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夏休み その10
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今日も少しだけ目が覚めてしまった。
昨日と今日が充実していたからだろうか、だが自分の心には少しモヤがかかっている気がする。なぜかは分からないけど目が覚めてしまったから今日も夜風に少し辺りに行くことにした。
テラスに行くともう先客がいた。
賀川さんだ。
「隣いい?」
「さやか殿も眠れなかったのか。我もだ」
「私ね、令嬢だって言うことを秘密にしていたの。今まで同じ令嬢じゃない人にそれを伝えるといつも私を金を見るような目で見てきたり、勝手に上から目線に見てると思われたりしてきたから、言わないのがいちばんいいと思っていた。もしかしたら怖かっただけなのかもしれないけど」
「だから、本当は今日の合宿も怖かった」
「けど楽しかったわ。行ってよかった」
「なぁ、さやか殿。なぜ人は先入観で決めつけてしまう生き物なんだろうな、確かに我も先入観はない訳では無い。だが、その人はその人だし、さやか殿はさやか殿だと思うんだけどな」
「確かに西城財閥の令嬢って昨日聞いた驚きはしたけど、聞いたからと言ってさやか殿に対してなにか変わる訳でもないし、さやか殿はさやか殿として今のままでいたらいいと思うぞ」
「少なくとも我はさやか殿はさやか殿として今までと変わらずに1人の人として見るぞ」
その言葉を聞いて私は思った。
この人はあまりにも純粋すぎる、そして優しい。
今までの人とは少し違う風が吹くかもしれない。
彼女には少しだけ心を開いたような気がした。
気づけば夜も更けて深夜まで話し込んでしまっていた。
帰りの車の中で2人ともぐっすり眠ってしまっていた。
こうして、私達の合宿と夏が幕を閉じた。
この合宿は私達2人にとって意味のあるものになったと今なら言える。
少しだけ賀川さんへの見方が変わった気がした。
賀川真白……彼女はトラブルメーカーだ。
しかし、彼女は誰よりも純粋で真っ直ぐだ。
昨日と今日が充実していたからだろうか、だが自分の心には少しモヤがかかっている気がする。なぜかは分からないけど目が覚めてしまったから今日も夜風に少し辺りに行くことにした。
テラスに行くともう先客がいた。
賀川さんだ。
「隣いい?」
「さやか殿も眠れなかったのか。我もだ」
「私ね、令嬢だって言うことを秘密にしていたの。今まで同じ令嬢じゃない人にそれを伝えるといつも私を金を見るような目で見てきたり、勝手に上から目線に見てると思われたりしてきたから、言わないのがいちばんいいと思っていた。もしかしたら怖かっただけなのかもしれないけど」
「だから、本当は今日の合宿も怖かった」
「けど楽しかったわ。行ってよかった」
「なぁ、さやか殿。なぜ人は先入観で決めつけてしまう生き物なんだろうな、確かに我も先入観はない訳では無い。だが、その人はその人だし、さやか殿はさやか殿だと思うんだけどな」
「確かに西城財閥の令嬢って昨日聞いた驚きはしたけど、聞いたからと言ってさやか殿に対してなにか変わる訳でもないし、さやか殿はさやか殿として今のままでいたらいいと思うぞ」
「少なくとも我はさやか殿はさやか殿として今までと変わらずに1人の人として見るぞ」
その言葉を聞いて私は思った。
この人はあまりにも純粋すぎる、そして優しい。
今までの人とは少し違う風が吹くかもしれない。
彼女には少しだけ心を開いたような気がした。
気づけば夜も更けて深夜まで話し込んでしまっていた。
帰りの車の中で2人ともぐっすり眠ってしまっていた。
こうして、私達の合宿と夏が幕を閉じた。
この合宿は私達2人にとって意味のあるものになったと今なら言える。
少しだけ賀川さんへの見方が変わった気がした。
賀川真白……彼女はトラブルメーカーだ。
しかし、彼女は誰よりも純粋で真っ直ぐだ。
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