恋は熱量

うしお

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21、猛火(2)

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「ふ、ぁッ、ぁふッ、ぅううぅンンッ」

そのお返しは、何十倍にも膨れ上がって返ってきた。
男の口づけはただでさえ燃え盛る炎のようであったが、さらに油を注いでしまったような猛火となってジュールに襲いかかってくる。
男の舌は上あごの裏だけではなく、ジュールの口の中全部を味わうように、色々なところを舐めはじめた。
ジュールはもう途中から、自分が何をされているのかもわからなくなるくらい気持ちよくなって、溢れ出た唾液を飲み込むことすらできなくなった。
口の端から混ざりあった唾液がだらだらと流れていくが、ジュールにはそれを気にする余裕などどこにもない。

「ああっ、もう最っ高に可愛すぎんだろっ、たっまんねぇなぁっ。ああ、もう、連れて帰りてぇっ、いますぐ連れて帰って閉じ込めてぇええ……っ、と、いっ、いまのは、本気じゃねぇからな? あ、いや、連れて帰りてぇのは本当だけど、ああ、もう、そんなことを言いたいんじゃなくて……っ、えーっと、あ、ほら、次は舌を吸ってやろうか。ちょっと、こうやって出してみな。あんた、強く吸われるのも、大好きだろ?」

「ふわ、ぁ……ひゅう……っ」

くらくらするくらい気持ちよくて、何を言われたのかよくわからなかった。
ただ、男がちろりと舌を出して見せたから、ジュールもそれを真似してちろりと舌を出しただけだ。
だが、それで充分だった。
ジュールが差し出した舌に、男が素早く食いついた。
さっきのジュールみたいに男が釣れる。
あ、と思った時には、ジュールの舌は男の口の中に引きずり込まれていた。
ジュールが舌を引っ込めるよりも早く、そのままぢゅるっと吸い込まれる。
軽くではあるが、舌には歯が立てられていて逃げられない。
ぢゅるっぢゅるっと舌を強く吸われて、根本から引きちぎられてしまいそうなのに、たまらなく気持ちいい。
なんだか、食べられているみたいだ。

「あぅっ、ふぃゃ、あふ……ぅ、んふぅ……うぅっ」

強く吸われた舌が、じんじんする。
敏感になった舌にぴたりとはりつき、すりすりと擦り付けられる舌のざらざらした感触が気持ちいい。
ジュールは背中をぞくぞくと震わせながら、新しい快感に体が蕩かされていくような心地になった。

「ふ……っ、ああ、こりゃすごいな。見てみろ、あんたのチンポ、口づけだけで大洪水だぜ」

快感に蕩けていたジュールの耳に、かりりっと軽く歯を立てた男が囁く。
ふぅっと掠めるように吹きかけられた息に、ジュールの体はびくびくと跳ねあがる。

「ひ、ゃあ、あぁ……っ」

「ほら、見てみろって……」

再度促されて、ジュールは男の体にくったりともたれながら、それを見た。
ジュールの陰茎は、すでに射精したあとのようにびっしょりと濡れていた。
男の指先が、こぷこぷと先走りを溢れさせている小さな穴をくすぐり、ねっとりと糸を引くそれを目の前で見せつけてくる。

「ゃ、やぁ、みな、ぃい……みせ、ないれぇっ」

たくさん吸われていたせいで舌が痺れていた。
痺れた舌でしゃべると、舌ったらずのようになって恥ずかしい。
それでも、伝えたいことはちゃんと伝えなくてはと、ジュールはがんばって訴えた。

「どうして? これは、俺があんたを気持ちよくしてやれた証拠だぞ。嬉しくて、どれだけ見てもあきないくらいなのに見てくれないのか? 本当は、口づけだけで射精させられたらいいんだけどなぁ、さすがにそれはまだ無理だろうから、今日はここまでにしておこうか」

「……ぇ?」

「次は、こっちだ。乳首を触られたことはあるか?」

先走りで濡れた指が、ジュールの乳首を摘まもうとしている。
いつの間にかぷっくりと腫れた乳首の上を、ざらざらとした指がぬるぬるとすべっていくのがたまらなく気持ちいい。
こんな風に触られるのは初めてで、ジュールは体を反らしながら悦んだ。
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