恋は熱量

うしお

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52、貫通

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「うぅ……っ、どうして、だめなの……おれが、でき……んぅっ、ンンッ」

「……っ、待った、それはなしだ」

がばりと起き上がった男が、出来損ないと言いかけたジュールの唇を頭を引き寄せて塞いだ。
少し乱暴なくらい素早く入り込んできた舌が、ジュールの舌を捕まえ、どろどろに蕩かしはじめた。

「ぁ、んむっ、ふ、ぁ……っ、ぁンンッ」

激しい口づけに蕩かされながらも、ジュールもすぐに男の首へ腕をまわして、しっかりと抱きついた。
ジュールがしっかりと抱きついたのを確認すると、それまで腰を支えていた男の手が、するすると脇腹を撫でながらあがってくる。
ぞわぞわと粟立つ肌にくふんくふんと甘い吐息を漏らしながら、男がくれる深い口づけに、ジュールは必死で応えた。

「あんたは、可愛くて最高の淫魔だよ。あんた自身でも、悪口を言うのはなしだぜ」

「んふぅッッ」

ふたつの乳首が同時に摘ままれ、くりゅんっと捻り潰されて軽く絶頂させられる。
すっかり性器に変えられた乳首は、少し痛いくらいに責められると気持ちいい。
軽く絶頂を繰り返すジュールを、乳首をくりゅんくりゅんと責め立てながら、男は優しく腰をゆらして突き上げてくる。
ジュールと男の間からは、ぐちゅっぐちゅっといやらしく濁った水音が聞こえてきた。
まるで、突き当たりの壁と陰茎の先端が、ジュールと男の唇みたいに一生懸命口づけしているようだ。
ジュールも男の口の中に舌を差し入れ、器用な男の舌を追いかける。

「んっ、ふ、ぅ……っ」

乳首を摘まみ上げていた手が、優しく褒めるみたいにジュールの頭を撫でる。
もう片方の手は、ゆっくりとお腹をすべりおりていった。

「んんっ、ふ、ふぅ……ぅンンッ」

撫でられるだけでジュールの体はぞくぞくと震え、男の陰茎をきゅんきゅんと締め付ける。
ジュールの体がこんなに欲しいと訴えているのに、男の陰茎はまだ奥まで入ってきてはくれない。

「なぁ、本当に、ここに入っても……あんたの初めてをもらっていいのか?」

中に入った陰茎の先でも確かめるように、男がゆっくりとした手つきでびくびくと震えるジュールの腹を撫でた。

「ふぁ、……んんぅっ、きてぇ……っ、おれの、はじめて、もらってぇ……っ、どうして、いれちゃ、だめ、ですか? おれ、ぜんぶ、きもちよく、したいよぉ……っ、ねぇ、きもちよくなって……っ、もっと、うれしくなってぇ……っ」

「……俺にもらって欲しいって思ってくれるのか。入れたいのは、気持ちいいからってだけじゃないんだな。わかったよ……本人のお願いだし、俺が責任持って気持ちよくするって約束もしたしな。ここのとこ、もっとお腹に力を入れてみな。全部入るように、がんばるから」

「おなかに、ちから……? んっ、んぅうぅ……っ」

「そう、その調子だ」

「んぅっ、ふ、ぅンンッ」

ジュールは男に言われるまま、しっかりと抱きつきながら、ぐっとお腹に力を入れてみた。
中にいる男の存在をしっかりと感じられるようになったが、陰茎はまだジュールの奥には届かない。

「ああ、上手だ。そのまま、ちょっとだけ、我慢しててくれ」

「ンッ、んぅッ、んぅッッ」

男はジュールを抱き締めてそう囁くと、ジュールの腰をしっかりと掴み直し、奥の壁をぐりんぐりんと下から抉るようにして突き上げはじめた。
ジュールの腹の中からは、次第にぐちっぐちっと濡れた二人の体が強く擦れあう音が聞こえるようになる。
男に突かれる奥の壁が気持ちよくてたまらない。
ジュールは、押し上げられてしまわないよう、男の体にしっかりとしがみついて、その突き上げにじっと耐えた。
ふいに、ぐぷっと奥の壁が僅かに拡げられたような感覚がして、ジュールがぎゅっと歯を噛み締めてそれに耐えると、首の後ろを強く引き寄せられた。

「もう、力を抜いていい。入るぞ」

と、囁かれたと思った時には、ジュールは男に抱き締められながら、強く突き上げられていた。
ジュールの尻に濡れた陰毛がざりゅっと押し付けられ、男の陰茎が根本まで入ったことを教えてくれた。
まるで、全身を稲妻が突き抜けていったようだった。
ジュールは男に抱きついていた手足をぴんとのばし、後ろに大きく仰け反りながら絶頂させられていた。
男がしっかりと抱き締めていてくれなければ、いまごろジュールは床に頭を叩きつけていたことだろう。
思っていた以上に絶頂は深く、そのまま手足が痙攣したように震えたまま、ジュールは声もなく天井を見上げていた。

「………………ぁ、ぇ…………っ」

「大丈夫か? 辛かったら、すぐに抜くぞ。お腹が痛い、とか、おかしなところはないか?」

優しく撫でられるだけで、全身がびくびくと震えた。
根本まで入れられた陰茎をぎゅうぎゅうと締め付け、ジュールは与えられた大きな快楽に押し上げられ、溺れた魚みたいに口をはくはくと震わせた。
ジュールは、そのまま奥まで満たされた幸福感に、深く絶頂した。
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