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二日目リノ、妻役
18、あなたが欲しい
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「ぁ、あぁ、んっ、ンンッ、ゃ、あぁ……っ」
体の奥にくぽりとはまり込んだ彼の先端が、リノの中をゆっくりと拡げながら入り込んでくる。
相変わらず痛みはないが、体の奥を大きな質量で無理矢理拡げられる圧迫感はなくならない。
彼に奥まできて欲しいと願ったリノの気持ちに偽りはないが、初めて味わう圧迫感に堪えきれずに否定の言葉が口からもれる。
「苦しいんだね。優しくしてあげられなくてごめんね」
すべてのものからリノを守るかのように、枕に沈むリノの頭を優しく囲っている彼が、その琥珀色の瞳に哀しげな色を宿して見ていた。
彼のことを欲しくないわけじゃないのに、とリノは「やめて」と言ってしまいそうになる口を閉ざし、それから、少しだけ考えて彼の首に腕をまわす。
「っ、は……ぁ、そんな、ことない。やさしぃ、よ」
「優しいのは、君の方だよ。自分の方がつらいだろうに、俺のことを考えてくれてる」
汗に濡れた額から、ぽたりと汗が落ちてくる。
きっと、一気に入れてしまえば、彼もリノもこんなにも苦しむことはないはずなのに、彼はそれをしない。
リノに、拓かれる苦しみを与えたくないと思ってくれているからだ。
今夜だけの関係かもしれないのに。
そう考えるだけで、リノは胸の奥がちくりと痛むのを感じてしまう。
快感に溺れていた昨日までのリノには、わからなかった感情だ。
どうしてなのだろうか。
彼のことを幸せにするのは、リノでありたいと思ってしまう。
「ぉ、ねがぃ……も、ぜんぶ、いれて……だいじょ、ぶだから」
「でも……」
「きっと、いれたら、らくに、ぃ……ッッ」
リノの奥で、彼の陰茎が急激に硬さを増した。
はまり込んでいる小さな穴を、質量を増した肉槍がぐぱりと拡げる。
拓かれる痛みよりも、彼に拓かれる快感の方が大きくて、リノは彼の首に腕をまわしたまま大きく仰け反った。
せっかくはまり込んでいた彼の陰茎がずれて、リノの中を強くえぐる。
「ああッッ、ぁ、ンッ、んむッッ」
リノの中が、びくびくと震えながら彼の陰茎を強く締めつけるのと同時に、彼の唇がリノのそれを塞いだ。
唇を重ね合わせたまま、彼が動きはじめる。
それは、荒々しくも力強い、まるでリノのすべてを貪るような飢えた牙のようで。
驚きに目を開いたリノの瞳に、焦がれて燃える琥珀の視線が突き刺さる。
心まで撃ち抜かれるような鋭い視線だ。
リノはたまらなくなって、彼の首にしがみつき、挿し込まれてくる舌を受け入れた。
この男が欲しい。
リノの心は、ただはひとつ。
その想いだけで満たされていた。
そして、その想いはリノの体にもしっかりと満ちている。
リノは彼に向かって舌を差し出しながら、自分の体が彼のために拓かれていくのを感じた。
体の奥にくぽりとはまり込んだ彼の先端が、リノの中をゆっくりと拡げながら入り込んでくる。
相変わらず痛みはないが、体の奥を大きな質量で無理矢理拡げられる圧迫感はなくならない。
彼に奥まできて欲しいと願ったリノの気持ちに偽りはないが、初めて味わう圧迫感に堪えきれずに否定の言葉が口からもれる。
「苦しいんだね。優しくしてあげられなくてごめんね」
すべてのものからリノを守るかのように、枕に沈むリノの頭を優しく囲っている彼が、その琥珀色の瞳に哀しげな色を宿して見ていた。
彼のことを欲しくないわけじゃないのに、とリノは「やめて」と言ってしまいそうになる口を閉ざし、それから、少しだけ考えて彼の首に腕をまわす。
「っ、は……ぁ、そんな、ことない。やさしぃ、よ」
「優しいのは、君の方だよ。自分の方がつらいだろうに、俺のことを考えてくれてる」
汗に濡れた額から、ぽたりと汗が落ちてくる。
きっと、一気に入れてしまえば、彼もリノもこんなにも苦しむことはないはずなのに、彼はそれをしない。
リノに、拓かれる苦しみを与えたくないと思ってくれているからだ。
今夜だけの関係かもしれないのに。
そう考えるだけで、リノは胸の奥がちくりと痛むのを感じてしまう。
快感に溺れていた昨日までのリノには、わからなかった感情だ。
どうしてなのだろうか。
彼のことを幸せにするのは、リノでありたいと思ってしまう。
「ぉ、ねがぃ……も、ぜんぶ、いれて……だいじょ、ぶだから」
「でも……」
「きっと、いれたら、らくに、ぃ……ッッ」
リノの奥で、彼の陰茎が急激に硬さを増した。
はまり込んでいる小さな穴を、質量を増した肉槍がぐぱりと拡げる。
拓かれる痛みよりも、彼に拓かれる快感の方が大きくて、リノは彼の首に腕をまわしたまま大きく仰け反った。
せっかくはまり込んでいた彼の陰茎がずれて、リノの中を強くえぐる。
「ああッッ、ぁ、ンッ、んむッッ」
リノの中が、びくびくと震えながら彼の陰茎を強く締めつけるのと同時に、彼の唇がリノのそれを塞いだ。
唇を重ね合わせたまま、彼が動きはじめる。
それは、荒々しくも力強い、まるでリノのすべてを貪るような飢えた牙のようで。
驚きに目を開いたリノの瞳に、焦がれて燃える琥珀の視線が突き刺さる。
心まで撃ち抜かれるような鋭い視線だ。
リノはたまらなくなって、彼の首にしがみつき、挿し込まれてくる舌を受け入れた。
この男が欲しい。
リノの心は、ただはひとつ。
その想いだけで満たされていた。
そして、その想いはリノの体にもしっかりと満ちている。
リノは彼に向かって舌を差し出しながら、自分の体が彼のために拓かれていくのを感じた。
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