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二日目リノ、妻役
10、バラ色の小瓶
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「綺麗な色に染まるものだね。本当に、俺たちの魔力は相性がいいんだろうね」
バラ色に染まった潤滑油が入った瓶を、彼がちゃぷちゃぷとゆらしている。
リノは、ベッドに体をあずけたまま、どきどきしながらその音を聞く。
媚薬効果のある潤滑油は、あの魔法具を通してそれを使用するふたりの魔力を注ぐと、もともと入っていた媚薬効果さらに高めることができるようになっている。
正確には、自分の魔力が体に戻ろうとする性質にのせて、混ぜられている自分以外の魔力を体に注ぎ込み、外から注がれる魔力に反応しやすくなる効果がつく結果、らしいのだが、そのへんの違いがリノにはわからない。
とにかくリノにわかるのは、あの潤滑油が、リノたちによく効く媚薬に変わったということだけだった。
「どのくらい効くのか、気になるでしょう? まずは、ここで試してみようか」
「ん……っ、ちょっと、だけ……」
リノは、ここと指された乳首をきゅんっとさせながら答えた。
すでにふたつの乳首は、彼によって性感帯として花開き、少し撫でられるだけでも気持ちいい場所になっている。
いま、実際に触れられたのは右側の乳首だが、小さな輪によって感覚を繋がれているため、左側の乳首も同じように気持ちいいと感じられた。
期待に胸が高鳴っていく。
「うん、ちょっとだけ。試してみるだけだからね」
彼の指が、バラ色の液体を掬いあげる。
バラ色になった潤滑油は、先程よりももったりとしているらしく、彼の指先にしっかりとまとわりついていた。
「なんだか、クリームみたいにしっかりしてるね。瓶の中だと液体みたいだったのに、ちょっと不思議だ」
「……ぅん、ふしぎ……」
リノは、蕩けた目で彼の指にまとわりつくぷるりとしたバラ色のクリームを見つめた。
彼の指が軽く触れただけの乳首が、さらなる快感を求めてずくんずくんと疼いている。
「……待ちきれない?」
優しさの中に、隠しきれない嗜虐的な響きを滲ませる彼の声は、リノが抱える体の疼きを見透かしているようで、触れてもいないのにリノの体をぞくぞくと震わせる。
リノは、目の前に差し出されたバラ色のクリームを見つめたまま、こくりと頷いた。
「かわいいね」
やわらかく微笑んだ彼の唇が、リノの頬に押し当てられ、ちゅっと軽い音を立てる。
リノの耳が、その甘やかな口づけの音を拾い、頭の奥まで響かせた。
それだけで、彼の口づけを知る体の奥底から、じんわりと快感がにじみ出てくる。
リノはもう、昨日までのリノではなかった。
「ねぇ、くち、には……くれないの……?」
「口にも欲しい?」
唇からこぼれ落ちたリノの願いを、彼は掬いあげてもてあそぶ。
その瞳は、欲しいのならわかるよね、と言わんばかりにきらきらと輝いている。
「ほ、しぃ……きす、したい」
「おねだりしてくれるんだね。……素直で、かわいい」
ほんの一瞬も躊躇うことなく、口づけをねだったリノに、彼は待ち望んでいた口づけをくれる。
けれど、彼の口づけはほんの一瞬で、すぐに離れていってしまう。
リノは、離れていく彼の唇に目で追いすぎるが、彼の唇は戻ってきてはくれなかった。
気がつけば、手の中に潤滑油が入った小瓶が握らされている。
「これを、預けておくね。落とさないようしっかりと持っていて。このあと使う大事なものだから、くれぐれもこぼしてしまわないようにね」
「……っ、ん」
リノが小瓶をしっかりと掴んで頷くのを、彼は微笑みながら見守っている。
「よく見ててね。いまから君の好きなところに、これを塗ってあげるよ」
リノは、小瓶を握りしめた両手を腹の上に乗せ、彼の前に乳首をそっと差し出した。
バラ色に染まった潤滑油が入った瓶を、彼がちゃぷちゃぷとゆらしている。
リノは、ベッドに体をあずけたまま、どきどきしながらその音を聞く。
媚薬効果のある潤滑油は、あの魔法具を通してそれを使用するふたりの魔力を注ぐと、もともと入っていた媚薬効果さらに高めることができるようになっている。
正確には、自分の魔力が体に戻ろうとする性質にのせて、混ぜられている自分以外の魔力を体に注ぎ込み、外から注がれる魔力に反応しやすくなる効果がつく結果、らしいのだが、そのへんの違いがリノにはわからない。
とにかくリノにわかるのは、あの潤滑油が、リノたちによく効く媚薬に変わったということだけだった。
「どのくらい効くのか、気になるでしょう? まずは、ここで試してみようか」
「ん……っ、ちょっと、だけ……」
リノは、ここと指された乳首をきゅんっとさせながら答えた。
すでにふたつの乳首は、彼によって性感帯として花開き、少し撫でられるだけでも気持ちいい場所になっている。
いま、実際に触れられたのは右側の乳首だが、小さな輪によって感覚を繋がれているため、左側の乳首も同じように気持ちいいと感じられた。
期待に胸が高鳴っていく。
「うん、ちょっとだけ。試してみるだけだからね」
彼の指が、バラ色の液体を掬いあげる。
バラ色になった潤滑油は、先程よりももったりとしているらしく、彼の指先にしっかりとまとわりついていた。
「なんだか、クリームみたいにしっかりしてるね。瓶の中だと液体みたいだったのに、ちょっと不思議だ」
「……ぅん、ふしぎ……」
リノは、蕩けた目で彼の指にまとわりつくぷるりとしたバラ色のクリームを見つめた。
彼の指が軽く触れただけの乳首が、さらなる快感を求めてずくんずくんと疼いている。
「……待ちきれない?」
優しさの中に、隠しきれない嗜虐的な響きを滲ませる彼の声は、リノが抱える体の疼きを見透かしているようで、触れてもいないのにリノの体をぞくぞくと震わせる。
リノは、目の前に差し出されたバラ色のクリームを見つめたまま、こくりと頷いた。
「かわいいね」
やわらかく微笑んだ彼の唇が、リノの頬に押し当てられ、ちゅっと軽い音を立てる。
リノの耳が、その甘やかな口づけの音を拾い、頭の奥まで響かせた。
それだけで、彼の口づけを知る体の奥底から、じんわりと快感がにじみ出てくる。
リノはもう、昨日までのリノではなかった。
「ねぇ、くち、には……くれないの……?」
「口にも欲しい?」
唇からこぼれ落ちたリノの願いを、彼は掬いあげてもてあそぶ。
その瞳は、欲しいのならわかるよね、と言わんばかりにきらきらと輝いている。
「ほ、しぃ……きす、したい」
「おねだりしてくれるんだね。……素直で、かわいい」
ほんの一瞬も躊躇うことなく、口づけをねだったリノに、彼は待ち望んでいた口づけをくれる。
けれど、彼の口づけはほんの一瞬で、すぐに離れていってしまう。
リノは、離れていく彼の唇に目で追いすぎるが、彼の唇は戻ってきてはくれなかった。
気がつけば、手の中に潤滑油が入った小瓶が握らされている。
「これを、預けておくね。落とさないようしっかりと持っていて。このあと使う大事なものだから、くれぐれもこぼしてしまわないようにね」
「……っ、ん」
リノが小瓶をしっかりと掴んで頷くのを、彼は微笑みながら見守っている。
「よく見ててね。いまから君の好きなところに、これを塗ってあげるよ」
リノは、小瓶を握りしめた両手を腹の上に乗せ、彼の前に乳首をそっと差し出した。
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