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仲直りのきっかけに
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「へー、そうなんだ。泰生は、キスするだけで、我慢できなくなっちゃうんだ?」
「や、やめろ、ダメだ、あ、明日は平日なんだぞ!」
「いいよ、一日くらい。寝不足だって仕事はできるから」
「ま、待てって、待って! お願いだから!」
唇まであと少しというところまで行けたけれど、可愛い恋人の頼みを聞かないわけにはいかなかった。
俺は真っ赤になったアイツの耳に、軽くちゅっと口付けてからしぶしぶ離れる。
「待ってって言ったのに!」
「唇にキスするのは我慢したんだから、耳ぐらいいいだろ。それで、お願いまでして俺を止めたってことは、何かやりたいことがあるんだよな? 早く言えよ。聞けることなら聞いてやるから」
「わっ、わーっ! ダメだって!」
「暴れるなよ、落としたら困るだろ。運ぶだけだから、大人しくしててくれ」
「ぅ、うん……」
俺がキスした耳を両手で隠しながら、しゃがんでしまったアイツを持ち上げて、そのままベッドまで運ぶ。
持ち上げただけで慌てたアイツを、落としそうになったけれど、そこは気合いで乗りきった。
ここでコイツを落とすとか、絶対にありえない。
しっかりと抱きしめて歩けば、さすがに落とされるのは嫌なのか、すっかり大人しくなり首に腕をまわしてくっついている。
え、可愛い。
マジ、可愛い。
これ無理マジで語彙力なくなるわ。
俺よりも、全体的に一回り小さいコイツはその分軽い。
本人は、それがコンプレックスらしくて、たくさん食べるし、筋トレもしているみたいだけれど、その努力はいまだに実っていない。
「ほら、着いたぞ。それで、お前はなにがしたいんだ?」
「……さっき言っただろ。お前と、ポリネシアンセックスがしたいんだよ」
「ああ、そんなこと言ってたな。あのノートがあればいいのか?」
「え、あっ、ノート! 落としてきてる!」
「わかった。俺が取ってくるから、ちょっと待ってろ。いいこにしてろよ」
「ぅわっ、また、そーゆーことする! 運ぶだけって言った! 運ぶだけって言ったのに!」
ベッドにおろしたアイツのおでこに、軽くちゅっとキスして離れる。
両手でばっとおでこを隠して、真っ赤になってるアイツが可愛い。
俺はどれだけ疲れていたんだろうか、こんなにわかりやすいコイツの痩せ我慢に騙されていたのに気付かないなんて。
「ううぅううぅ……っ」
唸りながらベッドの上で転がるアイツを置いて、とりあえず、ひとりでリビングに戻る。
それから、床に落ちていた『ひでんしょ』を拾いあげた。
さっきまでは、どこか子どもじみてふざけているようにしか見えていなかったノートだが、恋人の気遣いを知ったいまは、なんだか大切な宝物のように思えてくるから不思議だ。
さて、これにはなにが書いてあるんだろうか。
「どうしたんだ?」
ノートを手にベッドへ戻れば、体を丸めて小さくなってるアイツがいる。
その顔を覗き込めば、まぶたをぎゅっと閉じたまま、小さな声で素数をぶつぶつ数えていた。
「どうしたんだって、誰のせいだと思ってるの!」
きっとにらもうとしているはずなのに、涙に潤んだその瞳には、俺を咎める力がない。
両手を股の間に挟んでいるその姿を見れば、コイツがなにを隠そうとしているのかまるわかりだ。
「ふぅん、誰のせい、ねぇ。たぶん、俺のせいだろうな」
「あっ、わっ、ちょっ、なにすっ、やめっ」
ぎゅっと閉じていた膝をぱかりと開いてやれば、すっかり元気になったアイツのムスコとそれを隠そうと必死になってる手があらわになる。
わかりやすく勃起しているアイツのムスコを、隠そうとしている手ごと掴んでやれば、それだけでびくびくと震えた。
相変わらず感じやすい男だ。
「や、やめろ、ダメだ、あ、明日は平日なんだぞ!」
「いいよ、一日くらい。寝不足だって仕事はできるから」
「ま、待てって、待って! お願いだから!」
唇まであと少しというところまで行けたけれど、可愛い恋人の頼みを聞かないわけにはいかなかった。
俺は真っ赤になったアイツの耳に、軽くちゅっと口付けてからしぶしぶ離れる。
「待ってって言ったのに!」
「唇にキスするのは我慢したんだから、耳ぐらいいいだろ。それで、お願いまでして俺を止めたってことは、何かやりたいことがあるんだよな? 早く言えよ。聞けることなら聞いてやるから」
「わっ、わーっ! ダメだって!」
「暴れるなよ、落としたら困るだろ。運ぶだけだから、大人しくしててくれ」
「ぅ、うん……」
俺がキスした耳を両手で隠しながら、しゃがんでしまったアイツを持ち上げて、そのままベッドまで運ぶ。
持ち上げただけで慌てたアイツを、落としそうになったけれど、そこは気合いで乗りきった。
ここでコイツを落とすとか、絶対にありえない。
しっかりと抱きしめて歩けば、さすがに落とされるのは嫌なのか、すっかり大人しくなり首に腕をまわしてくっついている。
え、可愛い。
マジ、可愛い。
これ無理マジで語彙力なくなるわ。
俺よりも、全体的に一回り小さいコイツはその分軽い。
本人は、それがコンプレックスらしくて、たくさん食べるし、筋トレもしているみたいだけれど、その努力はいまだに実っていない。
「ほら、着いたぞ。それで、お前はなにがしたいんだ?」
「……さっき言っただろ。お前と、ポリネシアンセックスがしたいんだよ」
「ああ、そんなこと言ってたな。あのノートがあればいいのか?」
「え、あっ、ノート! 落としてきてる!」
「わかった。俺が取ってくるから、ちょっと待ってろ。いいこにしてろよ」
「ぅわっ、また、そーゆーことする! 運ぶだけって言った! 運ぶだけって言ったのに!」
ベッドにおろしたアイツのおでこに、軽くちゅっとキスして離れる。
両手でばっとおでこを隠して、真っ赤になってるアイツが可愛い。
俺はどれだけ疲れていたんだろうか、こんなにわかりやすいコイツの痩せ我慢に騙されていたのに気付かないなんて。
「ううぅううぅ……っ」
唸りながらベッドの上で転がるアイツを置いて、とりあえず、ひとりでリビングに戻る。
それから、床に落ちていた『ひでんしょ』を拾いあげた。
さっきまでは、どこか子どもじみてふざけているようにしか見えていなかったノートだが、恋人の気遣いを知ったいまは、なんだか大切な宝物のように思えてくるから不思議だ。
さて、これにはなにが書いてあるんだろうか。
「どうしたんだ?」
ノートを手にベッドへ戻れば、体を丸めて小さくなってるアイツがいる。
その顔を覗き込めば、まぶたをぎゅっと閉じたまま、小さな声で素数をぶつぶつ数えていた。
「どうしたんだって、誰のせいだと思ってるの!」
きっとにらもうとしているはずなのに、涙に潤んだその瞳には、俺を咎める力がない。
両手を股の間に挟んでいるその姿を見れば、コイツがなにを隠そうとしているのかまるわかりだ。
「ふぅん、誰のせい、ねぇ。たぶん、俺のせいだろうな」
「あっ、わっ、ちょっ、なにすっ、やめっ」
ぎゅっと閉じていた膝をぱかりと開いてやれば、すっかり元気になったアイツのムスコとそれを隠そうと必死になってる手があらわになる。
わかりやすく勃起しているアイツのムスコを、隠そうとしている手ごと掴んでやれば、それだけでびくびくと震えた。
相変わらず感じやすい男だ。
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