようやく気がついた。
「寂しかった……」
「私もだ」
「ん……、大好き」
「愛している」
発せられる愛の言葉は、脳内をとろとろに溶かし、蝕んでいく。もっと欲しいと欲張りになる。
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