プティカリーノ

うしお

文字の大きさ
上 下
31 / 49

31、ひろがる世界

しおりを挟む
「はい、ゆっくりと吸って……ゆっくりと吐く……そうです、その調子です。間宮さん、とても上手にできてますよ」

三田村くんの声に誘われるまま、深呼吸を繰り返す。
優しくかけられる三田村くんの声が心地よくて、どんどん全身から力が抜けていく。
すぐにジェルを足されて潤んだ指先が、またアナルの中にゆっくりと入り込んできた。
三田村くんの指は、アナルにジェルを塗りつけているのか、つぷりつぷりと少しだけ入っては出ていくのを繰り返す。
ジェルがアナルに入ってくる度、そこがじんわりとあたたかくなっていくのを感じる。
熱く潤んで、もっと気持ちよくなりたいと疼き出す。
きゅっと力を入れれば、抜けていく指につられて、縁のめくれていく感覚がアナルをぞくぞくと震わせる。
なんだか、癖になりそうな気持ちよさだ。

「上手にリラックスができるようになってきましたね。ほら、わかりますか? 人差し指が、奥まで入れられるようになりましたよ。ただ、間宮さんの中はきつくて、少し狭いようです。もしかしたら、まだほぐれきれていないのかもしれませんね。今後のトレーニングのためにも、もう少し慣らしておきましょう」

「ぁ、ああ……っ」

にゅぷりにゅぷりと奥まで入ってくるようになった人差し指は、時々、前立腺を掠めていくようになる。
指先で僅かに撫で、するりとそのまま出ていく指に、俺のアナルはいかないで欲しいとすがりついた。
ひくひくとひくつく穴が、三田村くんの指を締め付けている。
三田村くんにも、それはわかっているはずだ。
それなのに、優しく挿入されてくる人差し指は、残酷なまでに優しすぎて、何もせずにそのまま外へと出ていってしまう。

「しっかり拡げておいた方が、間宮さんのためになりますからね。少しつらいこともあるかもしれませんが、僕と一緒にがんばりましょうね」

「……ああ、がんばろう」

その指を、抜かれてしまうのが一番つらい。
そんな、口にはできない答えを、無難な言葉に変えて答える。
三田村くんがジェルを足す度、アナルの奥に熱が溜まっていくようだった。
前立腺をいたずらに掠めていく指が、その熱を何倍にも高めていく。
熱を溜め込むばかりのアナルは、ひどく疼かされるだけで、どうすることもできない。
唯一できることといえば、アナルをひくつかせることだろうか。
切なくてたまらない。
ひくひくと疼くアナルは、最早隠せないほどにひくついている。
三田村くんは、こんな俺の状態に、本当に気付いていないというのだろうか。
それとも、すべて気が付いていて、わざとこんなことをしているのだろうか。
たっぷりとジェルを乗せた指は、いまも俺のアナルをゆっくりと撫で続けている。
俺には、答えがわからなかった。

俺のアナルが、一本の指にすっかり慣れてしまった頃、入ってきた三田村くんの指が急に太くなったように感じた。
小さな穴が、より大きなもので拡げられていく感覚だ。
さっきよりも大きく拡げられたアナルが、ひくひくと震えながらきつく締まり、今さらになって三田村くんの指を拒もうとしている。
さっきまで、嬉しそうに咥え込んでいたというのに。

「間宮さん、ここに力を入れてはいけませんよ。リラックスして、僕を受け入れてください」

「で、でも、これ、ふと、く、なって……っ」

「大丈夫ですよ。まだ二本目ですから、そんなに太くはないはずです。これだけしっかりとリラックスできていたら、ちゃんと入る太さですからね。信じてください。もっと力を抜いて、僕に全部任せてください。間宮さんは、僕のことを信じて受け入れてくれますよね?」

「しんじ、る……っ、しんじて、るよ……っ」

「それなら、大丈夫ですよ。僕を信じてくださるなら、すぐに受け入れられるようになってくれます。ほら、話している間に、もうリラックスできてきましたよ。ゆっくり、このまま奥まで入っていきますね。間宮さんが、僕を受け入れてくれると言ってくれたので、もうこのくらいなら簡単に入ってしまいますからね」

二本に増えた指が、ゆっくりと奥まで入ってくる。
まるで、催眠術にでもかけられているみたいだ。
指は根本に向かって少しずつ太くなっていくが、三田村くんの言う通り、するすると奥まで簡単に入ってきてしまう。
そのまま、俺の尻に三田村くんの手のひらが、ぴったりとついてしまうくらい奥まで入ってきた。

「このまま、少し馴染むのを待ちましょうね」

二本の指を深く入れた三田村くんは、そのまま動かずにじっとしている。
真っ暗な世界で感じる違和感が少しずつ消え、アナルの中にはじんわりするような快感が浸透していく。
まるで、俺のアナルは拡がっているのが当たり前のことだとでもいうかのように。

「少し馴染んでくれたようなので、もう少し拡げていきますね。またつらくなったら、教えてください」

「ぅん……もっと……ひろ、げて……」

「ええ、しっかり拡げていきましょうね」

その声にこくりと頷いた時にはもう、俺はアナルを拡げられたくてたまらなくなっていた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...