上 下
13 / 33
将軍家編

13

しおりを挟む
「仔空のここは熟れた果実のように色付いているな」
「は、恥ずかしいです」

 舌先で乳首の先を転がされ、足の先に力が入る。僕の反応を楽しむように、甘噛みをされたり、ねっとりと舐められ、緩急のある刺激に翻弄されてしまう。焦れったくて、自ら腰を擦り寄せると、捲し上げられた衣装の間から、手が昂りへとあてがわれる。ぐちゅりと卑猥な音が鼓膜を揺らし、羞恥心から生理的な涙が溢れる。それなのに、もっと触れて欲しいと思ってしまうのだから不思議だ。

「あっ」
「気持ちいいか?」
「ん……」
「唇を噛むな。ほら、聞かせてみろ」
 
指で唇をなぞられて、微かに口が開く。堰き止めていた喘ぎが、一気に溢れ出し止まらなくなった。

「あぁ、やぁ……きもちぃ、静龍様っ、気持ちいいです……」
「可愛い」
 
亀頭をグリグリと刺激されて、背筋に甘い痺れが走る。とろりとした蜜のような先走りが溢れ、静龍様の手を濡らす。

「力を抜いておけ」
 
濡れた指先が、愛液を溢れさせる蜜孔へと挿入される。入口を微かに擦られるだけで、背が仰け反り、ありえない快感がつま先から頭までを駆け抜けた。

「ひゃあっ、ああ、やぁ」
「もっと声を聞かせて」
「んんっ、そこ、やだあっ、あ、あ、」
 
コリコリと一点を責められると、昂りから呆気なく白濁が溢れ腹を汚した。それなのに、指が止まる気配はなく、何度も果てて、涙を撒き散らす。
気持ちよすぎて、何も考えられない。

「もう、耐えられない。入れるぞ」
  
華服を脱ぎ捨てた静龍様に、太ももを掴まれて思っいきり開かされた。僕も欲しくて、自分から蜜孔を広げて、欲しいと強請ってしまう。
僕の物とは比べ物にならない程の質量を持った昂りが蜜孔にあてがわれ、ゆっくりと肉壁を掻き分けて入ってきた。

「あぁぁっ、は、んんん」
「っ、狭いな」
 
初めて、雄を受け入れるはずの孔は痛みを感じることもなく、気持ちよさだけを全身に伝えてくれる。目の前に星が舞い、何度も好きだと伝えて、口付けを交わす。
幸せだ。今までで一番心が満たされている。感じる律動の数だけ、静龍様に求められているような気持ちになって嬉しい。

ふと、項を噛んで欲しいと思った。それは、本能のような感覚で、どうしてそう思うのかはよくわからない。

「ん、んぁ、静龍様、噛んでっ」
「仔空……」
「お願い噛んで……僕のここ、噛んでっ」
 
言いながら、顔を横に向けて、首を差し出す。でも、一向に噛んではくれなくて、切なさが胸を覆う。

「項を噛む意味を分かっているのか?」
「んっ、わかんない、でも……僕、静龍様に噛んで欲しいですっ」
「噛むのはまた今度でもいいだろう。ほら、おいで」
 
抱き寄せられて、膝に座らされる体勢で下から突かれる。嫌だと首を振るけれど、静龍様は噛んでくれる気は無いようで、あやすように口付けをしてくる。

「仔空、出すぞ」
「ん、やぁ、噛んでっ、やああ」
 
また、押し倒されると、激しく腰を動かされ、喘ぐことしか出来ない。腰を引き抜いた静龍様は僕の腹へと思い切り欲を吐き出した。

「静龍様っ、足りない、もっと」
 
また突いて欲しいし、項を噛んで欲しいとわがままを言ってしまう。
「俺も仔空が欲しい。だが、初めての発情で身体の負担も大きい。沢山イかせてやるから、我慢してくれ」
「んん、やだあ、あっ、あああ」
 
昂りを手で包まれて、優しく扱かれる。沢山出したはずのそこは、触られるだけでまた硬さを取り戻し、微かな刺激だけで白濁を飛び散らした。

僕の意識が飛かけるまで、静龍様に沢山イカされて、最後は温かな胸の中で眠りについた。本当に幸せすぎめて、夢を見ている気分になる。このまま目が覚めなければいいのに、と思いながら意識を飛ばした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

森の中の華 (オメガバース、α✕Ω、完結)

Oj
BL
オメガバースBLです。 受けが妊娠しますので、ご注意下さい。 コンセプトは『受けを妊娠させて吐くほど悩む攻め』です。 ちょっとヤンチャなアルファ攻め✕大人しく不憫なオメガ受けです。 アルファ兄弟のどちらが攻めになるかは作中お楽しみいただけたらと思いますが、第一話でわかってしまうと思います。 ハッピーエンドですが、そこまで受けが辛い目に合い続けます。 菊島 華 (きくしま はな)   受 両親がオメガのという珍しい出生。幼い頃から森之宮家で次期当主の妻となるべく育てられる。囲われています。 森之宮 健司 (もりのみや けんじ) 兄  森之宮家時期当主。品行方正、成績優秀。生徒会長をしていて学校内での信頼も厚いです。 森之宮 裕司 (もりのみや ゆうじ) 弟 森之宮家次期当主。兄ができすぎていたり、他にも色々あって腐っています。 健司と裕司は二卵性の双子です。 オメガバースという第二の性別がある世界でのお話です。 男女の他にアルファ、ベータ、オメガと性別があり、オメガは男性でも妊娠が可能です。 アルファとオメガは数が少なく、ほとんどの人がベータです。アルファは能力が高い人間が多く、オメガは妊娠に特化していて誘惑するためのフェロモンを出すため恐れられ卑下されています。 その地方で有名な企業の子息であるアルファの兄弟と、どちらかの妻となるため育てられたオメガの少年のお話です。 この作品では第二の性別は17歳頃を目安に判定されていきます。それまでは検査しても確定されないことが多い、という設定です。 また、第二の性別は親の性別が反映されます。アルファ同士の親からはアルファが、オメガ同士の親からはオメガが生まれます。 独自解釈している設定があります。 第二部にて息子達とその恋人達です。 長男 咲也 (さくや) 次男 伊吹 (いぶき) 三男 開斗 (かいと) 咲也の恋人 朝陽 (あさひ) 伊吹の恋人 幸四郎 (こうしろう) 開斗の恋人 アイ・ミイ 本編完結しています。 今後は短編を更新する予定です。

毒/同級生×同級生/オメガバース(α×β)

ハタセ
BL
βに強い執着を向けるαと、そんなαから「俺はお前の運命にはなれない」と言って逃げようとするβのオメガバースのお話です。

可愛くない僕は愛されない…はず

おがこは
BL
Ωらしくない見た目がコンプレックスな自己肯定感低めなΩ。痴漢から助けた女子高生をきっかけにその子の兄(α)に絆され愛されていく話。 押しが強いスパダリα ‪✕‬‪‪ 逃げるツンツンデレΩ ハッピーエンドです! 病んでる受けが好みです。 闇描写大好きです(*´`) ※まだアルファポリスに慣れてないため、同じ話を何回か更新するかもしれません。頑張って慣れていきます!感想もお待ちしております! また、当方最近忙しく、投稿頻度が不安定です。気長に待って頂けると嬉しいです(*^^*)

βの僕、激強αのせいでΩにされた話

ずー子
BL
オメガバース。BL。主人公君はβ→Ω。 αに言い寄られるがβなので相手にせず、Ωの優等生に片想いをしている。それがαにバレて色々あってΩになっちゃう話です。 β(Ω)視点→α視点。アレな感じですが、ちゃんとラブラブエッチです。 他の小説サイトにも登録してます。

この噛み痕は、無効。

ことわ子
BL
執着強めのαで高校一年生の茜トキ×αアレルギーのβで高校三年生の品野千秋 α、β、Ωの三つの性が存在する現代で、品野千秋(しなのちあき)は一番人口が多いとされる平凡なβで、これまた平凡な高校三年生として暮らしていた。 いや、正しくは"平凡に暮らしたい"高校生として、自らを『αアレルギー』と自称するほど日々αを憎みながら生活していた。 千秋がαアレルギーになったのは幼少期のトラウマが原因だった。その時から千秋はαに対し強い拒否反応を示すようになり、わざわざαのいない高校へ進学するなど、徹底してαを避け続けた。 そんなある日、千秋は体育の授業中に熱中症で倒れてしまう。保健室で目を覚ますと、そこには親友の向田翔(むこうだかける)ともう一人、初めて見る下級生の男がいた。 その男と、トラウマの原因となった人物の顔が重なり千秋は混乱するが、男は千秋の混乱をよそに急に距離を詰めてくる。 「やっと見つけた」 男は誰もが見惚れる顔でそう言った。

幼馴染から離れたい。

June
BL
アルファの朔に俺はとってただの幼馴染であって、それ以上もそれ以下でもない。 だけどベータの俺にとって朔は幼馴染で、それ以上に大切な存在だと、そう気づいてしまったんだ。 βの谷口優希がある日Ωになってしまった。幼馴染でいられないとそう思った優希は幼馴染のα、伊賀崎朔から離れようとする。 誤字脱字あるかも。 最後らへんグダグダ。下手だ。 ちんぷんかんぷんかも。 パッと思いつき設定でさっと書いたから・・・ すいません。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

ふしだらオメガ王子の嫁入り

金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか? お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。

処理中です...