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2、戸惑いと首輪
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「間宮さん、加圧トレーニングって知ってますか?」
そういって、三田村くんは俺の目の前に、つるつるとした黒い全身タイツのようなものを取り出して見せた。
黒くてつやつやとしたそれは、俺にはどこかいやらしいもののように見えてしまう。
頭がないだけで、人間の形をしているからだろうか?
「なんとなく、だけど、加圧って、これで……?」
「はい。これはラバー製の全身スーツで、僕もいま着用しています。これを着るだけでも、トレーニング効果があるんですよ」
首から爪先まで繋がったそれを俺に渡すと、三田村くんは着ていたティーシャツを脱ぎはじめた。
内側に着ているのは、ただのアンダーウェアだと思っていたが、これと同じものだったらしい。
首回りからぴっちりと体にはりついた黒いラバースーツが、三田村くんの筋肉に合わせてでこぼこしているのが見えた。
三田村くんが、そのままズボンも脱いでいくと、ラバースーツに包まれた全身が露になる。
なんというか、戦隊ものに出てくる敵の戦闘員が着ていそうだな、というのが第一印象で、三田村くんの肉体的なスペックの高さに驚かされた。
三田村くんの体は、これぞ細マッチョという体型で、俺が求めてやまないスリムな体をしている。
こんなすごい体に、こんなにイケメンな顔をつけるなんて、神様というのはなんと不公平なものなのだろうか。
半年間がんばってみても、いまだにぽよぽよとしている体に、平凡な顔をしている俺とは、同じ人間と思えないくらいかけ離れている。
比べるだけ虚しくなった。
「そうです。今日は、このラバースーツでこんな風に全身に圧力をかけながら、スペシャルトレーニングを体験してもらう予定です。ああ、間宮さんは、寝ているだけでいいので、難しいことはありませんから。そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ」
「えっ、俺は寝てるだけでいいのかい?」
「ええ。間宮さんは、これを着て寝ているだけで大丈夫です。トレーニングは、主に機械が行いますが、僕がしっかり補助をしていきますので安心してください」
「へえ、いまはすごいトレーニングがあるんだね」
「簡単すぎて、ハマってしまうお客さんもいるんですよ」
「確かに、寝ているだけで鍛えられるなら、ついついそっちを選んでしまいそうだな」
「もし、間宮さんがハマるようなら、トレーナーには僕を選んでくださいね」
「ああ、もちろんだよ。三田村くんには、ここに来た時からお世話になっているからね。いまさら他の人になんて頼めないよ」
「ありがとうございます。僕、間宮さんのトレーナーとして選んでもらえるるように、がんばりますね」
なんて話をしながら着替えることにしたんだが、三田村くんが忘れ物をしていた、と取り出してきたものを見て、また固まってしまう。
「え、これ、くび……」
「これ、ネックガードっていうんです。ほら、こうやって加圧したスーツが首に食い込まないよう、保護するための道具なんですよ。お肉を挟んでしまうといけませんから、僕が着けてあげますね」
「……ああ、そうだね。挟んだら痛そうだ。三田村くんに、お任せするよ」
女の子が身につけるチョーカーに似ているようだが、おしゃれで着けるには少し太すぎるし、どこか無骨だ。
やっぱり、どう控えめに見ても幅の広い首輪にしか見えないのだが、首を保護するためのものだと言われてしまえば嫌とも言えない。
ましてや、トレーナーである三田村くんが着用しているとなれば、生徒の俺は従うしかないだろう。
安全への配慮だからと、素直に首を差し出して、ネックガードを巻いてもらう。
ただ、動物がつけているものに比べれば、金具も細やかなものであるからか、着けた感じは悪くなかった。
「苦しくはないですか? ゆるすぎると加圧がしにくいので、それなりに締めないといけないんですけど」
「だい、じょうぶ、みたいだ」
まるで、ペットのように首輪を巻かれたおっさんが鏡にうつっている。
トレーニング用のティーシャツに、ハーフパンツをはいた小太りで、冴えない顔をした中年の男だ。
すぐ隣には、黒い艶やかなスーツを着たスリムなイケメンが立っていて、その男の残念さを際立たせてくる。
少しは痩せたと思っていたのに、まだまだこんなにも違うだなんて恥ずかしい。
そういって、三田村くんは俺の目の前に、つるつるとした黒い全身タイツのようなものを取り出して見せた。
黒くてつやつやとしたそれは、俺にはどこかいやらしいもののように見えてしまう。
頭がないだけで、人間の形をしているからだろうか?
「なんとなく、だけど、加圧って、これで……?」
「はい。これはラバー製の全身スーツで、僕もいま着用しています。これを着るだけでも、トレーニング効果があるんですよ」
首から爪先まで繋がったそれを俺に渡すと、三田村くんは着ていたティーシャツを脱ぎはじめた。
内側に着ているのは、ただのアンダーウェアだと思っていたが、これと同じものだったらしい。
首回りからぴっちりと体にはりついた黒いラバースーツが、三田村くんの筋肉に合わせてでこぼこしているのが見えた。
三田村くんが、そのままズボンも脱いでいくと、ラバースーツに包まれた全身が露になる。
なんというか、戦隊ものに出てくる敵の戦闘員が着ていそうだな、というのが第一印象で、三田村くんの肉体的なスペックの高さに驚かされた。
三田村くんの体は、これぞ細マッチョという体型で、俺が求めてやまないスリムな体をしている。
こんなすごい体に、こんなにイケメンな顔をつけるなんて、神様というのはなんと不公平なものなのだろうか。
半年間がんばってみても、いまだにぽよぽよとしている体に、平凡な顔をしている俺とは、同じ人間と思えないくらいかけ離れている。
比べるだけ虚しくなった。
「そうです。今日は、このラバースーツでこんな風に全身に圧力をかけながら、スペシャルトレーニングを体験してもらう予定です。ああ、間宮さんは、寝ているだけでいいので、難しいことはありませんから。そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ」
「えっ、俺は寝てるだけでいいのかい?」
「ええ。間宮さんは、これを着て寝ているだけで大丈夫です。トレーニングは、主に機械が行いますが、僕がしっかり補助をしていきますので安心してください」
「へえ、いまはすごいトレーニングがあるんだね」
「簡単すぎて、ハマってしまうお客さんもいるんですよ」
「確かに、寝ているだけで鍛えられるなら、ついついそっちを選んでしまいそうだな」
「もし、間宮さんがハマるようなら、トレーナーには僕を選んでくださいね」
「ああ、もちろんだよ。三田村くんには、ここに来た時からお世話になっているからね。いまさら他の人になんて頼めないよ」
「ありがとうございます。僕、間宮さんのトレーナーとして選んでもらえるるように、がんばりますね」
なんて話をしながら着替えることにしたんだが、三田村くんが忘れ物をしていた、と取り出してきたものを見て、また固まってしまう。
「え、これ、くび……」
「これ、ネックガードっていうんです。ほら、こうやって加圧したスーツが首に食い込まないよう、保護するための道具なんですよ。お肉を挟んでしまうといけませんから、僕が着けてあげますね」
「……ああ、そうだね。挟んだら痛そうだ。三田村くんに、お任せするよ」
女の子が身につけるチョーカーに似ているようだが、おしゃれで着けるには少し太すぎるし、どこか無骨だ。
やっぱり、どう控えめに見ても幅の広い首輪にしか見えないのだが、首を保護するためのものだと言われてしまえば嫌とも言えない。
ましてや、トレーナーである三田村くんが着用しているとなれば、生徒の俺は従うしかないだろう。
安全への配慮だからと、素直に首を差し出して、ネックガードを巻いてもらう。
ただ、動物がつけているものに比べれば、金具も細やかなものであるからか、着けた感じは悪くなかった。
「苦しくはないですか? ゆるすぎると加圧がしにくいので、それなりに締めないといけないんですけど」
「だい、じょうぶ、みたいだ」
まるで、ペットのように首輪を巻かれたおっさんが鏡にうつっている。
トレーニング用のティーシャツに、ハーフパンツをはいた小太りで、冴えない顔をした中年の男だ。
すぐ隣には、黒い艶やかなスーツを着たスリムなイケメンが立っていて、その男の残念さを際立たせてくる。
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