恋は熱量

うしお

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「ひぁッッ、あ゛っ、はぁッッ、ンンッ、ふぅ、う゛う゛っ、ん゛ぁあ゛ッッ、ひぃッ、ンッ、んッッ、は、ぁあ゛あ゛あ゛あ゛ッッ」

まるで熟れた果実だな、と男は微笑んで、ジュールの乳首をやわらかく食んだ。
そして、ただやわらかく食むだけではなく、小さいが食べごたえがありそうだと言っては歯を立て、よく熟れているから汁が出そうだと言っては啜りあげた。
ジュールがもう食べないでと必死にねだったが、聞いてはもらえず、結局、陰茎から白濁を漏らすまで責められ続けた。
男はどうやら、ジュールの陰茎に指一本触れないまま、絶頂へと導きたかったらしい。
左右の乳首から快感を流し込まれ、ジュールがこらえきれずに白濁を漏らした途端、絶頂に震える体が優しく抱きしめられた。
右も左も関係なく食い尽くされ、男の舌と指でたっぷり喘がされたジュールは、疲れてたくましい男の胸にもたれながらくったりとしている。
しゃぶり尽くされた乳首は赤く腫れ、じんじんと熱を持っているようだった。

「ああ、真っ赤に熟れて、いやらしいな。可愛いあんたにお似合いだ」

こめかみのあたりに口づけが落ちてきたが、ずくずくと体の奥が疼くような快感に囚われたジュールは返事をすることすらできない。
全身が淡く痺れたように震え、小さく絶頂を繰り返しているみたいだった。

「ほら、あんたも食べとけ。まだまだこれからだからな」

触られただけで絶頂してしまいそうなほど敏感になってしまったジュールの唇に、男の唇がそっと重ねられる。
ただ優しく触れさせるだけの口づけに、びくびくと体を震わせながら、ジュールは唇をうっすらと開いた。
男の舌が入ってきやすいようにと。

「……ああ、いい子だ」

ゆるく弧を描いた唇から、待ちかねていた舌が入り込んできて、ジュールの気持ちいいところをくすぐってくれる。
ジュールは、快感に震えながら、精一杯舌をのばした。

「ん……ふ、ぅ……っ」

覚えたてのつたない舌を器用な舌が掬い上げ、そのままねっとりと絡みついた。
どれだけ舌を擦り合わせても、男の味などわからない。
それでも、ジュールの体は、これが欲しかったのだと、再び出会えた悦びに震えた。
久しぶりの食事にありついた獣のように、ジュールは男の舌を貪るように味わった。
男の舌は、ジュールの舌をダンスにでも誘うかのように、なめらかにエスコートし、快楽の世界へと誘っていく。
癖になりそうな感覚だった。
それから、これまで味わったことのない甘く蕩けるような極上の精気の虜にも。
深い口づけをたっぷりと交わす間、男の手はジュールの頭を優しく撫でてくれた。
それから、耳を撫で、首筋を撫で、あごの下をくすぐって、赤みが引きはじめた乳首にも触れてきた。

「治るのが、早いな」

惜しみなく分け与えられた精気が魔力へと変わり、ジュールの体を癒していく。
赤く腫れた乳首も、治すべきものであると認識されたらしい。
真っ赤に腫れた乳首は、二倍以上に膨れあがっていた。
男が興奮してつけた噛みあとは、乳首だけでなく、そのまわりにまでおよんでいた。
少し痛々しいくらいに見える噛みあとが、いくつも重なりくっきりと残っていたはずだった。
それが、すっかり綺麗になっていた。
腫れた乳首は元の慎ましやかな大きさに、乳首や周囲に散らされていた噛みあともまっさらに。
けれど、色味が元に戻っても、新しい性器に変えられてしまった乳首は、何も知らなかった頃には戻れなかった。
優しく触れられれば硬くなり、強く摘ままれれば快感を生む。
いまも、きゅうっと軽く押し潰されただけで、甘く痺れるような快楽の稲妻がたちまち全身を突き抜けていった。
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