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体育祭 その5
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1週間前の私はきっと想像できてなかったであろう。
運動が苦手な私がまさかリレーの走者になっているとは。
体育祭が始まり、大縄跳びが終わった。
前は体力が途中で切れて飛べなくなっていたが今日は最後まで跳べた。
次に障害物リレーが始まった。
1走目の佐藤さん、2走目の中野さん、3走目の梓さんと終わってとうとう私の番になった。
私が担当した借り物競走は3走目の人からタスキを受け取ったら走り、台の上に置かれた紙を1枚取り、お題に書かれた人と一緒に二人三脚をしてゴールに向かうという流れになっている。
走り出しは順調だった。
台の上に置かれた紙を開くと書かれていた文字を読んだ。
『親友』
親友。
仲のいい友達を指す言葉ではあるが、ただの友達とは分ける必要があると思う言葉。
クラスメイトとか確かに仲良くなった人もいるものの、果たして親友とは言えるのだろうか……。
そもそも親友とはなんなのだろうか……。
ただこの時、浮かんだ顔は、驚くことに賀川さんの顔がはっきりと浮かんだ。
なぜかは分からなかったけど彼女しか居ないとこの時は思った。
私は真っ先に彼女の元へ駆け寄った。
「賀川さん!行くわよ!」
「おう!我はついて行くぜ!」
私達は一切二人三脚の練習はしていなかった。
なぜなら練習してたとしてもお題はランダムだったので練習しても2人が当たらない可能性があったからだ。
ただ、練習してなかったが2人でいた時間は想像以上に濃く、長かったようで練習などいらないくらいに息があっていた。
「風が我らを押してくれているようだ。さすが契約した我らだな!」
「契約は知らないけども……まぁそうね。飛ばすわよ!」
息のあった2人の二人三脚は後続が追いつけないくらい早くゴールに向かった。
「やったな!我らが1位らしいぞ!」
私はお題の書かれた紙を先生に渡してきた。
「そういえば……お題ってなんだったのか?」
「秘密よ。秘密」
「まぁいい……次はリレーだな!さやか殿頑張るぞ!」
「そうね」
私達のクラスのある紅組は白組と接戦を繰り返しながらリレーの時間を迎えた。
運動が苦手な私がまさかリレーの走者になっているとは。
体育祭が始まり、大縄跳びが終わった。
前は体力が途中で切れて飛べなくなっていたが今日は最後まで跳べた。
次に障害物リレーが始まった。
1走目の佐藤さん、2走目の中野さん、3走目の梓さんと終わってとうとう私の番になった。
私が担当した借り物競走は3走目の人からタスキを受け取ったら走り、台の上に置かれた紙を1枚取り、お題に書かれた人と一緒に二人三脚をしてゴールに向かうという流れになっている。
走り出しは順調だった。
台の上に置かれた紙を開くと書かれていた文字を読んだ。
『親友』
親友。
仲のいい友達を指す言葉ではあるが、ただの友達とは分ける必要があると思う言葉。
クラスメイトとか確かに仲良くなった人もいるものの、果たして親友とは言えるのだろうか……。
そもそも親友とはなんなのだろうか……。
ただこの時、浮かんだ顔は、驚くことに賀川さんの顔がはっきりと浮かんだ。
なぜかは分からなかったけど彼女しか居ないとこの時は思った。
私は真っ先に彼女の元へ駆け寄った。
「賀川さん!行くわよ!」
「おう!我はついて行くぜ!」
私達は一切二人三脚の練習はしていなかった。
なぜなら練習してたとしてもお題はランダムだったので練習しても2人が当たらない可能性があったからだ。
ただ、練習してなかったが2人でいた時間は想像以上に濃く、長かったようで練習などいらないくらいに息があっていた。
「風が我らを押してくれているようだ。さすが契約した我らだな!」
「契約は知らないけども……まぁそうね。飛ばすわよ!」
息のあった2人の二人三脚は後続が追いつけないくらい早くゴールに向かった。
「やったな!我らが1位らしいぞ!」
私はお題の書かれた紙を先生に渡してきた。
「そういえば……お題ってなんだったのか?」
「秘密よ。秘密」
「まぁいい……次はリレーだな!さやか殿頑張るぞ!」
「そうね」
私達のクラスのある紅組は白組と接戦を繰り返しながらリレーの時間を迎えた。
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