使い魔スライムと俺

うしお

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19、ままならぬ朝

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「…………ぅ…………っ、ぁっ」

トイレに行きたくて、目が覚めた。
目を閉じたまま起き上がろうとして、動けないことに気が付く。

「……ん、んぅ……っ?」

しぱしぱと瞬きしながら目を開けて見れば、見慣れた天井が目に入る。
ベッドに仰向けで寝ていたらしい。
普段は、横向きで寝ることが多いので、なかなか珍しいことだと思う。
それにしても、体が全く動かない。
もしかして、これが世に言う金縛りというやつだろうか?
金縛りといっても、幽霊が~とかオカルトじみたことをいいたいわけではない。
俺の考えている金縛りは、医学的には睡眠麻痺と呼ばれる状態の方だ。
睡眠時の全身の脱力と意識の覚醒が同時に起きてしまうと、意識は目覚めているのに体が全く動かなくなるという現象が起こる。
学生の頃、よくなっていた現象なので馴染み深い。
一時期、本当に幽霊の仕業なのでは?と疑ったこともあり、必死になって調べたのだから間違いないだろう。
それにしても、何もこんなときにと思わなくもないが、少し経てば体も覚醒し、動けるようになると知っているので、焦りはしない。
だけど、そんなことは知らんとでも言うように、目覚めるきっかけとなった尿意がみるみる高まってきていた。
ちんこがひくつき、出口を求めて動こうとする小水の圧力に、いまにも屈服してしまいそうだ。
この歳で、おねしょは勘弁してくれ!

「なんっ、なんで、ぇ、……やっ、やだっ、でるっ、でちゃうぅっ、まっ、まってっ、とめっ、とめてぇっ」

漏らししそうなちんこをいますぐ掴みたいのに、体は全く動けないままだった。
いくらなんでもこれはおかしい、と見下ろせば、昨日の夜のままスライムに拘束されていてびっくりする。
あの複数の人間にねっとりと舐められながら、全身に隠れた快感の芽を掘り起こされている感覚はない。
ただ薄く伸びたスライムに巻き付かれていて、動けないというだけだ。
きっと、また休眠状態に入っているのだろう。

「は……っ、ぁ……っ」

スライムの目覚めを想像するだけで、ぞくりとしてしまうのは何故なのだろうか。
剥き出しになったちんこが、よだれを垂らしながらゆっくりと起き上がる。
ひくひくと先端の小さな口が震えているのは、スライムによって何度もそこに刻み込まれた快楽のせいだろうか。
何もされていないはずのちんこが、快楽の記憶に引きずられ、みるみる硬くなっていく。

「……は、ぁ……っ、ん、ンンッ」

ベッドの上でスライムに巻き付かれて、動けないままの俺のちんこが勃起していく。
そのお陰で、とりあえず漏らす心配はなくなったが、このままでいればいずれ決壊するのは目に見えている。
きっと、こんなところでおもらしをしたなら、俺のちんこはスライムによってきついお仕置きをされるのだろう。
ちんこが蕩けてしまうような、快楽に泣き叫ぶようなお仕置きを。
そんなとんだ変態プレイのような未来を思うだけで、ちんこの奥が勝手にきゅんっと疼いた。

「ぁ、ぁ、ンンッ」

それは、一度では終わらなかった。
連鎖するように、きゅんきゅんと尿道の奥が締まって、少しずつ快感を生み始める。

「ゃ、あっ、なんっ、なんでっ、ち、ちんこ、へんっ、ぁ……あ゛あ゛っ、イけなっ、いっ」

寝る前だったら、それだけで何度も絶頂していたに違いない。
精液や小水でイくほど敏感だったそこは、何故かもどかしいくらい弱い快感しか生まなくなっている。
手が使えたなら、すぐにでもちんこを扱いていただろう。
腰が動かせたなら、何処にでもちんこを擦り付けていただろう。
けれど、いまの俺はどちらも出来ないどころか、拘束されているせいで何もすることが出来ず、寝る前には溢れるほど与えられていたあのイき狂うほどの快感が、どうしても手に入らない。

「なんでっ、やっ、あっ、イけなっ、イきたっ、あっ、っ」

出したいものが変わっただけで、出せないことには変わりがない。
ひとりで悶えて揺れるちんこから、先走りが撒き散らかされる。
それは体を覆っているスライムの上に、ちょんっちょんっと落ちて小さな水玉になり、少しずつ寄り集まって小さな水溜まりになり始めた。
息を荒くしながら、体にはりついたままのスライムを見つめてしまう。
淫らな雨は止まることなく、スライムへと降り注いでいる。
いつ、スライムは目覚めてくれるのだろうか。
気が付けば、俺はスライムの目覚めを待ち望んでいる。

果たして、スライムが目覚めたなら、俺は何を望もうというのだろうか?
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