プティカリーノ

うしお

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37、すべて委ねて

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「みた、むらっ、くぅンンッ、あ゛あ゛っ、はっ、はあ゛あ゛ぁ……っ」

止めようと思っても、ゆらゆらと勝手にゆれてしまう腰に、なにかベルトのようなものが巻き付けられていく。
それには、いくつかの輪っかのようなものがついているようで、少しだけひんやりとする部分があった。
ひとつずつ、なにかを確かめるかのように持ち上げられる。
耳を澄ませば、するすると何か細長い紐のようなものが通されているような音がする。
右と左に一本ずつ、垂れ下がった紐が輪っかから外れないようになのか、三田村くんは何度も引いてしっかり通っているかを確かめていた。
その度に、腹の中でうねるマッサージ機が気持ちよくて、ついつい腰が浮いてしまう。
少しくらい腰を浮かせたくらいで、この快感から逃げられるわけがないのに。
快感にゆれるマッサージ機が、逃げ場のない俺のアナルの中を、じっくりと捏ねるように、満遍なく擦り上げていく。
体の中から、快感の波があふれ出していくようだ。
ああ、すごく気持ちいい。

「まっ、ひゃぁ、り……ひゅご、ぃ……っ、きも、ひぃ……よぉ……っ」

思ったことが、素直に口からこぼれ落ちていく。
俺みたいなおっさんから、こんなに蕩けた声が出るなんて知らなかった。
まるで、セックスの真っ最中に男をねだる女みたいな蕩け方だ。
男らしさの欠片もない。
だが、そんな声が出てしまうことを隠そうとすら思えないのは、きっと俺がすでに三田村くんになにもかもを委ねてしまっているからだろう。
異物を咥え込んだままのアナルをひくつかせながら、堪えきれずに腰をゆらす。
三田村くんには、どう見えているんだろうか。
そう考えただけで、異物を咥えたペニスも硬さを増していく。
ああ、そうか。
俺は、三田村くんに見られていると思うだけで気持ちいいのか。
三田村くんの手が、紐を引く力を強くする。
その反動なのか、マッサージ機がぐぐっとアナルの奥に強く押し込まれてきた。
深い奥の行き止まりを、ボールが強く押し上げる。

「ん゛っ、ん゛ぐぅっ」

少し苦しいと感じるくらいの突き上げだが、それさえも気持ちよくてたまらない。
マッサージ機が、こんなに気持ちいいものだったなんて、俺は知らなかった。
さらに奥まで入り込んできたマッサージ機に押されるように、腰をさらにぐぐっと浮かせると、ベルトの腹側から尻に向かって二本の紐が通されていく。
それなりに幅のある紐がペニスの左右を通りすぎると、アナルから飛び出ているだろうマッサージ機の上あたりで交差しているのがわかった。
もしかすると、これはアルファベットのワイのように、二本の紐は初めからひとつに繋がっていたのかもしれない。
いつの間にか一本になっていた紐の端が、そのまま尻側にあった輪っかに通されると、前と同じようにきつく締め上げられた。
交差している部分が、マッサージ機を強く押し込んでくる。
思いきり擦れたアナルが、ひくひくと震えた。
丸まっていた爪先が、思わずぴんとのびる。
ジェルに濡れたラバーが、ぐぢゅりと指先を責め立てた。
すっかり忘れていた五本指のラバースーツが、爪先に絡み付いてくる。
拘束された足が、びくびくと跳ね上がるが、椅子からほとんど離れない。
ただただ絡み付いたラバースーツが、爪先から容赦なく快感を捩じ込んでくる。

「ぁっ、うぁ……っ」

「下着とマッサージ機を固定しますね」

だが、俺が勝手に悶えたところで、三田村くんが止まることはない。
マッサージ機を掴まれたかと思うと、かちりと何かがはまる音が聞こえた。
三田村くんが下着と呼んだそれは、ずいぶんと不思議な形をしているようだった。
前面には、布地と呼べそうなものはほとんどなく、僅かな布地らしき部分は、ペニスを隠すためではなくマッサージ機を押さえるために使われているようだ。
形としては、前後を逆にしたティーバックに近いのかもしれない。
マッサージ機を固定するためのものだと言っていたので、そういう形状の下着なのだろう。
固定が終わると、マッサージ機を動かしながら、いろいろなことを確認させられた。
まず最初に、マッサージ機と下着がしっかり連結しているかどうか。
これは単純に、下着を掴んだ三田村くんが、いろいろな方向に引っぱって確認した。
その結果、マッサージ機はどれだけ思いきり引っぱっても、どうやってもアナルから抜けなくなっていることがわかった。
ボール一個どころか、アナルが拡がる感覚すら感じられないくらい動かない。
その代わり、といっていいのかわからないが、五個のボールが中でぐねぐねと動きまくって、気持ちよかった。
三田村くんが、念入りに確認してくれたので、いまは全身が蕩けてしまったのかと思うくらい力が入らなくなっている。

「うん、しっかり固定されましたね。これなら大丈夫そうです。あ、でも、もうひとつだけ確認しておきたいことがあったんでした。間宮さん、少しお腹に力を入れて、マッサージ機を追い出せるか試してもらえますか?」

「……ぉい、らす……?」

「ええ。たぶん、出せないとは思うんですけど、念のため確認して欲しいので、お腹に力を入れてみてください」

さっきまでの確認作業でしっかりとほぐされ、いまだにびくびくと痙攣を繰り返している腹が優しく撫でられる。
ここに力を入れるって、どうやればいいんだろうか。
蕩けた頭で考えてみるが、どうしていいのかわからない。
閉じる余裕もなかった口から、だらしなく垂れていたよだれを拭いてくれた三田村くんが俺の耳に唇を寄せ、うんちをするときみたいにするんですよ、と小さく囁いた。
三田村くんの唇が耳に触れたからなのか、それとも、小さな子どもに向かって言うような言葉で言われたせいなのか、全身がぞくりと震える。

「間宮さん、さあ、どうぞ」
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