プティカリーノ

うしお

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45、細部までぬかりなく

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「ん……っ、んぅ……っ、ぁ……っ、は、ぁ……っ」

「どうですか? まだ、くすぐったく感じますか?」

全身の力を抜いて、三田村くんにすべてをお任せしていたのに、脇の下にジェルを塗られたとき、あまりにもくすぐったくて少しだけ体をよじってしまった。
それに気づいた三田村くんが、いまのうちに少しだけでもいいから、脇の下も鍛えておくべきだと言うので、トレーニングを追加してもらうことにした。
ラバースーツは、全身に圧力をかけてしまうと、くすぐったいと感じてもすぐには脱げなくなる仕様らしい。
せめて、脇の下がくすぐったいと感じなくなるまで、刺激に慣らしてからの方がいいと言われた。
初めは何も感じていなかったのだが、ぬちゅぬちゅじょりじょりと濡れた脇毛の立てる音が気になり出したあたりから、そこがくすぐったいと感じるようになっていたので、素直に三田村くんの指示に従うことにする。
このままではすぐに集中できなくなるだろうと考え、脇の下をトレーニングしてもらうことにしたのだ。

「ん……っ、そう、だね、すこし、くすぐ、ったぃ……かも、しれな……ぃっ」

一度は肘まで上げられたラバースーツだが、脇のトレーニングには邪魔だということで脱がされた。
自由になった腕を頭の上で交差させ、互いの肘を掴んで固定するように言われ、その通りの姿勢を取っている。
鏡の中には、ジェルまみれの体を僅かに仰け反らせ、自分から脇の下を見せつけようとしている男の姿がうつっていた。
びっしょり濡れた脇毛をさらし、恥ずかしそうにこちらを見ている。
その脇の下に、後ろからのびてきた三田村くんの手が添えられ、ゆっくりゆっくりとなぞるように撫でていく。
下から上に、上から下に。
ゆっくりと動く様を、鏡を通してじっくりと見せつけられているみたいだ。
これも、ただのマッサージであるはずなのに、俺のペニスとアナルは快感をねだるように飲み込んだマッサージ機をきゅうきゅうと締め付けている。
ああ、気持ちよくて、下半身から蕩けてしまいそうだ。

「もう少しだけ、強くしていきますね。もし、僕がこれから押すところで、痛いところがあるようでしたら、隠さずに教えてくたさいね」

「……ぅ、んっ、は、ぁ……ぃ」

三田村くんの指先が、腕から胸に向かって降りてくる。
小さな丘のように膨らんでいるところをなぞるように越えた指先は、急に深く窪んだ場所にたどり着いた。
くちゅりと濡れた音が聞こえる。
左右から押し当てられた指が、そのまま脇の下の窪みを強く押し込んだ。
気がつけば、鏡にうつる男の脇には、穴が開いているのかと思うくらい指が深く入り込んでいる。
なんだか、胸の裏側にまで、指が入ってしまっているように見えた。
俺は、このまま脇の下まで作り変えられてしまうのだろうか。
そこには、穴など開いていないというのに。
だが、脇の下を優しく押している指先が、ほんの少し前に、俺のアナルをただの排泄器官から全く違うものに変えてしまったことを知っている。
それを想像すると、ぞくぞくとしてどきどきが止まらなくなった。

「ここは痛くありませんか?」

「ん……っ、だい、じょう、ぶ……っ」

時々、強く押し上げるように脇の中を突かれ、深く入り込んだそこをほぐそうとするみたいにぐりぐりと揉まれた。
姿勢が崩れそうになれば、三田村くんが優しく抱き締め、元の姿勢に戻してからマッサージを再開する。
まるで穴を拡げるみたいに脇の下を押されると、ちゅぷっちゅぷっといやらしい音が聞こえてくるのが恥ずかしくてたまらない。
けれど、それがすごく待ち遠しいのだ。
脇の下をいやらしい穴のように扱われ、優しく指先で責められる度に、もっと深く、いっそこの体を丸ごと変えて欲しいと思ってしまう。
この感覚はなんなのだろう。
すごく不思議な感覚だ。

「ぁ……っ、ぅ、あ……っ、んっ、んんっ、あ、あぁ……っ」

三本の指が同時に、俺の脇を強く押し上げてきた。
濡れた毛をかき混ぜる指先から、ずちゅっずちゅっといやらしい音が聞こえてくる。
くすぐったさなんてどこにもない。
ただひたすらに恥ずかしくて、不思議なくらい気持ちいいだけだ。
前立腺を撫でられる気持ちよさを教え込まれた時のように、脇の下を撫でられる気持ちよさを教えられている。

「ん、あぁ……っ」

「もう大丈夫そうですね」

最後の仕上げとばかりに、脇の下をぐるりとかき混ぜられて悲鳴を上げる。
悲鳴といっても、何かがつらくて出た声ではなく、気持ちよすぎて出た声だ。
その声を聞いた三田村くんは、満足そうな声でそう言うと、再び俺の腕をラバースーツの中へ導いた。
二度目ではあるが、一度目と同じく、体に力は入っていない。
俺は、まるで着せ替え人形になってしまったかのように、三田村くんの手によってラバースーツを着せられていく。
くたりと寄りかかった三田村くんの体は、なぜだか俺よりも熱くて、触れ合ったところから俺まで蕩けてしまいそうだった。
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