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15、淫魔(4)
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幼い頃は、ジュールも淫魔らしい可愛い姿をしていたのだと思う。
成人する前のことはあまりよく覚えていないが、そうでなければ、娼館もなんの役にも立たない赤子のジュールをそのまま育ててなどくれなかっただろう。
老人が亡くなり、新しくジュールの世話をしてくれるようになった下働きの男は、ジュールを抱き締めてくれることはなかったが、他の淫魔たちと同じ量の食事をくれるようになった。
他の淫魔と交流もなく、おとなしかったジュールは部屋で放置されるようになり、少しずつ変化していく体には誰も気がつかなかった。
まさか、尻尾の種類ひとつでここまで特徴が違うとは思っていなかったのだろう。
ジュールの体の変化に、娼館主が気づいた時には手遅れだった。
誰からも触れられることなく、性徴に必要な情欲を含んだ精気をろくに与えられなかったジュールは、食べ物からの魔力だけで成長し、精器が成熟しないまま成人を迎えた。
そろそろ成人が近いからとジュールの様子を見にきた娼館主が見たものは、同じ淫魔とは思えないごつごつとした筋肉と美しさの欠片もない厳つい顔に変化したジュールだった。
神秘的な組み合わせだと言われていた艶やかな黒髪に蠱惑的な紅の瞳はそのままでも、それを兼ね備える体がごついマッチョとなれば話は変わる。
禍々しい黒髪に血塗られた紅の瞳は、まるで死神のようだと忌避された。
娼館の片隅にあった部屋は地下へとうつされ、ジュールの成人の儀式は目隠しと猿轡に拘束具と不穏に彩られたものになった。
ジュールの相手に選ばれたのは、淫魔をちやほやしてくれる裕福な人たちではなく、駆け出しの貧しい冒険者たちだった。
可愛らしさのないジュールでは、よい客がつかないと判断した娼館主が、稼ぐようになれば上客になる可能性のある冒険者と縁を繋ぐための道具として利用したのだ。
ジュールの尻の穴には、ねっとりとした媚薬入りの油が塗りつけられ、一晩中誰かの陰茎を突き立てられながら過ごした。
何も見えず、何も言えず、何処にも逃げられないジュールは、代わる代わる突き立てられる陰茎に犯され、くぐもった悲鳴をあげながら、悪夢のようなお食い初めを終えた。
せめて、ジュールの精器がきちんと熟成していたのなら、それでもよかった。
どんなにひどいお食い初めであっても、大量に注ぎ込まれた精液から精気が抽出されてしまえば、ジュールはありあまるほど大量の魔力を獲られただろうし、可愛らしい顔や美しい体を取り戻せていたかもしれない。
けれど、人の情欲をほとんど与えられなかったジュールの精器はいまだに不完全で、溢れるほど注がれた精液をうまく魔力に変換することができなかった。
一晩中犯されたジュールの尻の穴には、精液を溢さないように栓が入れられ、一滴も無駄にすることがないよう、そのまま放置された。
もしかしたら、ジュールがお食い初めによって美しさを取り戻すかもしれない、とどこかで期待していたのだろう。
地下室で拘束されたまま、一日半も放置されたジュールの様子を見にきた娼館主の落胆はひどいものだった。
そして、その日から、ジュールにとって地獄のような日々がはじまった。
成人する前のことはあまりよく覚えていないが、そうでなければ、娼館もなんの役にも立たない赤子のジュールをそのまま育ててなどくれなかっただろう。
老人が亡くなり、新しくジュールの世話をしてくれるようになった下働きの男は、ジュールを抱き締めてくれることはなかったが、他の淫魔たちと同じ量の食事をくれるようになった。
他の淫魔と交流もなく、おとなしかったジュールは部屋で放置されるようになり、少しずつ変化していく体には誰も気がつかなかった。
まさか、尻尾の種類ひとつでここまで特徴が違うとは思っていなかったのだろう。
ジュールの体の変化に、娼館主が気づいた時には手遅れだった。
誰からも触れられることなく、性徴に必要な情欲を含んだ精気をろくに与えられなかったジュールは、食べ物からの魔力だけで成長し、精器が成熟しないまま成人を迎えた。
そろそろ成人が近いからとジュールの様子を見にきた娼館主が見たものは、同じ淫魔とは思えないごつごつとした筋肉と美しさの欠片もない厳つい顔に変化したジュールだった。
神秘的な組み合わせだと言われていた艶やかな黒髪に蠱惑的な紅の瞳はそのままでも、それを兼ね備える体がごついマッチョとなれば話は変わる。
禍々しい黒髪に血塗られた紅の瞳は、まるで死神のようだと忌避された。
娼館の片隅にあった部屋は地下へとうつされ、ジュールの成人の儀式は目隠しと猿轡に拘束具と不穏に彩られたものになった。
ジュールの相手に選ばれたのは、淫魔をちやほやしてくれる裕福な人たちではなく、駆け出しの貧しい冒険者たちだった。
可愛らしさのないジュールでは、よい客がつかないと判断した娼館主が、稼ぐようになれば上客になる可能性のある冒険者と縁を繋ぐための道具として利用したのだ。
ジュールの尻の穴には、ねっとりとした媚薬入りの油が塗りつけられ、一晩中誰かの陰茎を突き立てられながら過ごした。
何も見えず、何も言えず、何処にも逃げられないジュールは、代わる代わる突き立てられる陰茎に犯され、くぐもった悲鳴をあげながら、悪夢のようなお食い初めを終えた。
せめて、ジュールの精器がきちんと熟成していたのなら、それでもよかった。
どんなにひどいお食い初めであっても、大量に注ぎ込まれた精液から精気が抽出されてしまえば、ジュールはありあまるほど大量の魔力を獲られただろうし、可愛らしい顔や美しい体を取り戻せていたかもしれない。
けれど、人の情欲をほとんど与えられなかったジュールの精器はいまだに不完全で、溢れるほど注がれた精液をうまく魔力に変換することができなかった。
一晩中犯されたジュールの尻の穴には、精液を溢さないように栓が入れられ、一滴も無駄にすることがないよう、そのまま放置された。
もしかしたら、ジュールがお食い初めによって美しさを取り戻すかもしれない、とどこかで期待していたのだろう。
地下室で拘束されたまま、一日半も放置されたジュールの様子を見にきた娼館主の落胆はひどいものだった。
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