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どんな時も

どんな時も④

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 出すぞって耳元で低く囁かれて、ついにこの時が来たのかって真っ白な頭の片隅で思った。

「早くっ……早く頂戴っ、レオニードっ、早く俺だけのレオニードになってっ!」

 レオニードの背中に足を回してクロスすると、中が締まったのかレオニードが微かに苦しそうな顔をして、それから更に腰の動きを激しいものへと変えていく。

「マテオこそ私のものになる準備はいいか?」
「うんっ、なるっ、俺、レオニードのものにっ、、あ……あ、、」

 うつ伏せにさせられて、1層強く腰が打ち付けられると、レオニードが俺の中に容赦なく精液を吐き出した。それと同時に晒された俺の項に鋭い痛みが走って、ああ゛って低くくぐもった声を上げると、そのすぐ後からその場所を中心に強烈な幸福感と安堵感が襲ってきた。

「ひゃ、あ……んん……」

 中に出したにもかかわらず萎えていないレオニードが緩く腰を動かしながら噛み跡を舌でぐりぐりと刺激してくるから、痛みと快感に短く喘がされる。
 シーツを掴んで顔を埋めると、レオニードが背中にいくつも跡を付けてきて、また再熱してきた身体は与えられる快楽に素直に反応し始めた。

「今夜は寝かせるつもりは無いぞ」
「あ゛、やっ……ひっ」

 腰を引き寄せられてまた激しく最奥を突かれる。気持ちよくて、幸せで、それでいて少し怖くもある行為に涙を撒き散らして、ぼんやりとする頭の中でもう彼とは離れることはないんだと思った。

 愛おしい人と離れることはないのだと自身の項に残った痕が証明してくれているから、きっとこれから先どんな事があっても俺達は大丈夫だ。
 
 ずっと俺達は記憶という鳥籠の中に閉じ込められて身動きすら出来なかったんだと思う。でも、もうその鳥籠の扉は開かれた。俺達は何処へだって自由に飛び立てる。そうして、飛び立った先にレオニードがいて、2人だけの巣の中でずっとずっと愛し合うと誓った。そんな奇跡を今味わっている事が嬉しくてたまらない。
 
「レオニードっ、愛してるっ」
「私もだ。マテオのことを誰よりも愛している。もう離しはしない」

 彼と繋がりあって、愛を囁き合えば、いつか彼と溶け合って1つになれるんじゃないかって錯覚するんだ。そうなれたら良いなって思ってしまう自分もいたりする。

 きっと俺は鳥籠から鳥籠の中に移されただけなのかもしれない。レオニードという鳥籠に閉じ込められて、愛に溺れて、彼を愛して、そうやって生きていくんだ。

 それでいいやって今は思う。
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