狼の憂鬱

うしお

文字の大きさ
上 下
19 / 20

微睡む狼と焦がれる偽狼

しおりを挟む
「やれやれ、オリバーは私のペニスだけが好きなのか。自分の一部とはいえ、妬けてしまうな」

ぬるりと引き抜かれた舌が、ひくひくと震える尻穴をゆったりと舐めあげ、そのまま尻尾まわりの敏感な毛皮をさりさりと舐めはじめる。
突然はじまった毛繕いに、オリバーは尻尾をぴんとのばしたまま、熱く蕩けた息を吐いた。

「んぁ……っ、ああっ、くらぅっ、ちらっ、ちらぅのっ、は、あぅっ、んっ、ふ、ぁああっ」

オリバーの尻尾を優しく舐めていたクラウスが、ゆれ動く尻尾の根本にぱくりと食いつく。
敏感な尻尾を甘く咬まれて、オリバーはびくびくと体を震わせた。

「くらうぅ……っ」

「狼というのは、少し不便だね。オリバーが私のペニスだけでなく、すべてを愛してくれるように、もっと色々な方法でたくさん愛してあげたいのに、この手では可愛がってあげることができないようだ」

「あぅう……っ、いぢわるぅ……っ、おりばーは、くらうのこと、だいしゅきらもんっ、ち、ちんこだけらないよ、ぜんぶっ、ぜんぶしゅきらの、にぃ、ンンッ」

きゅうっと咬み潰された尻尾から、快感が稲妻のように駆け抜ける。
本能的な恐怖からか、オリバーの勃起していた陰茎も陰嚢も、蕩けてゆるんでいた尻穴までもがきゅうっと小さく縮みあがった。

「ふふっ、私も、オリバーのことが大好きだよ。可愛くて、ついついいじめたくなってしまうくらいに、ね」

「ふぁ、ぁ……っ」

クラウスの長い舌が、オリバーの陰茎から尻穴までをべろりと舐める。
急所をひとまとめに舐められたオリバーは、熱く濡れた塊がくれたぞくぞくするような快感に、思わず尻を突き出しながらはふっと甘い吐息を漏らした。

「オリバーは、いやらしい狼だな。急所を舐められて逃げるどころか、お尻を差し出しておねだりしてくるなんて」

「らって、くらぅは、おりばーのらんなさまらもん。そっ、それに、いじわるなくらうは、おりばーのこと、いっぱいきもちよくしてくれるれしょ……? ……ら、らからね、くらう、お、おりばーに、いっぱい……いじわるひても、いいよ」

「……ああ、そうだな。確かに、そうだ。エッチなオリバーは、私のペニスだけではなく、いじわるされるのも大好きだったね。せっかくのおねだりだからな。たっぷりいじめてあげるとしよう」

「ん、れも、いじわるだけらな……ふ、あぅううぅっ」

きゅっと締まった尻穴に、クラウスの舌が捩じ込まれてくる。
ぐにゅぐにゅっとやわらかく蠢く舌は、少しだけ留守にしていたオリバーの腹の中を確かめるように、ゆっくりと舐めてまわった。
焦らされていたオリバーの尻穴は、それだけで嬉しそうにひくひくと震えはじめる。
やがて長くて幅の広い狼の舌は、尻穴の中にあるしこりを見つけると、そのままぴったりと包み込んだ。
少しざらざらとする舌は、それだけでも気持ちいい。
だが、クラウスの舌は、その持ち主と同じく実に器用で多彩な能力を持っていた。

「ぃや、ぁっ、ああっ、あぅううぅっ、くらぅうぅっ、ゆるひれぇっ、くらぅっ、おまんこ、おかひくなりゅぅっ、ひぁっ、あっ、ああっ、なんれ、しょこばっかぁっ、へんになりゅぅっ、ひぁ、あっ、やぁっ、あぁンンッ、ごめ、ごめんにゃひゃぃっ、らんにゃひゃまが、ひゅきらのっ、ちんこも、いぢわりゅも、らんにゃひゃまのらから、ひゅきらのぉっ、もぉ、ゆるひれぇっ、くらぅうぅっ」

ざらつく舌が、オリバーのしこりを細かく震えながら責め立てる。
小さく波打つクラウスの舌に、大好きなしこりをいじめられるとたまらない。
ぴんと立てた尻尾をばっさばっさとゆらしながら、オリバーはたくさん吠えた。
そのほとんどはただの事実で、オリバーに嘘はないからいくらでも言えるのだ。

「……ああ、これは困ったな」

「くらぅ……?」

ぴたりと止まったクラウスの舌に、オリバーは少しだけ不安になって振り向いた。
そこには、真剣な顔でオリバーを見おろすクラウスがいる。
オリバーは、真剣な顔もかっこいい、と少し場違いなことを思いながら声をかけた。

「オリバーが可愛いすぎて、いつもよりもペニスが大きくなってしまったな。少し大きくなりすぎてしまったけれど、オリバーのおまんこは食べてくれるかな?」

「んっ、くらぅのちんこは、おりばーのらもん。おっきくても、ほかのおまんこには、ぜったいあげちゃらめ」

「少し、痛いかもしれないよ?」

「いたくても、おりばーがくらうのおよめさんらもん」

「それじゃあ、私のペニスは、大好きなお嫁さんのおまんこに食べさせてあげようか」

「ん、くらう、ずっと、おりばーらけらよ……?」

「ああ。もちろんだよ」

「……くらう、きょうは、おりばーがきもちよくしてあげる」

「オリバーは、優しいな」

そうして差し出されたクラウスの陰茎は、オリバーの知っているクラウスの陰茎ではなかった。
亀頭も亀頭球もグロテスクなほどに大きく膨らみ、天を突くようにそそりたつ幹は、まるで棍棒のように太くて長い。
クラウスの陰茎は、普段の様子ですら凶器のようだったのに、それ以上におぞましい凶悪な肉棒と化していた。

「そうだな。まずは、舐めてもらおうかな」

「ふぁ……ぃっ、らんなさまぁ、きもちよくなっへぇ」

オリバーはうっかり牙を突き立ててしまわぬよう、大きく口を開けてクラウスの陰茎を口に含んだ。
どんなにグロテスクな姿でも、クラウスのものだと思えば愛しく思える。
オリバーは、クラウスの亀頭を上顎に擦り付けながら、亀頭球や太い幹を長い舌を使って、ぴちゃぴちゃと舐めまわす。
クラウスの陰茎は、口の中でさらにぼこぼこといびつな形に膨れていく。
だが、オリバーはどんな形になったとしても気にならない。
ずるずると喉の奥まで入り込んでくるクラウスの陰茎をしゃぶりながら、オリバーはうっとりと目を細めた。

「くぁぅひゅぅ……っ、ぁい、ひゅぃ……っ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~

シキ
BL
全寮制学園モノBL。 倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。 倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……? 真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。 一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。 こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。 今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。 当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。 その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。 両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。 自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。 自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。 相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと… のんびり新連載。 気まぐれ更新です。 BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意! 人外CPにはなりません ストックなくなるまでは07:10に公開 3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

処理中です...