使い魔スライムと俺

うしお

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94、整えられた朝

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「ん゛ぉお゛お゛お゛お゛ぉっ」

手足を拘束されたまま口を塞がれた俺は、尿道とアナルをひたすら犯されている。
尿道から侵入したスライムは、俺の膀胱の中までトゲだらけのロープのような体をのばし、激しくうねらせながらドリルのように回転し、肉襞を逆撫でるようなピストンで責め立てた。
もちろん、アナルから侵入したスライムも、当然のように結腸の奥まで入り込み、人間のちんこでは絶対に届かないだろう奥の奥まで、激しく容赦のないピストンで犯している。
間に挟まれた前立腺は、前後からの刺激でも十分すぎるほどに気持ちいいというのに、さらに陰嚢の影からぐにぐにと揉まれており、目の前は真っ白になるほどのスパークを起こし続けていた。
もちろん、いまだに一度の射精も許されていない。
膀胱の中は色々な意味でぱんぱんになり、陰嚢も可哀想になるほど、重く垂れ下がっている。
それは、もちろん、スライムがその中にまで入り込んでいるということなのだが、それさえも気持ちよくて狂いそうだった。

【そろそろ、終わりにしておこうか】

そう言ったスライムからの猛攻になすすべもなく、射精を繰り返し、陰嚢が空になるまで搾られてから、ようやく解放された。
ごくごく一般的な、起床時間だ。

スライムが相当手加減してくれたのか、思っていたよりも早く解放された。
いつもなら、回復薬と引き換えに、朝ごはんなんて無視してしまうのだが、さすがに今日はそういうわけにはいかないだろう。
きっと、御前崎教授と一緒に、朝ごはんを食べることになるのだと思う。
そう考えると、どんな顔をして会えばいいのかわからない。
一応、昨日の時点で、すぐに答えを出せないことを詫びる、と決めてはいるが、それとはまた別の問題だ。
せめて、こちらも真摯な態度で向かい合うべきだろう。
それには、スライムとしたままの体で会うのは、少し気まずい。
せめて、シャワーくらいは浴びたいものだが、あの風呂場を勝手に使っていいものなのか、わからない。
もちろん、スライムの教授が、なにかのあとを残しているようなことはないが、これは気持ちの問題だ。
さて、どうしようか、と頭を悩ませる。

【ユウ、この部屋の設備は、好きなように使ってくれと、あの者は言っていたよ。もしそれでも不足があるようなら、そちらの道具を使えばすぐに手配する、ともね】

「あー、うん、わかった」

膝の上でぽよんと跳ねたスライムが、体の一部をするりとのばし、サイドテーブルに乗せられた電話機を指す。
これを使えば、御前崎教授と連絡がとれると聞いても、すぐには動けなかった。
電話機から逃げるように、俺は部屋の中を歩いてみることにする。
俺はまだ、声を聞く勇気すら持てない。

昨日は入口から、ベッドに直行してしまったので、部屋の中になにがあるのか知らなかったが、まるでどこかのホテルのように整えられた部屋には、きちんとしたバスルームと洗面台が備え付けられていた。
もちろん、ちゃんとトイレもある。
それから、電話機の横に、和食や洋食と書かれた札のようなものが置かれていることに気が付いた。
その札は、ドアノブにかけられるようになっていて、まるで、ホテルにでも泊まっているみたいだ、と思う。
確かにこれがあれば、朝ごはんの準備も楽になるだろう、と特になにも考えず、せっかくだからと和食を選択して、外側のドアノブに札をかける。
恐らく、できたら呼んでもらえるのだろう。
それからさらに部屋の中を探索して、ようやく落ち着く。
どうやら外に出なくても、この部屋の中だけで生活できてしまうようだ。
バスルーム横の脱衣スペースには、下着の替えやラフな感じのシャツやチノパンなども置かれていた。

「これが、至れり尽くせり、ってやつか」

俺は、深く考えることは諦め、シャワーを浴びにバスルームへと向かった。
パジャマのままではあれだから、と着替えて出てきた俺は、いつの間にか部屋の中に用意されていた朝ごはんに驚く。
希望通りの和食ごはんだ。
だが、そこにあるはずの人影はない。

「……これは、ホテルというより旅館だな」

添えられていたメッセージカードを見ながら、ひとりでごはんを食べる。
用意された食事に罪はない。
もちろん、用意した人間にも罪はないが。
昨日から感じていた胸のもやもやがおさまらない。
むしろ、もっとひどくなった気がする。
どんな顔をすればいいかと悩んでいたくせに、顔を見なくて済むこの状況を喜んだりすることができない。
それもそうだ。
別に会いたくないと言った覚えはない。
ただ、答えられないということが、気まずいだけなのだ。
それは、あちらも同じということなのだろうか。
……俺を、好きだと言ったのに……?
傲慢な考えが思い浮かび、即座にそれを否定する。
いまの俺には、そんな風に思う資格さえない。
俺は、なんてめんどくさい人間なのだろう。
深くため息をつく俺を、スライムだけが見つめていた。
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