大酒飲みは虎になったことを忘れてしまう

うしお

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44、自削ドロップス

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結局、息子が俺を跨ぐために立ち上がったところで、二人の股間周辺が大惨事になっていることがわかり、まずはそちらの後始末をしておくことになった。
大急ぎでシャワーを浴びてきた息子が、すっかり精液まみれになっていた俺をお湯で濡らしたタオルを使って拭き清め、いまは下に敷いていた厚手のバスタオルを交換している。
その間の避難場所として用意されたタオルが敷かれた座布団に座りながら、俺は布団の上でいそいそと新しいバスタオルを敷いている息子のタオルが巻かれたケツを眺めていた。
まさか、自分が男とやることになるとは思っていなかったが、こうして明らかに男とわかる息子のケツを見ていても、チンポは萎えるどころかさらに元気になっている。
もともと、そういう素質があったのかもしれねぇな、とタオルの向こうでゆらゆらとゆれている息子のチンポやタマを見ながら思った。

「……オ、オヤジ、あのさ、ローションとかって、家にあるのかな? できたら、使いたいんだけど」

汚れ物を片付けて戻ってきた息子に言われて、そういやケツは勝手に濡れねぇんだったな、と当たり前のことに気付かされた。
さっきは、精液で濡れていたおかげで、チンポの先が息子のケツの穴に軽く入っていたようだが、乾いていたら普通は入らないもののはずだ。
まあ、あれだけどろっどろに濡れていれば、まだ触ってもないケツの穴にだって、先っぽくらいぬるっと入っちまうもんなんだろう。
チンポの先を受け入れ、ちゅぱちゅぱと吸い付くようにひくついていた息子のケツの穴はなかなか気持ちよく、早く奥まで咥えさせてみてぇと思ったものだ。

「あー、ローションか……ローション、ローションは……ああ、この前、空んなって、新しいのを買ったんだったな。そういや、今日届いてるはず……」

記憶をたどり、つい最近通販で買ったことを思い出した。
毎晩ヌくのに使っていたローションは、ケチるとオナホの使い心地が悪くなるし、すべりの悪ぃオナホじゃイくのに時間がかかる、と何かと効率が悪ぃのでたっぷり使わねぇとならなかった。
それが一回ならともかく、六回もとなるとさすがに使用量がバカにならねぇ。
新品を開けても数日ともたず空になってしまうローションを見て、何かいいものはねぇだろうかと検索した結果、とても粘度が高く評判のいいローションが徳用ボトルの六本セットで販売されているのを見つけた。
注記にアナル用と書いてあったが、どうせオナホ相手に使うんならどっち向けでもかまわねぇだろうと発注していたのだった。

「あ、もしかして、あの荷物がそうなのか? それじゃあ、ちょっと取ってくるね」

「あの荷物……あっ!」

うっかりしていたが、あれにはローションだけでなく、マネキンをぶったぎったようなアナルオナホとあの息子似の男優が主演してるメディアディスクが何枚か入っているはずだ。
それも、よりによって義親子ものばかりで、特にどぎつい調教ものの数々が。
中身を見れば、俺がそれを買った目的はもちろん、その性癖までもが一目瞭然だ。
せっかく息子に箱を開けさせることなく、部屋に持って行かせることができていたというのに、俺は自ら墓穴を掘り、窮地に立たされてしまった。
とうしたら、箱を開けさせずにいられるだろうか。
息子が戻ってくるまでに、いいわけを考えねぇといけなかった。

「……オヤジ、これって……」

すぐに荷物を持った息子が戻ってきたが、それを止められるようなうまいいいわけなどこの短時間では思い付くわけがねぇ。
そして、当然のことながら、この中にあるんだよね、と息子が最後の砦ともいうべきガムテープをべりべりと遠慮なく剥がしはじめても、自力で動くことのできない俺は黙って見守ることしかできなかった。
箱が開くと、まず納品書が入っていると思われる封筒が入っていた。
俺が、ほっとしたところで息子がそれをどけ、すぐ下にあったエアパッキンに包まれた小さな塊を取り出したのを見て、思わず顔が青ざめる。
空気を含む泡のようなビニールで、でこぼことしている透明な緩衝材の向こうに、どぎついデザインのパッケージが透けて見えていた。
プチプチとしたそれは、なんの目隠しにもなりはしねぇ。
透明なそれの向こうに、思いきり『鬼畜義父による娘婿の淫乱調教』や『鬼イラマチオでメスイキするマゾ息子』、『淫乱息子の大好物は、オヤジの極太マラザーメン』などなど、太文字で書かれたド派手な煽り文句が飛び交い、息子によく似た男優の蕩けた顔やらなんやらが何枚も貼りつけられているパッケージが、はっきりと見えている。
できることなら、誰にも見られたくないと思っていたそれを、よりにもよって息子が手にしていた。
息子は、手にしたそれから躊躇うこともなく、エアパッキンを剥がしはじめる。
いいわけするような余地のない状況に、声も出せずに戦いた。

「あ、あのな……」

「へぇえぇ、オヤジって、こういうのが好きなのかぁ」

息子は、すべてのパッケージに書かれた煽り文句や使われている写真をじっくり眺め、すまし顔の男優が大写しになっているものを選ぶと、自分の顔の横まで持ち上げた。

「オヤジは、さ。もしかして、こういう顔が好きなの? だから、おれのことも、受け入れてくれたのかな?」

にこぉっと笑う息子の顔を見た瞬間、ぞわっとした。

「ま、待てっ、誤解だっ」

「いいよ、別に。いまさら、誤魔化さなくたってさ。こんなにいっぱい買うくらい、この男優さんが好きってことだろ。ふぅん、調教と近親相姦ものばっかりだな。ははっ、鬼イラマチオ、かぁ……ふぅん、なるほどねぇ……そういえば、さっきのオヤジ、ずいぶんと楽しそうだったもんなぁ。ああいうのが好きだったからなんだな」

息子は、手にしていたパッケージを箱の中に戻すと、代わりにひとまとめにされているローションのボトルの塊を手に取り、分解しはじめる。

「いやっ、だから、それはっ」

「へぇ、このローションってアナル用なんだ……すごく、準備がいいよな」

楽しそうに言う息子は、ローションを枕元に置くと俺の方に近付いてくる。
その笑顔は、どこか貼り付けたようなもので、決して見た目通りの楽しそうなものではないとわかるものだった。

「オヤジ、これ、おれがやってあげるよ。だからさ、早くさっきの続き、しよっか」
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