壁穴屋

うしお

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ティロドミアの街

ティロドミアの街 10

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注ぎ込まれた洗浄液は、回転するブラシとなった洗浄器によってすべて吸い出された。
洗浄液を注がれる過程もすごかったが、吸い出される過程はもっとすごかった。
あんな、襞のひとつひとつが咥えられ、まるで乳首みたいにちゅうちゅうと吸い上げられているかのような快感は、これまで味わったことのない初めての気持ちよさだった。
これまでをセットと考えるのなら、あの激しい洗浄コースに設定されていた理由もわからないでもない。
俺としても、次にここへくるやつには、あの洗浄コースを味わってみて欲しいと思ってしまった。
そんなわけで、俺はいま、なかなかひいてくれない快感を抱え、床で四つん這いになったまま動けずにいる。
ケツ穴から尻尾のように洗浄器の管を生やしたまま、あまりにも激しい絶頂で快感の果てまで無理矢理連れていかれた体が、自然に落ち着くのを待つことしかできないのだ。
洗浄器を咥えこんだケツ穴は、いまだにひくひくとひくつき続けており、ブラシで磨かれ続けた奥の穴も膨れきったしこりも、燃え上がりそうなほど熱を持って、じんじんと疼いている。
いま、もしも洗浄器が再び動き出したら、俺は今度こそ声を我慢することなどできないだろう。
そうなれば、きっとあの布切れの向こうにいる花たちにこちら側へ入り込まれ、好き勝手に犯されてしまうかもしれない。
そして、壁に置かれた淫具の数々をやつらの好きなように使われ、ケツ穴が二度と締まらなくなるくらいちんぽを突っ込まれて絶頂させられてしまうのだ。
などと想像するだけで、ケツ穴のひくつきがさらにひどいものになる。
いっそ、そうなってしまっても悪くないのだが、残念なことに『花』のやつらが好きにできるのはあくまでも布切れから出ている『花瓶』の部分だけと決められていた。
『花瓶』が望まない限り、『花』は何もできない。
それが、この店のルールだった。

ふと視線を下に向ければ、硬くなったちんぽの先、小便穴に突き刺さっていると一目でわかる赤い棒が目に入った。
掴みやすくするためなのか、赤い棒の先端は大きな丸い珠になっており、その存在を激しく主張している。
これが突き刺さっているせいで、あれだけ絶頂を繰り返したにも関わらず、俺のちんぽは一度も吐精することができなかった。
その代わり、領主に仕込まれたヴァルミルガはあふれた蜜をたっぷりと吸収し、すっかり小便穴の限界まで膨れ上がっている。
しかも、責められ続けて蕩けた肉襞は、ちんぽがゆれるだけでもざらざらした表面と擦れ、いまだに新しい蜜を吐き出してはヴァルミルガに与え続けていた。
蜜を吸収し続けるヴァルミルガは、その体を奥へ奥へと長くのばしており、そのまま奥にあるしこりを突き抜けてしまったのか、小便袋まで届いているようだ。
一本の太い棒に、入口から奥まで拡げられた小便穴が感じている、まるでずっと漏らし続けているかのような、おぞましい感覚がいつまでもなくなってくれなかった。

ようやく動けるくらいに回復をした俺は、壁に手をつきながらゆっくりと立ち上がる。
そして、壁に体を預けたまま、ケツ穴に突き刺さった洗浄器をぐっと握り締めた。

「ん゛……ぅ、ンンッ」

ずりっと少しだけ引き出したところで、ふいに、好奇心といたずら心が頭をもたげた。
基本的に、商売道具でもあるケツ穴の洗浄は売り手本人がすべてを済ませてから、買い手にお好きなように、と差し出すものだ。
だから、買い手は洗浄器の存在を知っていても、見たことがないのではないか、と思ってしまった。
もしも、この洗浄器を咥えこんだままのケツ穴を、布切れの向こうへ差し出したとしたら、どれだけ多くの買い手の目にとまることができるだろうか。
ケツ穴でたっぷりとイかせてもらうためには、できるだけ多くのちんぽに遊んでもらうのが一番だ。
特等席ということで、元から視線は集まりやすいと思うが、この状態のケツを差し出せば、もっともっと買い手の視線を集めることができるだろう。
そうと決めてしまえば話は早い。
洗浄器が入ったままケツ穴に、潤滑油の瓶の口を無理矢理捩じ込み、ケツだけを高く上げて中身を注いだ。
とろとろととろみのある潤滑油が、洗浄器を伝って奥まで入り込んで行くのを、ぐりぐりと洗浄器で中をかき混ぜながら待った。
ぐぢゅっぐぢょっと濁った水音が、腹の奥から聞こえてくるのににんまりとして、空になった瓶を引き抜いた。
これで、洗浄器を引き抜いたものが、そのままちんぽを捩じ込んだとしても、大丈夫だろう。
最後の仕上げは、手枷と足枷だ。
例の台には、手枷と足枷を固定する器具がつけられていて、花瓶をそこに固定するための仕掛けがしっかりと整えてあった。
念のため、器具に枷だけをつけてみたのだが、何かあれば自分で取り外すことも可能な作りになっていた。

「至れり尽くせりだな」

ずるずると洗浄器の管を引きずって歩き、台にかかった布切れを向こう側へと押しやった。
向こう側からは、布切れが膨らんだように見えるはずだ。
そして、すぐに布切れの向こうが騒がしくなる。
ここに『花瓶』が設置されるということが、すぐにわかったのだろう。
飢えた獣の気配が、すぐそこにあった。

「新しい『花瓶』サマがきたみてぇだな」

「へへ、たっくさんおハナを生けてやんねぇとな」

「おめぇら、すぐに壊すんじゃねぇぞ。花瓶不足で、花があまりまくりなんだからよぉっ」

「へぇ、わかってますって。おいらだって、仲間ににらまれたかねぇや」

「はっ、バカだな。にらんだりなんかしねぇよ。ただおめぇのケツを、代わりの花瓶にしてやるだけだからなぁ」

「カシラぁ、そいつはかんべんしてくだせぇよ、こんなにいるチンポの相手なんかしたら、おれのケツ穴なんかぶっこわれちまいますぜ」

「わぁってるって、じょーだんだっての。おめぇらがここから出てるく『花瓶』サマを壊さなきゃいいって話だろうが。せめて、一周くらいはもつように、大事に大事に使うんだぞ?」

カシラと呼ばれた男の声に、ぞくぞくと震える。
俺はいまから、何人いるかもわからないようなところへ、この淫乱なケツ穴を委ねようとしているのだと思うと、とてつもない期待にケツ穴が激しく疼く。
奥の穴まで咥えこんだ洗浄器をぶら下げ、手枷と足枷をつけた体を、自ら台へと拘束していく。
この布切れをめくって、ケツを突き出してしまったら、もうこいつらが満足するまで、逃げることはできなくなる。

「楽しませて、くれよ」

そして、台の上で俯せになった俺は、躊躇うことなくケツを布切れの向こう側に突き出した。

「さあ、お待ちかねのケツまんこだぜ。あんたらの好きにしてくれよ」
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