プティカリーノ

うしお

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19、約束を叶えるための準備

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「ここは、とても繊細なところなので、念のために体は固定しておきましょう。僕も中でまわすのは初めてなので、変なところを突いたりして、怪我をさせたくはないですからね。それ用の椅子を持ってきますから、少しだけ待っていてください。それは、勝手に動かしてはいけませんよ。僕がくるまで、我慢しててくださいね」

自分のペニスとペニスに刺さったままのマッサージ機を渡され、勝手に動かさないように言われてから、鏡の前に置き去りにされる。
深く抉れたいわゆるスケベ椅子の上で大きく足を開き、自分のペニスに異物を突き刺している自分の姿は、首輪をしていることも含め、情けなさすぎて興奮してしまう。
教えてもらう立場だとはいえ、自分よりも年下の男の子の命令でこんなことになっているのだと思うと、芽生えてしまった被虐的な心がじんわりと満たされていく。
マッサージ機の先端を、尿道の奥に押し当てたまま、呼吸を荒くしながら三田村くんが戻ってくるのを待っている。
彼が、部屋を出てからどれくらい経ったのだろうか。

「は、ぁ……っ、それに、固定するの、かい?」

もう、この手を動かしてしまおうか、と思った時、背後からドアの開く音ときゅきゅっと床の鳴る音が聞こえてくる。
鏡越しに確認すれば、三田村くんが肘掛けがついた大きな椅子のようなものを押しながら、こちらに近付いてきているところだった。

「ええ、ラバースーツを着ていただいてから、と思っていたんですが、それをつけるまでは着てもらうわけにもいきませんからね。それなら、先にこちらを体験していただくのもいいかと思いまして。これがマッサージの際に、座っていただく椅子なんですよ」

それは、大きな一人用のソファーのようだった。
両側には、車イスのような大きなタイヤがついていて、どちらにもしっかり固定するためのブレーキがついている。
座面は黒く艶やかで、水を弾きそうな素材に見えた。

「俺は、そこに座ればいいのかな?」

「ええ、こちらに移動してもらいますね。その足では歩きにくいと思うので、すぐ近くまで持っていきますよ。ああ、先にその椅子は片付けてしまいましょう。手をお貸しするので、立ち上がってもらえますか?」

「ぁ……ああっ、でも、手が」

「間宮さんは、右利きですよね。でしたら、右手で、ここの繋ぎ目を押さえていてくださいね。立ち上がったら、倒れないように左手でバーを掴んでいてもらえますか」

てきぱきと動く三田村に誘導されるまま、ペニスとマッサージ機を片手で持ち、鏡の前にあるバーをぎゅっと握りしめる。
立ち上がっただけで、力の入った足の爪先からかかとまでが、もじもじしたくなるほど気持ちよくなってしまうが、必死に堪える。
もちろん、立つときに少しゆれただけのペニスも、マッサージ機と尿道が擦れて気持ちよかったが、こちらも必死に堪えた。

「この辺りでいいでしょう。間宮さん、僕に掴まってください。ゆっくり座ってくださいね。できるだけ深く、背もたれにぴったりくっつくように座りますよ」

三田村くんに言われるまま、支えられて椅子に座る。
タイヤのロックはしっかりかけられていて、びくともしなかった。
そのまま背中をぴったりとつけ、座面の一番奥に腰をおろす。
背もたれと座面は、ほどよく窪んでいて、まるで吸い込まれるように楽に座ることができた。

「俺は、これからこの椅子に縛られたりするのかな?」

「それは、一番最後ですね。まずは、ここから固定していきます。足を開いてもらえますか? そう、肘掛けに太ももがくっつくまでいきますよ。できるだけ、大きく開いていてください」

椅子に座った俺の前にしゃがみこんだ三田村くんが、俺の足をぱかりと開いて、肘掛けに太ももをくっつけていく。
目の前で、自分のペニスを持ったままの俺としては、恥ずかしくてたまらないのだが、余計なことをして、作業が進まないのは困るのでされるがままになる。
すると、座面の下をごそごそとしていた三田村くんが、何かをすると座面の一部がぱかっと上に持ち上がった。
持ち上がった部分は、缶ビールのロング缶くらいの太さと長さがあり、三田村くんはそれを掴んでくるりとまわす。
それは、裏返ると缶を縦に真っ二つにでもしたような窪んだ台に早変わりした。

「ずっと持っていて疲れたでしょう。準備をしますので、ここにおろしていいですよ」

かちかちと台の角度を調整していた三田村くんに声をかけられ、持っていたペニスをそこに置かされる。
座面のようにつるつるとした筒の中は、ペニスよりも大きくて深い溝があり、なんというか俺のペニスが小さいのか少しサイズが合わずに余ってしまっていた。

「あ、どうやら、俺にはサイズが、合わないみたいだね……ははっ」

「いえ、これも後から調整するものなので、最初から少し大きめに作られているんですよ」

恥ずかしくて、思わず誤魔化そうとしたが、三田村くんはそんな俺を気にも止めず、台の高さを変えることばかりに集中している。
そうこうしているうちに、三田村くんが上下させていた台は、亀頭だけが飛び出る位置で固定されると、何とも恥ずかしいペニス置き場になってしまった。

「後は、ずれないようにカバーをかけて、このボタンを押したら完成です」

突き出た台の片側から、幅の広いカバーが引き出されてくる。
カバーは、ペニスの竿部分を全部隠せる大きさで、台の上を通って反対側にたどり着くと、かちりとどこかに固定された。
さらにその上から、ベルトのようなものが二本も巻き付けられ、ペニスは完全に固定されてしまう。
ペニスに布団がかけられたような姿に、微妙な気持ちを抱いていると、三田村くんが座面の下にあるボタンを操作した。
押さえるというには、ふわりとしすぎていたカバーと台に、じゅじゅじゅじゅっと何かが注入されていく。
みるみるうちに膨らんだカバーと台は、ぷっくりと膨れて俺のペニスを包み込んだ。
膨らんだ部分は、何が入っているのかわからないが、人肌のようにあたたかくて、誰かに握られているような気分になった。
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