上 下
118 / 161

118、掻蕩ブレイク

しおりを挟む
「…………ぉ、ふッッ!!」

前立腺にブラシが入り込む、ぞりゅっという音が聞こえた気がした。
そのまま押し込まれたブラシが、カテーテルに侵入された前立腺を掻き分けて膀胱に続く壁を突き抜ける。
前立腺の中をブラシが通る瞬間、尿道を擦られていた時と比べ物にならない衝撃を受けた。
ちんぽの奥が熱くなり、一気にじゅわっと蕩けてしまったような気がする。
もしかしたら、いま、おれは射精をしたのかもしれない。
そうでなければ、おしっこでもしたのだろうか。
いまおれは、完全に何かを漏らしたはずだ。
だが、幸いなことに、というべきか、出口はカテーテルによって塞がれているようなものだ。
漏らしたであろうそれらは、塞がれた通路を遡り、すべて膀胱へと流れ込んだ。
急激に流れ込んだ何かに押され、狭い膀胱の中に押し込まれていたローションが、ブラシの開けた細い隙間に殺到する。

「おっ、ちゃんと突き抜けたようだな。ローションのおかげで、ずいぶんと動きやすくなったぜ、ほら」

まるで糸ノコが穴を開けるように、極細ブラシが細かく上下を繰り返しながら、カテーテルのまわりをゆっくりなぞる。
長い本体にびっしりと生えたシリコンの毛先が、カテーテルと尿道の間にある僅かな隙間を削るように磨きながら移動していく。

「ぁ、ひ……ッッ、きも、ぃ……っ、きぉ……ッッ」

「ああ、そうだな。チンポをごしごしされて気持ちいいな。ちゃんと言えてえらいな。ほら、もうすぐ一周するぞ」

オヤジが持つブラシが肉襞を擦ると、おれの口からは反射的に「気持ちいい」という言葉があふれ出た。
一擦り一擦りごとに、蕩けた頭が「気持ちいい」と繰り返させる。
オヤジに躾られた通りに。
容赦なく尿道を磨くブラシを操るオヤジは、それをよいことだと褒めてくれた。
うれしい。

「おっと、こりゃ困っちまうな。ローションで濡らしてやっても、カテーテルが抜けそうにねぇぞ。ああ、でも、あともう少し拡げりゃ、抜けるかもしれねぇなぁ」

「ひろ、げぅ……? っ、ぅあ……っ、ひ、ゃあ゛……っ」

ブラシをぎこぎこと動かして、おれの尿道を磨いていたオヤジが、カテーテルを軽く引きながら囁いた。
カテーテルを引かれる度、内臓を引きずり出されるようなおぞましい感覚が、腹の奥から生まれて背筋を突き抜けていく。

「ほら、こいつを入れる時に、使ってやったろ。こいつで、このちっせぇ穴をちょいと拡げてやりゃ、すぐにでも抜けると思うんだよな」

目の前に差し出されたのは、尿道拡張器のメインパーツである銀色の棒だった。
ブラシよりもやや太く感じるそれが四本、オヤジの手のひらの上でカチャカチャと恐ろしげな音を立てる。

「ゃ、……はぃ、んなぃ……っ、そんなに、いっぱぃ、むり、らよぉ……っ」

「ウソはよくねぇな。お前はさっき、こいつらを全部いっぺんに咥えてたじゃねぇか。大丈夫だ。順番がちょいと逆になるだけだ。こいつで拡げてからカテーテルを咥えるのも、カテーテルを咥えた穴をこいつで拡げてやるのも変わらねぇよ。……なぁ」

そこまで言ったオヤジが、ふいに、初めて何かに気がついた、というような感じで話しかけてくる。

「いつの間にお漏らしなんかしやがったんだ?」

そう言いながら、オヤジが手に取ったのは、おれが持たされていたローションの空ボトルだった。
けれど、そのボトルは、オヤジがゆらす度にちゃぽちゃぽと小さな音を立て、そこに中身が入っていることを訴えてくる。

「おいおい、空っぽにしてやったはずのもんに、何が入ってるっていうんだ。まさかお前、俺に『イく』って言わずにイったんじゃねぇだろうな?」

空ボトルの中身が何かなんて、おれにもわからない。
ただ、オヤジはそれを嗤いながら見ていて、おれをいじめるための新しい理由にするつもりのようだった。

「ひ、ッッ、しら、な……っ、しらな……ッッ」

「お前は知らなくても、ここに証拠はあるんだぜ? それとも、手品みたいに消してみせるか? ……こんな風に、よ」

かたかたと勝手に震える体を押さえつけられて、見ている目の前でオヤジの手が逆さになったボトルを押し潰す。
冷たい何かが流れ込んできて、全身がぞわりと粟立つ。

「ゃ、ッッ、ゃあッッ」

「こらこら、暴れるなよ。お前の出したもんなんだから、責任持って片付けろ」

「ひ、ぁ……ぁ、ああ……あ゛あ゛っ」

ぎゅっと押し潰されていたボトルが、ぽこっとまぬけな音を立てて膨らむ。
それと同時に、膀胱から中身が一気に吸い出された。
ぞわ、ぞわわっとおぞましい感覚が、膀胱から吹き出しては戻ってくる。

「おっと、こりゃまいったな。手を離すと中身が出ちまうぜ」

何度も何度も繰り返され、膀胱の中を僅かな水流だけでたっぷりと撹拌された。
詰め込まれたローションの中でゼリーが躍り、それだけで絶頂させられそうになる。
いや、もしかしたら、絶頂していたのかもしれない。
吸い出されて、戻されては、また吸い出される。
オヤジが手にしたボトルからは、ぢゅこっぢゅこっと濁った水音が鳴り響き、腹の中ではぐるぐると回遊するゼリーが肉襞を撫でていた。
意味のない音の羅列になった悲鳴が、開きっぱなしの口から出ていく。

「ダメだな、すぐに出てきちまうわ。しょうがねぇ。詰め込むのはあとにして、先にこいつを突っ込んでやるとするか」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

エルフと悪魔のエロを求めるチンチン道中!

ミクリ21
BL
アホエロです。

食事届いたけど配達員のほうを食べました

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか? そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

前後からの激しめ前立腺責め!

ミクリ21 (新)
BL
前立腺責め。

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

強制結婚させられた相手がすきすぎる

よる
BL
ご感想をいただけたらめちゃくちゃ喜びます! ※妊娠表現、性行為の描写を含みます。

処理中です...