使い魔スライムと俺

うしお

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62、頼れる味方

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「……は、ぁ……ぅ、ン……ふ、ぅ……っ」

結局、打ち止めになるまで、イかされ続けた。
ナカイキによる天にも昇るような気持ちよさと、不完全な射精がもたらした言葉に出来ない苦痛にまみれた快楽が、俺の中で複雑に渦巻いている。
正直なところ、途中から自分が気持ちよくてイっているのか、痛くてイっているのか、わからなくなっていた。
ただただ、終わらない絶頂がもたらす嵐のような快楽に翻弄されることしか出来なかったのだ。
しかし、甘美な絶頂の余韻が消えたあとは、出口を塞がれたことで溜まってしまった小水と、逆流して膀胱に流れ込んだ精液のダブルパンチで、俺の膀胱は限界まで膨れあがっていた。
いまはもう、耐え難い苦痛だけが残っているだけだ。
もはや、誤魔化しがきかないくらい、下腹部から感じる圧迫感は膨れあがっている。
あまりの圧力に、大きく息をするのも躊躇われ、浅い呼吸でやり過ごすことしか出来ない。
だが、どれだけ呼吸をすれども、楽になれる気配はなかった。

それは、当然の話だった。
圧迫感の原因である膀胱の出口は、完全に塞がれている。
それは、前立腺の中を塞いでいるからではなく、肉襞にぴったりと貼り付くように広がったスライムのせいだ。
ほんの僅かな水分すら、通しはしないと言わんばかりに、スライムは俺の尿道の中いっぱいに広がっていた。
どうすれば、この苦しみから逃げられるのか。
苦しみから逃れるためなら、どんなことでも耐えられる、気がする。
いや、なんとしても耐えるから、何とかして欲しい。
誰でもいいから、助けて欲しい。
もう、楽になりたい。
抱え込んだ消えない苦痛によって、俺の思考はどんどん解放への渇望に引っ張られていく。

「大丈夫かね?」

「ひゃ、ぅ……っ」

だから、声をかけられた時、俺は助かったと思ってしまった。
心配そうに顔をのぞき込んでくるその人が、俺を救ってくれると思ったのだ。
だから、御前崎教授に抱き起こされた時、俺は迷わずその腕に身を委ねていた。
全身を預けるように、そのたくましい胸板に頬を寄せれば、力強い鼓動の音が聞こえてくる。
シャツ越しに感じる肉体と鼓動から感じる教授の頼もしさに、俺は思わずほうっと安堵のため息を吐いていた。
もし、体を自由に動かせていたなら、俺はきっと自分から教授に抱きついていただろう。
そう思えてしまうくらい、俺は教授のことを、頼もしいと感じ始めていた。
俺が触れた場所から、教授のシャツはじわりと濡れ、頬にぺたりとはりついてくる。
教授は、服を着たまま濡れた床の上に座り込み、俺の体を支えてくれていた。

「ぁ、だ、め……ぬれ……」

俺は何度も繰り返した絶頂により、いつの間にか、汗をかいてびっしょりと濡れていた。
特に、顔などは汗だけでなく涙やよだれも混じっていて、酷いことになっている。
慌てて教授から離れようとしたが、逆に強く抱き寄せられ、教授の腕の中にすっぽりとおさめられてしまった。

「大丈夫だから、私の腕の中ここにいなさい。服など濡れても構わないからね」

「でも……っ」

「気にしなくていい。それより、体の方は落ち着いたかね?」

教授の手が、ぐったりとして指一本動かせない俺の頬を優しく撫でた。
それから、はりついていた前髪をよけると、あらわになった額にちゅっと軽く口付けてくる。
唇が軽く触れただけの額から、ぞくぞくするような快感が全身に広がった。

「ンっ、ふ……ぅ、は……ぁ、すこ、しは……ぁ」

ふるりと体を震わせた俺を、教授は優しく見下ろしている。

「んん……っ」

濡れた髪を耳に掛けられると、僅かに耳を掠めた指先の感触に体がぞくりと震えた。
連続絶頂の影響は、まだ体から完全に抜けたわげではないようで、ほんの少しの刺激でも気持ちよくなってしまう。

「そろそろ、君のペニスを楽にしてあげてはどうだろうか?」

「…………ぇ」

突然の問いかけに、俺の口から声になりきれない吐息が漏れた。

「見てごらん。君のペニスを」

教授の視線に促され、俺は自分のちんこに目をやった。
何度も射精したはずのちんこが、萎えることも許されず、勃起したままそこにある。
あれほど苦しいと感じていたはずなのに、安心出来る教授の腕の中では、不思議とその事を忘れてしまっていた。
しかし、赤黒く熟れた亀頭が、尿道口からスライムの先端をのぞかせ、苦しそうに先走りを滴らせているのを見てしまえば、あの耐え難い苦しさだけでなく、理性までもが呼び起こされる。
苦しいと思いながらも、ちんこがびくんびくんと震えているのは、教授に視られているからだろうか。
はしたなく蜜をこぼし続けるちんこが、自分のものであるということが、何故だか無性に恥ずかしく思える。

「ずいぶんと苦しそうだ。……これを抜いてあげれば、君は楽になれるのではないかな」

これと教授が指差したのは、ちらりとのぞくピンク色のスライムだ。
細長くのびた体で尿道から膀胱までを塞ぎ、そして、満たし続けているもの。
俺がいま味わっている苦しみの原因のひとつである。

「私が、手伝ってあげようか?」

それは、つい先程まで願っていたことだった。
俺はずっと、動けない自分の代わりに救ってくれる人を求めていた。
今すぐにでも頷くべきだ、と考える自分と、でも、と躊躇う自分がいる。

「悠一、辛かっただろう? もう、我慢しなくていいんだ。これを抜いてとお願いしてごらん。そうすれば、すぐにでも楽にしてあげられるよ」

優しく囁かれ、頷きたくなる。
けれど、追い詰められてなお、俺はまだ頷けずにいた。
少なからず、理性を取り戻してしまったせいだ。

俺の尿道口から膀胱まで、すべてを埋め尽くし、支配しているのはトゲ付きスライムだ。
これが尿道を塞いでいる限り、俺に排泄が許されないことは、嫌というほど思い知っている。

動けないいまの俺には、スライムを抜く手段がない。
解放されたければ、教授に頼まなければいけないのだ。
それも、いまなら簡単なことだった。
ただ一言、すぐ目の前にいる御前崎教授に、スライムを抜いてください、と言うだけでいい。
そう、お願いするだけでいいだけのこと。
それなのに。

その一言が、俺にはなかなか口に出来なかった、
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