使い魔スライムと俺

うしお

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20、溢れ出す願い

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スライムの上に出来た水溜まりがあふれ、一筋の川となってベッドへ落ちる。
重力に逆らえずに落ちていくそれは、スライムに阻まれ、肌にすら触れてもいないのに、いまだに身動きがとれないままのこの体を煽ってやまない。
背筋をぞくぞくと稲妻のように駆け抜けていく快感は、ひくひくと痙攣し続けている尿道へも確実に響いている。
何もされていないのに、いや何もされていないからこそ、されることへよ期待が高まりひくついてしまうのが止まらないのだ。
どれだけ積み上げられても、決して絶頂には届かないだろう弱い快楽ばかりを積み重ねられ、ひたすら身悶え続けることしか許されていない不自由さが、また新しい快楽を生んでいた。

「はぁ、……あぁ、も、ぉ…………いき、たいぃ」

ぽろりとそれが口からこぼれたのは、長く続く生殺しのような快感に、もう限界を迎えていたからだろうか。

「ぅううぅっ、もぉ、イきたい、イきたい、イきたいイきたいイきたい……」

一度口にしてしまったら、もうそれしか考えられなくなった。
それなのに、いま俺の体は自分の思う通りには動かせなくて、どんなに願ったとしても、自分でどうにかすることなど出来ない。
何も出来ない俺がいま、唯一頼れるのだとしたら、この体を包み込んでいる俺の使い魔スライムだけだった。

「きょーじゅっ、きょーじゅぅっ、おきてっ、ねぇっ、おきてぇっ、イかせてっ、イかせてよぉっ」

何も意識しなくても、バカみたいに甘ったるく、媚びるような声が出た。
それでも俺は、俺を助けてくれるのは、このスライムしかいないとばかりに、全力でねだった。
何度もねだり、ねだるごとに加速していく願いを次々と並び立てていく。
それがどんな結果に繋がるとも知らぬままに。

「ねぇっ、きょーじゅっ、きょーじゅは、おれのつかいまでしょぉっ、はやくおきて、おれのちんこ、ずぼずぼしてよぉっ、いっぱいいかせて、ぜんぶたべていいからぁっ」

俺はみっともなくぐすぐすと泣きながら、動いてくれないスライムにお願いし続けた。
とにかく、起きて欲しかった。
スライムが目覚めたら、すぐに助けてくれるといつの間にか信じていたのだ。
この終わりの見えない、ただただ寸止めにされているよりもなお辛い地獄から、助け出してくれるのはこのスライムしかいないのだと。
本気で、そう思っていた。

「あ゛っ、あ゛あ゛あ゛あ゛っ」

やがて、俺の願いはスライムに届いた。
俺の体を薄く覆っていたスライムが、一斉に動き出す。
首から爪先まで満遍なくしゃぶりつかれながら、快感を得られるところだと知ってしまったへそをほじられ、脇を舐められているすぐ横で、乳首が強く噛み潰されているかのような衝撃にさらされる。
スライムに見付けられた快楽のツボすべてを同時に責められて、それでもなお絶頂にはたどり着けない。
さらにあふれるようになった先走りをだらだらとこぼしながら、突然始まった快楽責めに啼かされる。

【ああ、私のマスターは、なんて可愛らしくお願いをしてくれる人なのだろうか。とても、とても、可愛らしくて、とても、とても……迂闊なおねだりだと思わなかったのかね? そんな風に何もかもを差し出すようなおねだりをしたら、私がどんなに理性のあるモンスター使い魔でも、優しくなんて出来なくなるとは思わなかったのかな? それとも、もっと酷くされたくて、わざとそんな風におねだりをしたのだろうか? それがユウの望みだというのなら、私がいくらでも叶えてあげよう。そう、たっぷりとね】

こりこりと噛み潰されながら、ぬろぬろと舐め回され、ちゅるちゅるときつく吸い上げられる。
体の至るところから、俺が待ち焦がれていた快感が、一瞬で限界を越えてしまいそうなほど一気に与えられた。

「あ゛っ、い゛ぐっ、い゛けるぅっ、い゛っぐぅっ、あ゛っ、あ゛あ゛あ゛あ゛っ」
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