プティカリーノ

うしお

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39、包み込まれる下半身

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座面は開いたままだが、椅子が元の位置に戻され、目隠しも外される。
久しぶりに見る真っ白な部屋は、少しまぶしく感じた。
目の前には、目をとろんとさせた男がいて、ぼんやりとこちらを見ている。
ラバースーツを中途半端に身につけたその男は、先端にタコのように丸いローターがついたペニスカバーのようなものをはめられいた。
その他に身につけているのは、腰から鼠径部にかけて巻かれたベルトのようなものだけだ。

「間宮さん、大丈夫ですか? ちょっと準備に時間をかけすぎてしまったので、これ以上ジェルが乾いてしまわないように、いまから僕がスーツを着せていきます。間宮さんは、僕の首に腕をまわして、椅子から落ちないようにしていてくれますか?」

「う、で……?」

「ええ、こうやって腕をまわして、僕にしっかりと掴まっていてください。手を離さないように注意してくださいね」

寄りかかっていた背もたれが大きく倒れ、三田村くんが後ろから俺を抱き締めてくる。
万歳するみたいに上げた腕を、頭の上で輪を作るようにして繋ぎ、後ろから抱きついてきた三田村くんの首にまわすように指示をされた。
しっかりと掴まれと言われたので、両手の指をがっちりと絡ませる。
中に入れられたマッサージ機に、拡げられ続けているペニスやアナルに少し違和感はあるものの、体重がかかっていないからか少しだけ落ち着きはじめていた。
さっきまでのしこりをごりごりと捏ねられるような快感からは抜け出すことができたようだ。
止まらないと思っていた痙攣も、少しずつおさまっていく。

「体を少し持ちあげますよ。間宮さんの体が浮いたら、すぐにスーツをあげますね」

三田村くんが説明してくれる通りに体が浮いて、新しく足されたジェルですべらされたラバースーツが、ずるっと足の根元まで上がってくる。
俺の体は、爪先から付け根まで、すっぽりとラバーに包み込まれた。
しっとりと濡れたラバーが、優しく俺を締めつけてくる。

「はい、上手に着られましたね。もう少し上まで行きますよ」

ぬちゅりといやらしい音が鳴ったかと思えば、次の瞬間には尻の下にラバースーツが入り込んでいた。
なんだか、ぬるぬるとして気持ちいい。

「もう少し、ジェルを足しましょうか」

「ぅ、ンンッ」

逆さまになったボトルから、俺のペニスに向かって直接ジェルが垂らされてくる。
ねっとりとあたたかく、ぬるぬるとしたジェルが、そこからラバースーツの中にひろがっていく。

「もうここに固定しておかなくても大丈夫なので、少し動かしますね」

三田村くんは、俺のペニスを手に持ったまま、台に固定していたベルトなどをぱぱっと片付けていく。
位置を変えるだけのはずなのに、三田村くんの手は勃起したままの俺のペニスから離れようとしない。
俺のペニスは、先端こそシリコンのようなものでしっかりと包まれているが、そこから下は生身のままだ。
こうして、手に持たれているだけでも興奮してしまい、びくびくといやらしくゆれてしまう。
駄目だと思えば思うほど、ペニスがゆらゆらとゆれ、隙間から漏れた先走りが三田村くんの手のひらを汚し、くちゅりといやらしい音を立てた。

「間宮さん、これはお漏らしですか? もしかして、こちらの穴までゆるくなってしまったんでしょうか。このままお漏らしが続いてしまうと困るので、いまのうちに少しだけ穴を狭くしておきましょう。間宮さんは、早く穴が狭くなるように、お腹にしっかりと力を入れていてくださいね」

背後から差し込まれた二本の手が、俺のペニスをしっかりと掴む。
片方の手が竿を掴み、もう片方の手がタコの頭を優しく撫でる。
タコの目がちかりっと光って、ペニスの中でマッサージ機が微かに動きはじめると、三田村くんの手がゆっくりとペニスを扱き出した。
じんじんと疼くペニスをぐちゅぐちゅと扱かれ、射精への恐怖にびくびくと震える。

「まっ、て……しゃ、せ、やだぁ……あっ、ああっ、みた、むらく……っ」

「ふふっ、大丈夫ですよ。ちゃんとリングをつけているので、間宮さんは、射精できませんからね」

ラバースーツを穿かされた足を動かしながら、三田村くんの首にすがりつく。
三田村くんから手を離さないようにと言われている上に、穿かされたラバースーツのせいで足も自由に動かせない。
ペニスを扱かれているのに逃げ出せない俺は、三田村くんにお願いすることしかできなかった。
このままでは、また精液を逆流させられて、悲鳴をあげたくなるような痛みに苛まれるかもしれないと思うと泣きたくなってくる。

「やっ、や……っ、ゆるして、いたいの、やだぁ……っ」

「わかりました。それなら、このまま間宮さんが、しっかり勃起させたままにしていてくれますか?」

「んぅ……っ、ぼっき、させ、るから、しゃせぇ、させないで……っ」

俺が答えると、ペニスをゆるく扱いていた三田村くんは、ようやく手を離してくれる。
解放された喜びなのか、俺の目から涙がぽろりとこぼれ落ちた。
こんなことで泣いてしまうなんて、いい年をした大人だというのに恥ずかしい。

「ええ、いいですよ。間宮さんが、勃起させたままにしていてくれるなら、僕はもう射精させないと約束しますからね。約束はちゃんと守りますから、安心してくださいね」

三田村くんの優しい声に、俺は何度も何度も頷く。
それがどういう意味で言われた言葉なのか、俺にはまだ理解できていなかった。
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