恋は熱量

うしお

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44、告白

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輝くような美しい獲物を分けてくれた男には、誰よりもジュールの尻の穴を好きなように好きなだけ使う権利があった。

ジュールの尻の穴をじっくりほぐす必要などなく、濡れた穴に猛る陰茎を突き立て、まだ硬いままの穴の狭さを楽しむことができた。
多くの客は、ジュールが尻の穴を引き裂かれるような痛みに体をひきつらせ、青ざめながら泣き出す姿を無様だ、と嘲笑うことを好んでいた。
少しでも痛みを避けるため、尻の穴を自らの手で念入りにほぐしておけば、ゆるすぎて使い物にならないと怒られ、大きすぎる性具を無理矢理捩じ込まれたり、陰茎を突き立てられながら鞭で打たれたりした。
それから、ジュールは最低限濡らすだけで準備を終えるようになった。
それに、男の陰茎をジュールに跨がせ、自分から腰を振って扱くように命じることだってできた。
客の体に触れることは許されず、しゃがみこんで硬くそそり立つ陰茎を尻の穴に受け入れ、膝の曲げのばしだけで絶頂へ導けと命じられたこともある。
頭から大きな袋を被せられ、何も見えないまま必死に体を動かす姿を、やはり無様だみっともないやつだと嘲笑われた。
客の陰茎だと思って受け入れたものが、ただの性具ならばましな方で、魔物かたどった石像の陰茎だったり、粗く削っただけの薪木だったこともあった。
その場合は、尻の穴が裂けても根本まで受け入れなくてはならず、何度も抜き差しを繰り返さなければ許してもらえないことが多かった。
一度、ひどい客に痛めつけられ、意識が朦朧としている時、ジュールよりも大きな魔物をあてがい交尾させようと話しているのを聞いたことがあった。
娼館街から追い出されたことで、実際にやらされることはなかったが、いつその日が来るのかと毎日怯えながら過ごしていた。
そういう意味では、追放されてしまったことは、ジュールにとって幸運だったと言えるかもしれない。

けれど、男はどのような選択肢も選ばなかった。
自分の陰茎がこんなにも滾っているのに、ジュールに入れさせろと迫ることもなく、ただただジュールの体を優しくほぐして、蕩けさせただけだった。
大事にされたのだと思う。
ジュールも、他の人たちと同じように。
それが、こんなにも嬉しいことだということを、ジュールは初めて知った。

「……ちょうだい……っ、おれに、ちょうだいっ、あなたをぜんぶ、おれにっ、……そ、それから、おれを……おれをっ、………………お願い……好きに、なって……っ」

ジュールを見守る男の目を見ながら、思うままに言葉を紡いだ。
最後の言葉は、とても小さく掠れ、男の耳まで届けられたかもわからない。
ただ、僅かでも望みがあるのならば、ジュールを受け入れて欲しかった。
目の前が溢れてくる涙で滲んだが、ジュールはそれでも男の瞳を見つめ続けた。

「ああ、もちろんだ。好きなだけ、俺をもらってくれ。それから、俺はな、とっくにあんたのことを好きになってるよ。おねだりなんかされなくても、こんなに可愛らしいあんたを好きにならないわけがないだろ」

男の手がジュールの前髪をかき分け、ぽろぽろと涙を流し続ける真っ赤な瞳をさらけ出した。

「ああ、また泣かせてしまったな。お願いだから、あまり泣いてくれるなよ。あんたの涙は、すごくそそられるんだ。なんだか、もっと泣かせたくなってしまう。もちろん、こいつで、だけどな?」

悪戯に成功した子どものような顔で男が笑う。
硬くなった陰茎を陰茎に擦りつけられ、ジュールは顔を真っ赤にして何度も頷いた。
びっくりして涙が止まると、男が目尻に優しく吸いついて、ジュールの涙をたちまち飲み干してしまう。
それが、またくすぐったくて、思わず泣き笑いになった。

「……おれを、なかせてください。…………あなたのおちんちんで、いっぱい、なかせて」

まるで夢を見ているみたいにふわふわとしていた。
もう一度、男の唇が目尻に口づけてくると、ジュールはうっとりとして、思わず囁くようにねだっていた。
すぐに我に返ったジュールは、唇をきゅっと閉じて真っ赤になった。
そのまま、自分の言った言葉の恥ずかしさに耐えきれなくなってうつむくと、座っていたはずのジュールは、一瞬のうちに天井を見上げることになっていた。
顔の横には、男の腕が二本、まるで柱のようにそびえ立っている。
ジュールは、いつの間にか床に寝転ばされていた。
吊るされた灯りが背後からあたるせいで、男の顔は暗く塗りつぶされ、どんな表情をしているのかまるで見えなかった。

「……え?」

「………………はぁっ、なんかもう、童貞に戻った気分だわ。ごめんな、いまのはちょっと本気で危なかったわ」

思わず、きょとんとしたジュールを男は、優しく囲い直した。
二本の腕が折り曲げられると、短くなった柱に合わせ、天井となる男の体が近くなる。
暗く塗りつぶされていた男の顔が、よく見えるようになっていた。
男はジュールの髪を撫で、耳を撫で、それから頬にそっと手をそえると、優しく触れるだけの口づけを唇に落とした。
すぐに離れていった熱に、少し物足りなさを感じて唇を開けば、ねだる前に今度は口づけが雨のように降ってきた。

「背中、痛くないか? 悪いけど、ちょっとの間だけ我慢してくれるか?」

男はジュールの顔中に口づけの雨を降らせ、優しく唇を啄んだ。
優しい言葉とは裏腹に、ぎらぎらと雄の欲望に滾る瞳は、ジュールを捕らえて離そうとしない。
それから、たくましい陰茎も、捕らえた獲物を食らい尽くそうとでもするように、よだれをだらだらと垂らしながらジュールに狙いを定めていた。
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